The Magnificent Seven (by Mark Horton)2016年02月
ちょっとブリッジタイム
世界選手権(1991年・横浜)デイリーブリテン No.8(10月6日号)より。

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The Magnificent Seven (by Mark Horton)

  黒沢明の傑作「七人の侍」と同名のユル・ブリンナー主演の西洋版(邦題「荒野の七人」)は
誰でも知っているでしょう。しかしここでの話は映画のことではありません。
これはチームという異名のついている英国の大酒飲みのブリッジプレーヤー達が、
D7に特殊な意味を持たせた話です。

  彼らは、リチャード3世とヘンリー7世の戦いで知られるボスワード平原にある
マーケットボスワード村のレッドライオンというパブの常連でした。
月に一度、このチームは24ボードのチーム戦の挑戦を受けました。
しかし、この試合には特殊なルールがあったのです。

 <ルール1>
   プレーヤーがジョッキ1杯ビールを飲む度に、自分のサイドに1IMP加える。

 <ルール2>
   さらにD7の魔力を加える。最後のトリックをこのカードで勝つと、
  そのディクレアラーは他の全員からビールをジョッキ1杯おごってもらえる。
  そしてさらに7IMP得点できる。だが、D7で勝てるにもかかわらず勝たなかった場合、
  残りの7人にビールをおごらなくてはならない。(しかしIMPは1点しか失わなくて済む)
   この罰則は第1トリックにD7をリード、あるいはプレイしたディフェンダーにも
  適用される。
   このルールは、スーツ・コントラクトでしかもDが切札でない時にしか適用されない。


  もうおわかりのように、このチームのメンバーになる為には、
まず大量のビールを飲める事と、さらにスーツをフォローする時にも特定のカードにだけは
注意を払うだけの能力を要求されるのです。

  ほとんど2年間にわたってこのチームは勝ち続けましたが、それと同時に
プレッシャーも非常に高いものとなり、他チームの挑戦を受けるのは次で最後にしようと
いう事になりました。最後の試合の相手はたいへん手ごわいチームでした。
すさまじい大酒飲み達だったのです!

  この試合は、終始大接戦でした。(1ボード毎にビールをジョッキ1杯飲むのです)
しかし、挑戦チームが徐々にリードしてきました。
そして最後のボードがやってきた時、その差は23IMPに拡がっていました。

ディーラー S、NSバル
W
4
Q10742
93
QJ1096
N
53
653
KQJ107
542
E
9762
J9
A642
873
S
AKQJ108
AK8
85
AK

  両方のテーブルともコントラクトはSの6Sで、オープニングリードは
どちらもCQでした。挑戦チームのディクレアラーはトランプを狩り、
Dを出しました。EがDAを2巡目に取ったので、コントラクトは1ダウンしてしまいました。

  しかし大酒飲みチームのディクレアラーはもっとよく考えました。
オープニングリードをCKで勝ち、トランプを狩り、CAを取りました。
次にD8を出すと、WはD9、ダミーはD10、EはD2を出します。
次にダミーからCを出してハンドでラフし、HHKをキャッシュし、残りのトランプも取ります。

  ダミーにはDK7と残り、ディクレアラーがD5でイグジットすると、EはDAで勝ちますが、
最後のトリックはダミーのD7が勝つ羽目になってしまうのです。

(追加図↓。編集部より)
W
---
Q
---
J
N
---
---
K7
---
E
---
---
A6
---
S
---
8
5
---

  このディクレアラーのプレイは、「普通の」17IMP プラス 
最後のトリックを特別なD7で勝った「ボーナスの」7IMPを獲得しました。
そしてこの試合も1IMP差で勝つことが出来たのです!

  この試合には余談があります。Eが第12トリックにDAをダックしておけば、
貴重な7IMPを取られずに済んだのです。そうしておけば、さらに全員から1杯ずつ
ビールをおごってもらえたのです!

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(注)本記事は、「ちょっとブリッジタイム」(=通称「ちょブリ」)
   Vol.9 NO.2(Winter, 2002)に掲載したものと同じです。
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