世界アンチ・ドーピング機構(WADA, World Anti-Doping Agency)
WBF(世界ブリッジ連合)はIOC(国際オリンピック委員会)に認定
された「国際競技連盟」ですので、IOCの規約が適用されます。
そのなかのひとつにWADAへの加盟があります。
WADAに加盟すると選手が抜き打ちでドーピング検査を受けます。
スポーツ界ではオリンピック・メダリストやテニスの有名選手
などが処分を受けたという話をよく聞きます。
ブリッジ界では昨年(2018年)に始めての処分がでました。
世界選手権(ローゼンブルム杯)優勝チームの男性選手です。
検出されたのはテストステロン(synthetic Testosterone)と
クロミフェン(Clomifene)。テストステロンは男性ホルモンの
ひとつで、クロミフェンにはテストステロンを増加させる作用
があるとか。男性ホルモンを経口摂取してもブリッジの成績が
上がるとは思えないのですが、違反は違反だということで。
WBFから以下の処分が下されました。
a)2019年11月20日までのWBF主催競技会への出場禁止
(今年の世界選手権には出られないということです)
b)2018年世界選手権に於いて獲得したタイトル、メダル、
アワード、マスターポイントの没収
c)当該優勝チームの準優勝への格下げ
d)当該チームメンバーには瑕疵が無いとして、準優勝のメダル、
アワード、マスターポイントが認められる。
e)当該チームの所属するモナコ・ブリッジ連盟はお咎めなし
f)処分者は会議開催費用の3659ユーロ(邦貨45万円強)を弁済
当該事案に関するウェブサイトの記事は
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2019年2月28日WBFヘッドライン・ニュース →
ニューヨークタイムズ・ウェブ版2019年3月2日記事 →
フォックスニュース・ウェブ版2019年3月1日 ウィキペディアによると、テストステロンには筋肉増大や骨格発達
などの作用、心理的には闘争本能や孤独願望を高める作用をもたらす
とありますが、ブリッジにとって良いことがあるとは思えないです。
本人は、体重抑制のためにボディビルダーの友人から貰った薬
(サプリメント)をのんだと言っています。
(ちなみに彼は子供の頃から太っています。)
なお米国ブリッジ連盟(ACBL)は、WADAとの関係が無いので今回のWBF
の処分はACBLには関係が無く、ACBLの試合への参加は歓迎(welcome)
するという発表しています。
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ACBL_Bridge_Feed →
米国「ブリッジ・ウィナーズ」ウェブサイト2019年3月2日の記事 この辺りがまたややこしく。
ACBLはWBFには加盟していない。
米国でWBFに加盟しているのはUSBF(United States Bridge Federation)
である。米国の市民権を持つACBL会員は、USBFの会員とみなされる。
私などもそうですが、ACBLの会員であっても米国の市民権を持たない
者は、USBFの会員とは見なされないので、WBFの処分とは関係が無い、
ということのようです。
関係記事は:
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米国「ブリッジ・ウィナーズ」ウェブサイト2019年2月27日の記事 →
米国「ブリッジ・ウィナーズ」ウェブサイト2019年4月3日の記事 日本コントラクトブリッジ連盟(JCBL)は日本オリンピック委員会(JOC)
の承認団体なので、JOCの規約に従い今春から公益財団法人日本アンチ・
ドーピング機構(JADA)に加盟しました。
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日本アンチ・ドーピング機構ウェブサイト IOC承認国際競技連盟を見てみたところ、国際相撲連盟のウェブサイト
では、世界大会(於大阪)でJADA協力のもと、アンチ・ドーピング啓発
活動(Anti-Doping Outreach Activities)が開催されたことがトップ
ニュースになっていました。
ドーピング・テストは何をするのかについては2016年の記事になりますが、
テニスの錦織選手が語っています。
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集英社スポーツ総合雑誌「スポルティーバ」ウェブサイト いつの日か国内のブリッジ競技会でドーピング・テストが行われるとしたら、
日本代表選抜試合でしょうか。