この記事は
5枚メジャーでの1NTオープン(5)の続きです。
5枚メジャーが有るハンドで1NTオープンをするのなら、
2NTオープン相当の点数の多いハンドはテナス(tenace)
を守る為に、5枚メジャーが有るハンドをノートランプで
オープンする必要性がより高まります。
2019年 朝日新聞社杯 第8ラウンド 19番ボード

ディーラーSouth、EWバル

Northからスモール

のリードでダウン2。
レスポンダー(East)はハンドの形がノートランプ向きの
4333で、二人合わせて30点位なので、スーツコントラクト
よりもノートランプの方が安全なことが多いです。
しかしながらレスポンダーは

と

が弱いです。2NT
オープナーに5枚メジャーが有るときには、いずれかの
スーツにダブルトンがあるはずで、それが

か

のとき
にはストッパーが問題になります。
このディールでは3NTよりも4

が優れたコントラクト
です。結果的に4

は、

の分かれが極めて悪いですが、
最低でも4メイクはするようです。
パペット(puppet)・ステイマンを約束しているときは、

と進みます。「3

」は5枚

を表します。
パペット・スイッチ(puppet switch)を使っているときは、

W | N | E | S | |
| | | P | 2NT | P | 3 | P | 3NT* | P | 4 | P | 4 | All | Pass |
|
と進みます。「3NT」は5枚

を表し、「4

」は
リトランスファー(re-transfer)です。
ロメックス(Romex)・ステイマンを採用しているときには、

W | N | E | S | |
| | | P | 2NT | P | 3 | P | 3 * | P | 3 * | P | 4 | P | 4 | P | 4 | All | Pass |
|
と進みます。「3

」は4〜5枚の

を表し、「3

」は

の枚数を聞いています。「4

」は5枚

とスラム向き
のハンドを表し、「4

」はリトランスファー(re-transfer)
です。
「パペット・ステイマン」には、レスポンダーが5-4の
メジャーを表すことが難しいという欠点があります。
「パペット・スイッチ」と「ロメックス・ステイマン」に
はこの欠点はありません。ただ、仕組みがやや複雑なので
覚えることが増えます。
このボードの朝日新聞社杯での結果は以下の通り。

フライト | テーブル数 | アベレージ | 3NT | 4H | 6H |
A | 24 | EW+90 | 14 | 6 | 1 |
B | 20 | EW+230 | 9 | 8 | 2 |
C | 21 | EW+410 | 5 | 14 | 0 |
D | 22 | EW+160 | 13 | 8 | 0 |
E | 20 | EW+410 | 7 | 13 | 0 |
F | 20 | EW+450 | 8 | 10 | 0 |
フライトAが3NTをコントラクトしているテーブルが
一番多く、次がフライトDです。
理由は色々考えられますが妙なものです。