イタリア・ブルーチームの不正行為をウィルスモア(Avon Wilsmore)
が摘発する「アンダー・ザ・テーブル(Under the table)」。
ウェブサイト「ブリッジ・ウィナーズ」でも紹介されています。
これは本の宣伝では無く、ブリッジ・プレイヤーの色々な意見を聴く
ためのようです。
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語られることのなかったブルーチーム・ルール 50年以上も前の不正行為が今になって取り上げられるのは、2015年
8月29日にノルウェーのボイエ・ブログランド(Boye Brogeland)が
ウェブサイト
ブリッジ・チーターズ を立ち上げたことに端を発しています。
何十年も前から「あのペアは怪しい」などという噂の類いはいくら
でもあったようですが、何といっても証拠が無い。2015年にはビデオ
が動かぬ証拠となりました。それ以来、不正行為について皆が
「言いやすくなった」ということのようです。
イタリア代表の通称「ブルーチーム(Blue team)」は六人編成で
ベラドンナ(Giorgio Belladonna)とガロッゾ(Benito Garozzo)の
二人を主力プレイヤーとし、実力的にはやや劣るもののフォルケ
(Pietro Forquet)を入れて、この三人を主軸に構成されています。
チームの他の三人にはアバレリ(Walter Avarelli)、ダレリオ
(Massimo d'Alelio)、パピス・ティッチ(Camillo Pabis-Ticci)、
チアラーダ(Eugenio Chiaradia)、ビアンキ(Benito Bianchi)など
のプレイヤーがいます。
このチームで毎年開催される世界選手権を1957年から1974年の
18回のうち、15回を優勝。
1975年にスクリーンが始めて採用されます。その年も優勝。
ところが初期のスクリーンはテーブル上を斜めに仕切る壁だけで、
テーブルの下は何もありませんでした。
この大会で、チームのファッキーニ(Gianfranco Facchini)と
ズッケーリ(Sergio Zucchelli)のペアが足を使った「フット・
シグナル」を指摘されています。しかしながら優勝タイトルの
返上や剥奪には至りませんでした。
1976年からテーブルの下にも斜めに壁が据え付けられるようになり、
それ以降にブルーチームの優勝はありません。
以来、イタリアが優勝するのは2004年になるのですが、そのチーム
にはこれまた不正行為で有名なファントーニ(Fantoni)とヌーン
(Nunes)の「FNペア」が加わっていました。
ブルーチームの「手口」は以下のものが分析されています。
ハンドの強さを表す「レンジ(range)・シグナル」
短いスーツを表す「ショーテージ(shortage)・シグナル」
の長さを表す「クラブレングス(club length)・シグナル」
なぜ「
の長さ」かと言うと、ブルーチームが当時(1958-1967頃)
に使用していたビディング・システムは
の長いハンドを表すのが
不得手だったことが理由と分析されています。また、「
の長さ」
と「短いスーツ」を組み合わせることでかなり正確にハンドの形を
想定できる仕組みになっているようです。
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不正行為(12)に続きます。