米国のブリッジサイト「ブリッジウィナーズ」に興味深い記事がありました。
2011年ACBLブルーリボン杯優勝ペアの使用システムです。
ACBLブルーリボン杯の参加資格はJCBLと少し違って、リジョナルの
1位2位、ナショナルの上位、グランドナショナル地域代表チームメンバー、
ACBL代表チームメンバー、マスターポイントランキング100位以内。
参加資格は重複して付与され、しかも貯めが効きます。
試合方式はマッチポイントペア。予選、準決勝、決勝の3日制で、参加者を
ほぼ半分ずつに減らして行きます。
ACBLナショナルのだだっ広い会場で開催されるので事前申し込みは無し。
2011年秋季ナショナル(12日間)の延べ参加数は11429テーブルでした。
1日約1千テーブルです。日本からも20〜30人は行っていたのではない
でしょうか。
そう言えば、2010年秋季ナショナルのライフマスターペアで古田さんと
三浦さんのペアが優勝したのは記憶に新しいです。写真とともに
大会ブリテン(PDF 2.2MB)のトップ記事です。快挙と言えるでしょう。
これからも頑張って欲しいです。
話戻って、2011年ACBLブルーリボン杯の参加は予選312ペア。
例年と同じ規模。準決勝は156ペア、決勝は78ペアでした。
優勝した Roger Lee(24歳)と Joshua Donn(29歳)のペアは若手の
有望株と言った位置づけでしょう。Alan Sontagのいう BRIDGE BUMか
と思いきや、年長の方はラスベガスのカジノの経理マネージャーだとか。
BBOで何回か組んだことはあるものの、生(ナマ)ブリッジで組んだことは
数えるほどしかないそうで。
開始数分前に会場で以下のシステムを取り決めしたそうです。
ブリッジウィナーズの記事は →
リンクこちら。
JCBLコンベンションカードだとこんな感じになります
→
2011ACBL Blue Ribbon Pairs Winner's system(PDF 419KB)。
今ふうではありますが、特に複雑なコンベンションは見当たりません。
米国内の流行を反映はしていますが、日本のクラス4のウィークリーで
使われている2-over-1とほぼ同レベルです。
3NTオープンがSOL SUITで、2-over-1の2
レスポンスを3枚保証に
すればJCBLリストCで使用可能。
WEAK TWOのレスポンスで、バルのときはFEATURE、ノンバルのとき
はOGUSTと使い分けしてるところなど、なるほど〜と感心させられます。
概略は以下の通り。
2-over-1・完全ゲームフォース:2
レスポンスは
スーツかバランスハンド、
1M−2
は5枚保証、オープナーの2Mリビッドはキャッチオール。
1NTオープン後:Four-suit TRF、2
=
s or range ask(two-way)、
オリジナルSMOLEN、3
= PUPP STAY、3
= MINORS、
3
/
= 5431type SPL、LEB SLOW SHOWS、NEG DBL。
2NTオープン後:PUPP STAY、3
= PUPP 3NT。
3NTオープン = 強い4Mオープン。
メジャーオープン後:セミフォーシング1NT、米国流ジャコビー2NT/3NT、
2-way SPL。
マイナーオープン後:バイパス
、インバーテッドレイズ。
2
オープン:セカンドネガティブ付2
ウエイティング、
コキッシュ(3
/3
インバージョン)。
ワイドレンジ・リオープン1NT:2
レンジアスキングSTAY。
オーバーコール:ニュースーツ = 積極的ノンフォーシング。
対1NTオープン:マルチランディー。
対STRNT:ダブル=4M&5+m、対WKNT:ダブル=PEN。
メジャーもマイナーもTRUSCOTT 2NT。1MX後TRF。
1m−1M:2NT−TRF。
1m−1M:2M−2NT = アスキング(3m = NAT3枚サポート、
3M = mini4枚サポート、3OM = maxi4枚サポート)。
競り合いの「ダブルレイズ−1」 = MIXED RAISE。
Fourth対NT、Third/Lo対SUIT、RSNW対NT。
UDCA、REV SMITH、TRUMP SUIT-PREF。
米国の標準的な2-over-1とは異なる(一般使用率5割未満)の取り決め
は、3日間(6セッション=156ボード)での出現頻度が以下の通りだとか。
1度も無し:1NT−2
、KOKISH、RANGE-ASKING STAY、EKB。
1度だけ:1NT−3
、3NTオープン(但しNEGATIVE INFERENCE)。
何度か:FEATURE&OGUST、TRF aft Jump 2NT、TRF aft 1MX。
何度も:DOUBLE RAISE−1 as MIXED RAISE、RSNW vs NT。
頻繁に:SEMI-FORCING NT、REV SMITH、TRUMP SUIT-PREF。
The Bridge World誌に Larry Cohenが、ナショナル期間中(約12日)
に1回も出て来ないようなコンベンションは必要性が疑問であると書いて
いたことを思い出します。1日52〜64として、約700ボードでしょうか。
ヨーロッパの大会や世界選手権は朝から始まって夜の8時には終わるの
ですが、ACBLナショナルは13:00&19:30の2セッションで夜中まで
かかることが多く、夕食の時間が中途半端。ところが10:00&16:00で
開催されることもあるようです。久しぶりに行ってみたくなりました。