何年経っても記憶から消えないディールというのが誰にもあると
思います。私のは「これ」です。
2014年4月 サントリー杯 第2セッション 3番ボード
ディーラーSouth、EWバル
W | N | E | S | |
| | | P | 1 | 4 | 4NT? |
|
EW側は5
ならプラス620、6
で1370です。6
はスラムとしては
やや劣ります。というか、
のルーザーが消えないのでダウンします。
それに対してNS側の
コントラクトは9トリックを取るので、4
で
ワンダウン。5
xでもマイナス300、6
xでもマイナス500で済む。
NS側としては、『どこまでも』ビッドし続けた方が得ということです。
少なくとも6
までは。
4
直後のEastの「4NT」はツー(two)・スーター・テークアウトで、
「
と
」か「
と
」か「
と
」です。
(こうしておかないと「
と
」の激しい2スーターを表せない。)
4つのハンドを見たようにビッドするなら、
Eastは6
までは言いますが、9点しかないのでセブンは狙いません。
従ってNS側に6
を言われたら、パートナーが7
を言わないように、
ダブルをかけます。
2014年5月 関東圏CCG 13番ボード
ディーラーNorth、NSバル
Southはパートナーの1
オープンを聞いてぶったまげます。
オークションは、
W | N | E | S | |
| 1 | P | 4 | 4NT | P | 5? | 5 | P | P | 5NT | 6 | P | P | DBL | P | P | P | |
|
こうなるとは限りません。全然。
「4NT」は、ツー(two)・スーター・テークアウト。
「5
」は、パスするか(
&
なら、
に)直せ。
通称「パスコレ」(Pass-or-correct, Correctable)。
「5NT」は、何か言え。ピック・ア・スラム(pick-a-slam)。
Eastとしては6の代でコントラクトするつもりはありますから、
「5
」では足りないかもしれません。しかしながらSouthが
『どこまでも』付いてきます。少なくとも6
までは。
ここで確認。
W | N | E | S | |
4 | 4NT | P | ? | | | |
|
対戦相手の4
ビッドに対するインタービナー。
「4NT」は
&
か、
&
か、
&
のツー(two)・スーター。
これに対してアドバンサーは、
「5
」は、
が3枚はある。
&
または
&
ならパスして、
&
なら5
に直せ。
「5
」は、
と
の両方に長さがある。
&
または
&
ならパスして、
&
なら5
に直せ。
「5
」は、
が山のようにある。5
でプレーしたい。
パートナーはレイズすることがある。
「5
」は、スラムでコントラクトしたい。
パートナーは
&
なら5NT、
&
なら6
、
&
なら6
をビッドする。
「5NT」は、パートナーが何の2スーターかが判っている。
長い方または強い方のスーツをビッドして欲しい。
「6
」、「6
」、「6
」は、そのスーツでコントラクトしたい。
以上を前提として、
米国「ブリッジワールド」誌 2017年12月号から
IMP戦、ノンバル
W | N | E | S | |
4 | 4NT | P | ? | | | |
|
パートナーは
と
の2スーターに決まっている(と思う)。
どうするか?
27名のパネル回答者達もこれには困り果てて、「5
」だの「5
」だの
「5
」だの「5NT」だの「6
」だの、意見が分かれました。
どこまでもビッド(2)に続きます。