この記事は
アジア杯2018参加報告 アジア杯2018参加報告(2) の続きです。
インドで開催された第3回アジア杯。
男子チームの決勝は、中国 対 香港。
16ボード×3セグメント、48ボードの IMP戦です。
中国チームには10 IMPの予選キャリーオーバーがありましたが、
香港チームが第1、第2セグメントを勝って 70対57 とリード。
第3セグメントで少し返され、あと1ボードを残して 84対78。
6 IMP差のリードを香港が守れるか。
アジア杯 男子決勝 最終(48番)ボード
![](s.png)
ディーラーWest、EWバル
![](s.png)
NS : 中国
EW : 香港
「3
![C](c17.png)
」はコンベンションカードによると「modified Bergen raise」。
4
![S](s17.png)
のプレーはスモール
![H](h17.png)
のリードを
![S](s17.png)
4で切り、
![S](s17.png)
AKの2巡で
狩り集め、
![C](c17.png)
を負けに行って6メイク。NS+480。
はたして反対テーブルでは。
![](s.png)
NS : 香港
EW : 中国
ゲームルーズした!
「2NT」はコンベンションカードによると「4枚サポートの7〜12点」。
しかしながら6メイクすればNS+230で、250点の失点はちょうど
6 IMPで引き分けになる。
中国Eastのリード。もし
![D](d17.png)
を出せば5メイク。しかしながら当然に
![H](h17.png)
。
ではなく、
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9をリード。
香港Northのディクレアラーは
![S](s17.png)
Jで勝ち。
2トリック目に
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Jを流してクイーンに負けた。
コントラクトはほどなく5メイク。
NS+200は7 IMPの得失点で、中国チームが逆転勝利しました。
しかしながら。
本当に6メイクなどするのか?
BBOの記録によると4
![S](s17.png)
のディクレアラーはSouth。
![H](h17.png)
リードを
![S](s17.png)
4で切り、
![S](s17.png)
A、
![S](s17.png)
Kと狩り上げて、
![C](c17.png)
を負けに行った。
Westは
![C](c17.png)
Aを直ぐに取った。
4トリック目からの記録は残っていません。
Westが
![H](h17.png)
を出して切らせば、ディクレアラーには12個目のウィナー
が無いです。
手元の
![C](c17.png)
でダミーの
![D](d17.png)
は消せますが、ダミーには切り札が2枚
しかないので、手元の
![D](d17.png)
を3枚とも処理することは出来ません。
ではトップ
![D](d17.png)
を出したか?
![D](d17.png)
を出すと、ディクレアラーはエースで勝ち、ダミーの
![C](c17.png)
を取って
から
![H](h17.png)
を切って手元に戻り、
![C](c17.png)
Kで
![D](d17.png)
Jを捨てて、「
![D](d17.png)
109」で左手の
![D](d17.png)
絵札をトランプフィネスして。これが12個目のウィナーになります。
または
![C](c17.png)
Aを取って、
![C](c17.png)
を出したか?
ディクレアラーは
![C](c17.png)
でダミーの
![D](d17.png)
を捨て、
![D](d17.png)
Aを取ってから、「
![D](d17.png)
10」
で左手の絵札を切り落とす。続けて
![H](h17.png)
ラフで手元に戻り、今度は
「
![D](d17.png)
9」を出して、左手の絵札を切り落とす。すると右手の「864」を
踏みつけて、手元の「
![D](d17.png)
5」がウィナーになります。
このプレーは、なかなか出来ないでしょう。
この4
![S](s17.png)
が5メイクなら、試合結果は84 IMPで同点になりました。
するとどうなったか?
アジア杯の試合要項(Supplemental conditions of contest)には
予選でVPが同点のときについては規定してあるのですが、
決勝でIMPが同点のときは規定されていないです。
ちなみに世界選手権の試合要項では、決勝のタイ・ブレークは
4ボードの追加。それでも同点のときには1ボードのサドンデス
(sudden death)を繰り返すと規定されています。
こちらを流用するものと思われますが。
アジア杯は「試合要項に定めの無いときには世界選手権の規定
を適用する」とはどこにも書かれていないです。
揉めなくてよかった。
このようなときって試合主催者の観点からヒヤヒヤします。