「コントラクトブリッジ」というゲーム。
「コントラクト」が「契約」はいいとして。
「ブリッジ」は『橋』なのか?
テーブルを挟んでパートナーとの関係が「橋」のようなものだから。
そんなことを言うと、
Don't sleep through life! と突っ込まれるかも。
「ブリッジが“Bridge”という名前になったのは。
“Biritch”というゲームだったから。」
“Biritch”を英語で発音すると“Bridge”になり、
これはコントラクトブリッジとはルールもスコアも違います。
大英博物館には1886年に発行された“Biritch or Russian Whist”
という4頁のパンフレットがあります。米国ブリッジ連盟にも
ケンブリッジ大学図書館から寄贈されたものがあり、ミシシッピ州
の「ACBLブリッジ博物館」に収蔵されています。
“Biritch”というゲームはセルビア・クロアチア語またはウクライナ語
で発祥は中東方面という説がある一方、オックスフォード英語辞典
にはトルコ語の“bir-üç”であると書かれています。これは「一、三」
という意味で、一人がハンドを広げ、三人は手元に持っていることを
示唆しているようです。
コントラクトブリッジは、17世紀中頃から流行した、オークション(ビッド)
もダミーも無い「ホイスト(Whist)」を祖先として。現在の形に近づいた
のは、インド在住の英国人4人の名前の頭文字を取って1914年に
発表された“SACC”。フランスで1920年代に流行した“Platfond”。
これは platfond bridgeとか bridge platfondとも呼ばれました。
今のルールとスコアに決まるまでに「ブリッジホイスト」、「オークション
ブリッジ」、「コントラクトブリッジ」と変化をとげています。
現代では「1927年発案」が通説となっています。
興味のある方は以下の文献を御参照ください。
ブリッジ百科事典(ACBL, Encyclopedia of Bridge)第7版、5〜8頁。
ジュリアン・レイダーマン(Julian Laderman)著 「バンブルパピー・
デイズ(Bumblepuppy days)」、153頁。
ニコラエ・スフェツク(Nicolae Sfetcu)著 「ザ・ブリッジ・ゲーム
(The Bridge Game)」の8頁目にはオックスフォード英語辞典からの
引用があります。