この記事は
リダブル(14) wriggleとSOSの続きです。
ネガティブダブルへの対抗手段。
「リダブル」を「強い2枚サポート」を表す意味に使います。
発案者の名前から、「ローゼンクランツ(Rosenkranz)・リダブル」。
通称「アナー(honor)・リダブル」。

W | N | E | S | |
1 | 1 | DBL | ReDBL | | | |
|
「リダブル」はダブルトン

サポートで、

Aまたは

Kを表します。

の内容だけを保証して、ハンドの強さは表しません。
リダブルをこのように約束にすると、パートナーはオープニング
リーダーになったとき、キングのアンダーリードはもとより、
エースのアンダーリードも出せるようになります。またこのときの
リードカードは、スーツプリファランスを表す約束にすることも
出来ます。
なお日本国内では「ダブル」、「リダブル」はアラート不要です。
テーブル上では、対戦相手がダブルまたはリダブルしたときには、
ためらわずに聞くことをお勧めします。
この「ローゼンクランツ・リダブル」を発案したメキシコのドクター・
ジョージ・ローゼンクランツですが、ブリッジのエキスパートである
と同時に、避妊用ピルの特許を持っていた研究者です。何人もの
プロを雇い、全米選手権や世界選手権大会に参加するのを常と
していました。最近は見かけないようで、最高レベルの試合に出
続けるには体力的にキツくなってきたようです。
この「ローゼンクランツ・リダブル」は元々は、3枚以上のサポートで
もよく、またエース、キングのほかにクイーンでも可でした。さらに
「1

-1

-2

-DBL」のように、レスポンダーがニュースーツを低い
代でビッドしたときにはローゼンクランツ・『ダブル』が使用されます。
この「ローゼンクランツ・リダブル」は
米国ブリッジ連盟(ACBL)の会報記事用スタンダード には、
スナップドラゴン(snapdragon)・ダブルとともに採用されています。
ところが米国「ザ・ブリッジワールド」誌による
Bridge World Standard 2017 (記事
BWS2017参照)には、
スナップドラゴン・ダブルは採用されていますが、ローゼンクランツ・
リダブル(アナー・リダブル)は採用されていません。従ってネガティブ
ダブルの直後の「リダブル」はハンドの強さを表す意味になります。
BWS2017は米国内の選ばれたエキスパート達に「あなたの参加
する上級者向け競技会ではどのようなシステムやコンベンション・
取り決めが流行っていますか?」という質問に対する回答に基づい
て構成されています。ということは、「ローゼンクランツ・リダブル」は
米国内でもさほど人気は無いものと想像されます。