「リグル (wriggle)」
くねらせる、のたうつ、じたばたする、というような意味。
ペナルティダブルをかけられたときに逃げる方法のことを言います。
例えば:

W | N | E | S | |
| | | 1 | P | P | DBL | P | P | ReDBL | P | ? | | | |
|

レスポンダー(North)のリダブルは、「SOS」。
オープナーは、先ずは「1

」で逃げて。
これがダブられたら「リダブル」で、「SOS」して。
パートナーにメジャースーツを選ばせる作戦です。
すなわち、

W | N | E | S | |
| | | 1 | P | P | DBL | P | P | ReDBL | P | 1 | DBL | P | P | ReDBL | | | |
|
と進めます。
この手口の欠点は、1

で放置されることがあることです。
従って味方がバルのときは、最初から素直に1

で逃げる
方が良いと思われます。
関連した手口に「スクランブリング(scrambling)」と言われる
ものがあります。
例えば:

W | N | E | S | |
| | | 1 | DBL | P | P | ReDBL | P | 1 | DBL | ReDBL | | | |
|

先ずSOS「リダブル」をして。
パートナーが予測される

に逃げたとき、
ダブられなければそれで良し。
ダブられたときには改めてSOS「リダブル」をして、
メジャースーツを選ばせます。
2014年 米国代表選抜試合決勝 第8/8セグメント 117番ボード

ディーラーSouth、EWバル

W | N | E | S | |
| | | P | 1 | DBL | ReDBL | P | P | 1NT | DBL | 2 | DBL | ReDBL | P | 2 | P | P | DBL | P | P | P | |
|
N: Hampson
S: Greco
E: Weinstein
W: Levin
Northの1NTが「リグル」。
これがダブられて、Southが2

に逃げる。
2

がダブられて、NorthはSOSにより、

と

を表しました。
Southの2

xに対してWestは「お約束」の

Kをリードして、
結果は3ダウン、EW側のプラス500。
ベストディフェンスだと4ダウン(800)するようです。
なおNS側の2

xは3ダウン(500)で、ノートランプに逃げると
4ダウン(800)。
反対テーブルではEW側の4

で、プレーとディフェンスの
微妙な攻防になりました。結果はワン・ダウン。
12 IMPの得失点になりました。
リダブル(11) wriggleに続きます。