清水のブリッジブログ　

　　　　　対戦相手のオープンしたスーツで、味方がコントラクトを取ること
　　　　　は滅多にありません。ところが

スーツに限っては、以下のような
　　　　　オークションになることはたまにあるようです。

W	N	E	S
1	P	1	P
1	2	2	3
P	P	P

　　　　　Northは長い

スーツでオーバーコールをするハンドでした。
　　　　　最初は「パス」せざるを得ないですが、次回に「2

」をビッドします。
　　　　　EW側は

フィットを見つけ、NS側は

フィットで競り合っています。

　　　　　以下のようなオークションも。

W	N	E	S
1	P	1	2
P	P	P

　　　　　レスポンダーのビッドしたスーツで、Southがコントラクトします。
　　　　　なおこのSouthの位置では、
　　　　　「ダブル」は

と

のテークアウトでオープンハンドの強さ。
　　　　　「2

」は

のスーツ、「2

」は

のスーツでのオーバーコール。
　　　　　「2NT」はアンユージュアルで

と

の5-5を表します。

　　　　　2017年世界選手権バミューダ・ボゥル準々決勝(全96ボード)
　　　　　ブルガリア対米国　14番ボード

J86

Q109752

986

1092

Q85432

ディーラー

KQ53

---

A1054

AK1076

A74

KJ864

KQJ2

　　　　　ディーラーEast、ノンバル

W	N	E	S
		1	1
P	P	DBL	P
P	P

　　　North：Katz
　　　South：Nickell

　　　East：Damianova
　　　West：Aronov
　　　　　Southの「1

」オーバーコールを、Westはトラップ「パス」。
　　　　　オープナーは

が短いのでリオープン「ダブル」をかけて、
　　　　　これをレスポンダーがペナルティ「パス」(ビジネス「パス」)。
　　　　　Northは

エースダブルトンがあるので逃げません。
　　　　　結果はワン・ダウンでブルガリア・チームのプラス100点。
　　　　　反対テーブルでは：

W	N	E	S
		1＊	1
P	P	2	DBL
P	P	ReDBL	P
2	P	P	DBL
2	DBL	P	P
P

　　　North：Stefanov
　　　South：Nanev

　　　East：Meckstroth
　　　West：Rodwell

　　　　　Eastの「1

」はプレシジョン。

スーツに関係無く、16点以上です。
　　　　　そののち「2

」でリオープンして、

スーツの長さを表しました。
　　　　　Southの「ダブル」は

に対するテークアウト。
　　　　　Northは

が長いのでペナルティ「パス」(ビジネス「パス」)します。
　　　　　Eastの「リダブル」はレスキュー(SOS)。

以外に逃げるスーツが
　　　　　2つあることを表します。
　　　　　Westは最初は3枚の「2

」に逃げ、これが捕まったことを察知して、
　　　　　

に逃げ込みました。Southが

でオーバーコールしていても、
　　　　　

よりは

の方がマシだということです。
　　　　　ベスト・ディフェンスは2ダウンしますが、途中で失敗して結果は
　　　　　ワン・ダウン。ブルガリア・チームのプラス100点になり、計200点
　　　　　で 5 IMPの取り。様々な駆け引きがありましたが得失点は大きく
　　　　　は動きませんでした。

　　　　　なおこの準々決勝は 239対226 IMPでブルガリアの金星。
　　　　　ところがブルガリア・チームが破ったのは「米国チームⅠ」で、
　　　　　続く96ボードの準決勝に於いて 216対182 IMPで「米国チームⅡ」
　　　　　に仇を取られます。

　　　　　世界選手権「バミューダ・ボゥル」に於いては、ヨーロッパ全域の
　　　　　ブリッジ人口と釣り合うように、米国代表は2チームが出場できます。
　　　　　詳しくは清水のブリッジブログ世界選手権2017をご参照ください。

　　　　　ブルガリアは96ボードの3位決定戦をニュージーランド相手に勝って、
　　　　　銅メダル。128ボードを2日半かけて戦う決勝は、若手チームで20年
　　　　　ぶりの優勝を狙う開催国のフランス、対するは米国。2 IMP差で
　　　　　米国が金メダルを手中にしました。