ギャンブリング 3NTオープン:
ソリッド・7枚マイナー(AKQxxxx、昔はAKQJxxxでした)、
サイドスーツにエース無し・キング無し、
ボイドは避ける。
コンベンションとしてはかなり古いものの、賞味期限が来ないです。
オリジナル・バージョンではソリッドスーツ以外の2つのスーツに
ストッパーが必要でしたが、モダン・バージョンでは4番手を除いて
サイドスーツのストッパーを否定します。
パートナーのハンドがダミーに開くという欠点があるので、そろそろ
違うコンベンションが流行ると思っていましたが。
相変わらず使われるのはそれなりの良さがあるからでしょう。
今年(2017年)の世界選手権、バミューダ ボゥル。
96ボードの準々決勝、米国対ブルガリア。75番ボード。
ディーラーSouth、ノンバル
W | N | E | S | |
| | | 3NT | P | 4 | P | 4 | P | P | 4 | P | P | DBL | All | Pass | | | |
|
N:Karakolev [ブルガリア]
S:Mihov [ブルガリア]
E:Meckstroth [米国]
W:Rodwell [米国]
「3NT」はギャンブリング。
「4
」は、
ならパスして
ならビッドしろ。
オープナーは
のスーツであるとわかった。
ここでメックストロースがおもむろに「4
」オーバーコール。
Northはペナルティ「ダブル」。
4
xに対してオープニングリードは
A。
Southが2トリック目に
シフトすればコントラクトはダウンしますが。
実際は
Kを続けた。Northは
を捨て、ディクレアラーは
2でラフ。
4からクイーンでダミーに入り、
7→4→Jとフィネス。
6からジャックで再びダミーに入り、
を引く。
Northはエースで取って
を「Q9」と残し、
の4枚目の9を出す。
ディクレアラーは
Kをエースでオーバーテークして、
エスタブリッシュした
8を引く。
Northはラフすると
のトリックが消えるので
を捨てる。
ディクレアラーも
を捨てる。
続けてダミーから
を引く。Northは
を捨て、
6がラフ。
Aでダミーに入り、またも
を引くと。
「
K10」が手前のクイーンをはさみます。
4
ダブルメイクは590。
反対テーブルではSouthが1
オープンして、Northの3NTに。
Eastは
4をリード。Westはエースで勝って、クイーンを返した。
Eastはブロック回避でキングでオーバーテークして、
6を出す。
Jが勝ちますが、一連の過程で
9がエスタブリッシュ。
3NTはジャストメイクで米国チームの 14IMP取り。
このボードの結果にもかかわらず米国チームは 226対239 IMPで
準々決勝を敗退します。
続けて昨年(2016年)の世界選手権、オープン。
96ボードの決勝、モナコ対オランダ。85番ボード。
ディーラーNorth、NSバル
W | N | E | S | |
| P | 3NT | DBL | 5 | DBL | P | P | P | | |
|
N:Multon [モナコ]
S:Zimmerman [モナコ]
E:de Wijs [オランダ]
W:Muller [オランダ]
Westの5
xに対してNorthは
2をリードして、ダウン3(NS+500)。
反対テーブルでは、
W | N | E | S | |
| P | 3NT | DBL | 5 | P | P | DBL | P | P | P |
|
N:Drijver [オランダ]
S:Brink [オランダ]
E:Helness [モナコ]
W:Helgemo [モナコ]
と進んで、Westの5
xに対してNorthは
4をリード。
ダウン3(NS+500)、プッシュ。
NS側は4
ならプラス620か650でした。
なおNS側の5
は
の連打でワンダウンします。
米国「ブリッジワールド」誌2017年8月号に大会報告を書いた
ロン・クリンガー(Klinger)によりますと、
「私自身はギャンブリング3NTを好まないが、このディールでは
効き目があった。世界のトップ・プレイヤー達はギャンブリング
3NTを使っているような印象を受ける」
とのことです。
クリンガーはオーストラリアのプレイヤーで今年76歳。
この40年間のオーストラリア代表で、今はシニア代表。
数多くのブリッジの本の著者として有名なだけでなく、
ブリッジの世界ではあり得ないほどの紳士です。