米国 The Bridge World 誌2003年1月号から。


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1 | 1 | DBL | P | ? | | |
|

IMP戦、ノンバル。
1

オープンしました。
ダブルは4枚

を表すネガティブです。
ここで何をビッドしますか?
世界チャンピオン多数を含むパネル回答者32名の選択は、
1NT:20名、
1

: 9名、
2

: 3名、
2

: 0名。

のストッパーが薄いにもかかわらず1NTをビッドするなら、1

ではなく1

オープンしても構わないわけです。

スーツの方が内容が良いので

のコント
ラクトに備えるとか、パートナーからの

のオープニングリードに備えるとか。
1

オープンして、ノートランプコントラクトに

リードが来ないように牽制する
考え方もあります。動機は様々でしょう。
1

のビッドはミニマムで3〜4枚の

を表します。4枚

のまともなハンドは
2

とビッドします。「1

-1

:2

」と同じです。
いずれにしても、

は、今どきは(ハンドの強さに余裕を表す)リバースビッドで。
ネガティブダブルの入門書に書いてあることだから今さらですけど。
興味のある方は、”NEGATIVE DOUBLES” Marty Bergen 第33/35頁、
米国”The Bridge World”誌 Sep2000 第65頁、
英国”Bridge Magazine”誌 Sep2001 第31頁などを参照してください。
伊国のウェブサイトに
同じような記事もありました。
パネル回答者32名中3名は2

をリバースとは思っていないようです。
この辺りがブリッジ歴の長さを伺わせます。ネガティブダブルは、人類初の
人工衛星から「スプートニク(Sputnik)ダブル」という名前もついています。
1988年にパリ市内のブリッジクラブで周りのマダム達が「SPUTNIK」と言っている
のを耳にしました。わざわざ「マダム」と言うのは、そこがフランスでも有数の高級
ブリッジクラブで、マネージャーがうやうやしくドアを開いて「ボンジュールマダム、
ボンジュールムッシュ」と出迎えてくれるところだったからです。参加料はアシス
タントマネージャーがテーブルまで取りに来て、小切手で払う人も多かったです。
(退蔵しているフランスフランをユーロに換金しそこねたのを思い出した、、)
ネガティブダブルの歴史については
こちらに詳しい(ただし英語かイタリア語)です。
SPUTNIKダブルは、

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の経過は、

と

の両方を表したようです。インフォマトリーダブルですな。だから
オープナーが2

をビッドしてもレイズであって、リバースにはならなかったのです。
現代はこの経過のネガティブダブルは4枚

だけを表すので、

と

と

の「2

」は同じ意味で、いずれもハンドの強さに余裕のあるリバースになります。
ところが、

は、パスしてもパートナーまで廻るところを、自発的にビッドだからリバースで、

は、2

をパスするわけにはいかないからリバースではなく、ミニマムでも言う
代わりに上限無しの、フォースド(forced)リビッドです。

はレイズ。

はリバースでハンドの強さに余裕あり。

はリバースに非ず。
ところで「リバースビッド」の定義は:
1.ニュースーツ
2.ランク上
3.レベル上
です。例をあげると、

は「リバースビッド」。強いハンド。

も「リバースビッド」。Two-over-oneシステムはミニマムでも言う。

も「リバースビッド」。ミニマムでも言う。フォースド・リビッドです。
参考までに、

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は「ジャンプシフト」。
2

が強いハンドを表すときは「ストロングジャンプシフト」。
弱いハンドを表すときは「ウィーク(weak)ジャンプシフト」。
いずれにしても「ジャンプシフト」。わかって頂けましたか?
ところが、

はリバースビッドではありませんね。では何かと言うと、、
[記事
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