この記事は
AI の続きです。
今年の世界コンピューターブリッジ選手権は8月19〜24日。
フランスのリヨン市。世界ブリッジチーム選手権と同じ会場
で開催されました。
ワールド・コンピュータブリッジ・チャンピオンシップ、
通称「ロボット・チャンピオンシップ」は毎年開催され、
今回で21回目です。
日本からは内田富夫さんが初回から参加して、2014年と16年
に準優勝されました。今年の参加は以下の通りです。
Wbridge5 (フランス)
Shark Bridge (デンマーク)
Micro Bridge (日本)
Q-Plus Bridge (ドイツ)
Bridge Baron (米国)
RoboBridge (オランダ)
Synrey Bridge (中国)
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2017年世界コンピューターブリッジ選手権ウェブサイト 選手権で配布されるコンピュータは、2013年の大会では
“2.9 GHz Intel Core i5 desktop PCs under Windows 7 OS”。
今回の2017年は“HP8200 i7 3.4 GHz desktop”とあります。
アマゾンで買うと400米ドルくらいのようです。
国別対抗戦ではないので、過去には米国から複数の参加もありました。
選手権大会でのブリッジテーブルは、ヒリヒリした感じといいますか、
独特の緊張感に包まれるものですが。コンピューター同士の対戦は、
ソフト開発の人達も長年の知り合いでしょうから手に汗握る感じも
独特かと思います。
2014年の決勝の写真がありました。5ヶ国の開発者が画面を観ています。
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2014年コンピューターブリッジ大会発表 Micro Bridgeは昨年大会の64ボードの決勝で対戦相手のWbridge5に、
最後の2ボードで17 IMP差を逆転されました。
今年は予選を3位で通過して、準決勝で対するは中国のSynrey Bridge。
開発4年目のプログラムで、Micro Bridgeからソースコードをライセンス
供与されたプログラムです。親子対決というのか兄弟対決というのか。
昨年は開発3年目にしてXinruiの名前で大会初参加。予選通過(ベスト4)
は間違いないところまで進んだものの、予選最終ラウンド後半で大量
失点して8チーム中6位。
このあたりは内田さんがJCBL会報2016年11-12月号に詳しく書かれて
います。中国の『ブリッジが上手で若くて優秀なプログラマーが何人も』
いる会社のようで、今年は難なく予選を突破したようです。
64ボードの結果は Micro Bridge 92 IMP、Synrey Bridge130.8 IMPでした。
決勝64ボードは Wbridge5 対 Synrey Bridge。
結果は 110.7 IMP 対 105 IMPで、Wbridge5の2年連続優勝。
来年の大会が楽しみです。
2017大会日報に以下の予選のディールが紹介されていました。
![](s.png)
ディーラーSouth、EWバル
![](s.png)
NS:RoboBridge
EW:Bridge Baron
オープニングリードは
![C](c17.png)
3。
右手はエースで勝ち、
![C](c17.png)
を返します。
ディクレアラーは正しくはフィネスですが、実際はキングをプレー。
![S](s17.png)
3がラフして、
![D](d17.png)
に換わります。
ディクレアラーは
![D](d17.png)
A、
![D](d17.png)
ラフ。
![H](h17.png)
をAKQの順に取り、ダミーの側
からスモール
![S](s17.png)
を引きます。右手は
![S](s17.png)
6、ディクレアラーは
![S](s17.png)
10。
ここで左手は?
![S](s17.png)
Jで取ると、スローイン(throw-in)になります。すなわち
![D](d17.png)
を出す
しかないので、ラフ・アンド・スラフで
![C](c17.png)
の3枚目を捨てられてしまう。
そこで左手は
![S](s17.png)
Jではなく、正しく
![S](s17.png)
Aで取った。
続けて
![S](s17.png)
Jをパートナーのキングに取らせ、
![C](c17.png)
Qでワン・ダウン。
このディクレアラーのプレーには問題がありますが。
プレーの失敗を、ディフェンスが正しく突かなければダウンさせられ
ないことって多いです。