この記事は
ダブルダミー・プロブレム(1)の続きです。
「レンツ・サーティーン(The Lenz Thirteen)」
Southの7
。オープニングリードは
Qです。
ダブルダミー・プロブレムの世界的権威、ヒュー・ダーウェン
(Hugh Darwen、米国、1943〜)によりますと、8段階の難易度
(Difficulty Rating 1〜8)の「DR5」に分類されています。
これでも「5」なの、というくらい難しい。
三日三晩で解けたら偉いものだと思います。
作者のシドニー・レンツ(Sidney Lenz、1873-1960)は当時の有名
プレイヤーのひとりです。1931年12月から1932年1月にかけて行
われた「カルバートソン対レンツ戦(Culbertson-Lenz Match)」は
「世紀の一戦(The Bridge Battle of the Century)」として米国中
の新聞一面を賑わせました。
対戦方式はペア対ペア、1テーブルだけのスコア積み上げ。
ルーマニア生まれの成り上がりのカルバートソンが、上流階級の
レンツに挑むという演出です。
カルバートソン側が勝って、カルバートソン方式のビッド解説書は
ベストセラーに。一般出版物すべてでの1位です。
エリー・カルバートソン(Ely Cubertson、1891-1955)はロールス
ロイスを乗り回し、世界中に屋敷を構える大金持ちに。
レンツはブリッジの表舞台からは姿を消すことになりますが、もと
もと上流階級の人なので何ひとつ不自由せず長生きしたようです。