この記事は
グランドスラム・フォース(1) グランドスラム・フォース(2) の続きです。
25年ほど前まではスラムビッドというと、
コントロール・キュービッドと (ふつうの)ブラックウッド4NT、
それにグランドスラム・フォース5NTを使うものでした。
ところが今ではローマン・キーカード・ブラックウッド
(Roman Key-Card Blackwood)を使えば、切り札の
エース、キング、クイーンの有無を調べることができます。
また、ボイドがあるからRKCBが使えないときには、
エクスクルージョン・(キーカード)ブラックウッド
(Exclusion Blackwood / Exclusion Key-Card Blackwood)
で対応できます。
グランドスラム・フォースは出番の少ないコンベンションに
なってしまったようです。
例えば。
2015年 日本リーグ 第11ラウンド 26番ボード
ディーラーEast、双方バル
以下のようにビッドするのでしょう。
3
= ゲーム・フォーシング・ジャンプシフト
4
=
フィット、コントロール・キュービッド
5NT = グランドスラム・フォース
または。
5
= EKB。
5
= キーカード1枚
5NT = トランプクイーン・アスキング
6
=
Q有り
いきなり5
をビッドするのもどうかとは思いますが。
Northのハンドは:
83
8732
AK86
Q106 でした。
1999年 兵庫県知事杯 第7ラウンド 21番ボード
ディーラーNorth、NSバル
このようにビッドするのではと。
2
= ウェイティング
4NT =
RKCB
5
= キーカード無し(1430)
5
=
Qアスキング
5NT =
Q無し
または。
2
* = 0〜3点、キング無し
4NT =
Qアスキング(キーカードは無い)
5
=
Q無し
5
= サイドクイーン・アスキング
5
=
Q有り
いずれも完璧とは言えず。より良いビッド経過もあると思います。
Northのハンドは:
53
Q82
Q87
K10982 でした。
先にも書きましたように、ローマン・キーカード・ブラックウッド(RKB)や
エクスクルージョン・キーカード・ブラックウッド(EKB)の一般化により、
グランドスラム・フォース(GSF)は大幅に出番が減りました。
では「5NT」のビッドは何に使うのか?
米国では1980年代頃から「ピック・ア・スラム(pick-a-slam)」が
使われています。
興味のあるかたは記事
5NT ピック・ア・スラム を見てください。
なおブリッジ・ワールド・スタンダード(BWS)2017によりますと、
パートナーとの取り決めに無い「5NT」のビッドが出たときには、
(1) チョイス・オブ・スラム(pick-a-slam)、
(2) グランドスラム・フォース、
(3) コントロール・キュービッド
の優先順位で解釈することになっています。
最後に米国「ブリッジワールド」誌 2012年2月号から。
1
オープン、2
レイズともに全くふつう。
5NTはグランドスラム・フォースです。
ここで?
というか、パートナーは
Aの心配はしていないのか?
ということは、
ボイドだと。
でも切り札のAKQが知りたいなら、エクスクルージョン・
キーカード・ブラックウッド(EKB)の5
をビッドするのでは?
ということは、
以外にもボイドがあるのか?
そう、ダブル・ボイド。
ということはソリッドで長い
か
があるはずでは?
何にせよ。
AKがあるので、セブンをビッドするのは当然として、
Aも紹介しておこうと「7
」。
パネル回答者26人中17人の選択でした。