右手の4

オープンに対する、「ダブル」は何か?
コンベンションカード左側のなかほどには、
Takeout DBL.□ thru_______
と記入欄があります。
対戦相手のどのレベルのビッドまで、「ダブル」がテークアウト
であるか、パートナーとの約束を書き入れます。
伝統的には4

オープンに対するダブルはテークアウトで、
4

オープンに対するダブルはハンドの強さを表すペナルティ?
いつまでを「伝統的」というか、でしょう。
米国ブリッジワールド誌の読者投票による「誌上スタンダード」、
すなわち
ブリッジ・ワールド・スタンダード(BWS) によりますと。
テークアウトダブルは、
1994年版 (BWS 1994) では「4

まで」、
2001年版 (BWS 2001) では「4

まで」
となっています。この頃に流行が変わったようです。
マーシャル・マイルズ著「ストロンガー・コンペティティブ・ビディング」
Marshall Miles “Stronger competitive bidding”(1992年版)
には以下の例が。

W | N | E | S | |
4 | P | P | ? | | | |
|
ノンバル


左のハンドでは「パス」をして、右のハンドは「ダブル」を。
「プラス・スコア」を守れ、と書いてあります。
左のハンドで「ダブル」をかけると、パートナーは往々にして
アンバランス・ハンド(7枚スーツや、5-5、6-4)で何かをビッド
して、「マイナス・スコア」に転じてしまうということです。
このような考え方が一般的となるのに10年ほどかかったようです。
また、次の例も。

W | N | E | S | |
4 | ? | |
|
双方バル
マッチポイント・ペア戦

実際の試合のハンドらしく。
このハンドで「ダブル」をかけたエキスパートは2人だったと。
パートナーは6枚

と2枚のエースで5

をビッドして、
(4

を放っておけば)プラス点が取れたところを
マイナス点になってしまった、と書いてあります(31ページ)。
もちろんペナルティ・ダブルをかけてはいけないわけではなく。


ダブるとペナルティであることは明白。
こちらだけで4トリック以上を取ることを宣言しているわけだから、
パートナーは必ずパスするであろうと。
2015年 米国(USBF)代表選抜試合 決勝
第8/8セグメント 23番ボード

ディーラー South、双方バル

W | N | E | S | |
| | | P | P | 4 | P | P | P | | |
|
N : Demuy
S : Kranyak
W : Bathurst
E : Lall
仮にEastが4

にダブルをかけたら、Westは必ず

をビッドする
でしょう。結果的にEW側の

コントラクトは3ダウンするようです。
4

をSouthはダブるでしょうか? おそらく。
ブリッジワールド誌2017年3月号の観戦記事には、
「…Lallはパスせざるを得なかった。なぜならダブルはテークアウト
になるからである。」とあります。
実際のNorthの4

ノンダブルに対して、Eastは

をリード。
2ダウンするところですが、ダミーからの

にWestがキングを
カバーしなかったのでワン・ダウンに。
反対テーブルではSouthの2

オープンから始まり、Westの3NTに。
スモール

のリードで3メイク。他のリードならワン・ダウンです。
ずいぶん前の話になりますが、1991年に横浜で開催された世界選手権。
日本は開催国としてオープン、ウィメンズ各1チームの参加権があり
ました。そこで代表選抜試合。
最近ではチーム・トライアルばかりですが、そのときは大会を開催する
連盟の経済的負担を考えると、より多くに参加機会を与えるべきとして、
ペア・トライアルが開催されました。
この試合の結果によって構成された日本代表チームは、そののちトラブル
があり、連盟を相手取った訴訟沙汰になるのですが。
それはさておき、その代表選抜予選でのこと。
私のパートナーは対戦相手の4

オープンに対して、非常に強いバランス
ハンドを持っていながらパスをしました。
25年も前のことなのでディールも定かではなく、いくつダウンしたかは
忘れましたが。仮にダブルをかけたなら、私は何かをビッドしたかも
しれず、その5の代のコントラクトはダウンする。
事なきを得ると記憶には残らないものです。