2016年9月の世界選手権ポーランド大会の期間中に、
4年に1回の世界ブリッジ連合(WBF)総会が開催されました。
会場には緊迫した空気が流れて。
いつもなら各国選手団に属するユニフォーム姿の役員達が
笑い話をしているのですが。
ジャケット・タイのヨーロッパ各国連盟の会長達も表情が固く。
2015年に発覚した不正行為への対処です。
各国代表も他人事ではなく。明日は自国で起きるかもしれない
ことですから。
すぐに済む「シャンシャン総会」が、3時間ほどかかりました。
WBF会長側の根回しも完璧だったみたいですが、何よりも
大物プレイヤーで構成される委員会の尽力が大きかったようです。
諸事件への対応と再発防止策の発表が各国の代表とも納得できる
内容であったと思われます。
ブリッジの世界選手権への参加は、WBFから各国ブリッジ組織
(National Bridge Organization)への招待によるものです。
これはオリンピック競技会と同じ「手口」でして。国際オリンピック
委員会(IOC)が、公認している国内オリンピック委員会(NOC)
に対して参加招待状を送付するという形をとっています。
ちなみにJCBLの国際試合日本代表選抜も同じでして。代表選抜
試合への参加申込に対してJCBLが「招待する」という形をとって
います。
それにしても、2015年の世界選手権(於インド、チェンナイ)では
WBFが9月27日の試合初日の前日(26日)にポーランド・
オープンチームの「ツェザーリ・バリッキ(Cezary Balicki)と
アダム・ツムジンスキー(Adam Zmudzinski)」のペアの招待取消
を発表して、ポーランドチームは代替ペアをインドに送り込むのに
大わらわだったようです。
2015年9月26日WBF発表 翌年(2016年)にも、9月4日大会試合初日を前にして9月1日に
イタリア・ミックスドチームのペアの招待が取り消されました。
2016年9月1日ネオナポリタン・クラブ記事 WBFは理由を述べずに招待を取り消す権利を有するといっても、
もう少し早めに通告できないかという意見が出ても当然です。
2016年9月1日ブリッジウィナーズ投稿 2015年から世界選手権に出場する選手・監督・コーチは、
WBFに対して誓約書の提出を求められるようになりました。
WBFの規則を遵守するとか、政治的なことを表明しないとか、
WADA(世界アンチ・ドーピング機関)の規定に従うとか、
大会会場内外で写真やビデオを撮られても文句を言わないとか、
係争はスイス・ローザンヌのCAS(スポーツ仲裁裁判所)の決定に
従い、一般の裁判所には持ち込まない。とかとか、ぐだぐだ。
Competitor’s Commitment これもご時世かと思います。
WBF主催の世界選手権とは別に、各国のブリッジ連盟ではどうか。
例えば私は日本ブリッジ連盟の会員ですが、同時に米国ブリッジ連盟
の会員でもあります。
例えば英国でブリッジ連盟公認競技会の参加禁止処分を受けた人が、
米国でのブリッジ連盟公認競技会に参加できるか?
この点、WBFは。
各国ブリッジ連盟の規律罰則の決定を他国のブリッジ連盟は尊重する
べきと指示しました。
記事
不正行為(9)に続きます。