トランプ・プロモーション。
“The Bridge World”ウェブサイトの
“ Official Bridge Dictionary ” によると、「オーバーラフまたはアッパーカットによって、一方の側の
切り札のトリック数が増大すること (trump promotion : an increase in
the number of trump tricks available to one side through overruff or
uppercut)」となっています。
ふつうはディフェンス側でトランプトリックを増やす技術のことをいうの
でしょうが。ディクレアラーが、例えば切り札3-3の6枚(ノン・フィット)
でコントラクトしているときには理論的なトランプ・プロモーションが
起こり得るものと思われます。
それにしても、いちにちに64ボードをプレーして、ディフェンス側に
3回もトランプ・プロモーションが起こりえることは珍しいでしょう。
以下、紹介します。
2017年1月14日 日本リーグ 第8ラウンド 1番ボードを回転
ディフェンスは
を2トリック取り、3巡目の
を攻めます。
ディクレアラーがスモールで切ったときには、Westは上切りして、
のちに
Kが取れるのでワンダウン。
ディクレアラーが
J(または10)で切ったときには、Westは上切り
すると、のちに
AQ10で狩り集められてジャストメイクされます。
Westは上切りしないで、
J(または10)を空振りさせます。すなわち
か
を捨てると、のちに「
K864」が2トリック取れてワンダウン。
ディフェンスの本によく出てくる筋書きです。
2017年1月14日 日本リーグ 第11ラウンド 23番ボードを回転
2
=
のトランスファー
レイズ。
2NT = レーベンソール。
パートナーに3
を言わせて、
それをパスして
の競り合い
のハンドを表す予定です。
Westは
Aをリード。「AKx」からはエースをリードする約束なので、
Eastは
Qを表すエンカレッジ・シグナルを出します。
Westは
3を続け、クイーンがキングに捕まる。
ひどいディフェンスです。
ディクレアラーは手元からスモール
を出し、ダミーでトップラフ。
続けてダミーからトップ
を引きます。
セカンドハンド・ロー、サードハンド・ローで
Jの勝ち。
ここでディフェンスは4巡目の
を出す。パートナーは
Aでラフ。
ディフェンスは切り札で3トリックを取ります。
そう、ディクレアラーは
Qでダミーに入って、
を引けばよかった。
2017年1月14日 日本リーグ 第11ラウンド 22番ボードを回転
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | P | 2 | DBL | ReDBL | 3 | All | Pass | |
|
ディーラー:West
EWバル
Aのリードにパートナーはエンカレッジ・シグナルを出し、ディフェンス
は
2からキングに渡って、ここで
シフト。
ディクレアラーはルーザーが5個あるので、オープナーの側に
Qを
期待して、
をジャックでフィネスします。
フィネスが抜けて
が来る。ディフェンスは
の3巡目を取ったあと、
4巡目の
を廻します。
K10が
Aを追い出して、ディフェンスは
切り札で2トリック、合計7トリックを取って3ダウン。
3
もワン・ダウンで済ませるなら
Aから始めれば良いのですが。
このディールはEW側の3
も、
を切られてワン・ダウンするのが
冴えないところです。