4枚メジャーオープンを使い慣れた人は「5枚もある」と感じ、
5枚メジャーオープンを使い慣れた人は「5枚しかない」と感じるのかも。
『5枚メジャーがあったら1NTオープンしない』
そろそろこの迷信から解き放たれてきたようです。
2016年 サントリー杯 第2セッション 18番ボード
83.5テーブル中、46テーブルでコントラクトがEastの1NT。
1
オープンしたらコントラクトはEastの1NTにはならないでしょうから、
過半数の人が1NTでオープンしたものと思われます。
Eastの
コントラクトは30テーブルでした。
結果的にEastのNTコントラクトは7〜8トリック。Southから
リードが
来たときには、ダミー(West)から「
10」を引きます。
Eastの
コントラクトはダミーエントリーに乏しいので手元(East)から
Kを出すことになりそうです。そのプレーは8トリックを取れます。
トラベリングスコアはこちら →
コントラクトブリッジ競技会結果(サントリー杯) このことがあって、以下のディールを思い出しました。
2002年 世界選手権(於カナダ、モントリオール)
オープンペア 予選第2セッション 20番ボード
ディーラWest、双方バル
West、North、Eastのハンドとも双方バルでは、オープンする人も、
オープンするシステムも無いと思われます。
Southのハンドを1
で出るか1NTで出るか。
トラベリングスコアは以下の通り。
NSスコア | テーブル数 | コントラクト |
630 | 8 | NT |
620 | 8 | SPADE |
600 | 1 | NT |
180 | 1 | NT |
170 | 11 | SPADE |
140 | 8 | SPADE |
90 | 1 | NT |
−100 | 14 | SPADE |
−200 | 88 | NT |
−300 | 2 | ? |
146テーブル(292ペア)のペア戦です。
スコアの数は、トラベリングスコアによると142。
NSマイナス200は、どう見ても3NTです。
4
は、2ダウンはしないでしょう。
ノートランプでコントラクトしたテーブルは「99」、
のコントラクトになったテーブルは「41」、
コントラクト不明が「2」です。
全体の約3分2で、Southが1NTオープンしたものと推察されます。
ずいぶん前の米国「ブリッジワールド」誌にロッドウェル(Eric Rodwell)
が、5枚メジャーがあってもノートランプ・オープンが有利であることは
証明済みであると書いていました。その「ブリッジワールド」誌2014年
10月号では、クラインマン(Danny Kleinman)が以下のハンドを、
ほとんどの人はおそらく1NTオープンするであろう、と書いています。
しかしながら、その前年の北米チーム選手権には以下のディールが。
2013年 スピンゴールド杯 決勝 セグメント4/4 54番ボード
ディーラEast、EWバル
N:Grue
E:Kalita
S:Moss
W:Nowosadzki
OL.
A、1ダウン
N:Jagniewski
E:Bessis
S:Gawel
W:Bertheau
OL.
Q、4メイク
1
オープンしたカリタ(Jacek Kalita)はポーランドのプレーヤー、
反対テーブルで同様に1
オープンしたベシス(Thomas Bessis)
はフランスのプレーヤーです。
強い5枚
と弱いダブルトン
、エースとキングの多いコントロール
ハンドでのノートランプオープンを嫌ったものと思われます。
私も1
オープンします。
ところが観戦記を書いたバーコウィッツ(David Berkowitz)によると、
「興味深いことに両テーブルともディーラーは1NTオープンをしなかった。
米国のプレーヤーなら誰もが1NTを選ぶと思われるが
(Curiously,neiter South opened one notrump,the bid that
I suspect would be chosen by most Americans)」
ということです。
5枚メジャーでの1NTオープン(2)に続きます。