5枚のメジャーで1NTオープンするなら、1NTオーバーコールはどうか?
2008年 文部科学大臣杯関東予選 7番ボード

ディーラSouth、双方バル

W | N | E | S | |
| | | P | 1 | 1NT | P | 3NT | All | Pass | |
|
結果的に4

は

ラフがあるので必ずダウン。
3NTは必ずメイクするとは言えませんが、4

よりは良いようです。
5枚のメジャーを持って1NTオープンしたら競り合いになった(1)
2016年 日本リーグ 第9ラウンド 17番ボード

ディーラNorth、ノンバル

W | N | E | S | |
| 1NT | P | P | 2 | 2 | P | P | DBL | P | 3 | P | 3 | P | P | 3 | P | P | P |
|
2

=

スーツの
オーバーコール
Northは14 HCPですが、ストッパー(もどき)とランニング

があるので
15〜17 HCPを表す1NTでオープンしました。規則違反ではありません、
オーバービッドなだけです。
Westは2

のナチュラル・オーバーコール。
Northは自ら

スーツで競り合います。
Westは「ダブル」後、「3

」を「3

」へ換えることで、4(3)枚

の所在を
示唆します。
イコール・レベル・コンバージョン (ELC:Equal Level Conversion、
正式には minimum equal-level conversions) のようなものです。
[テークアウト・ダブルをかけた人が自分自身のスーツをビッドしても、
パートナーのニュースーツ・ビッドと等しい(イコール)レベルでビッドして
いるときには、ハンドの強さに余裕は表さないというペア間の約束。]
結果的にNorthの3

は2ダウン、Westの3

はメイク可能のようです。
5枚のメジャーを持って1NTオープンしたら競り合いになった(2)
2003年 萩原杯 第3セッション 16番ボード

ディーラWest、EWバル

W | N | E | S | |
P | P | 1NT | P | P | 2 ! | P | P | DBL | P | 2 | P | P | P | |
|
2

のオーバーコールは「すごい」と思います。さすが豪腕プロ。
実際に2

までメイク可能です。
Eastの1NTは、おそらくは

リードでしょうから、Northから

を
攻められても7トリックは固い。
Eastの

コントラクトは、

の「当てもの」で8〜9トリックです。
ここでのWestのダブルは「コオペラティブ・テークアウト
(cooperative-takeout Double)」。
「ふつうならビッドしろ、よほどならパスして良い」というほどの意味です。
The Bridge World Official Bridge Dictionaryによる定義は:
“A double that suggests that partner take out with normal
distribution for the earlier auction,pass only with strong
defensive orientation.” です。
この言葉が発表されたのは2012年の12月ですが、WBFの文書でも
使われているところをみると、そろそろ一般的になってきているようです。
ところでEW側の

スーツで4トリックを取るプレーは。
Eastの側から2回フィネスをしたとき4トリック取れる確率は76.00%。
最初はフィネスして、次にエースを叩くプレーは確率70.35%。
最初にエースを叩くプレーは確率65.57%。
エントリーが足りているときにはダブルフィネスが有利です。