スミス・エコー2016年05月
 清水のブリッジブログ

     デイフェンスのシグナル。
     ノートランプコントラクト専用。
     オープニングリードされたスーツに対する好き嫌いを、
     ディクレアラー側が最初に触ったスーツにフォローするときの
     カードの高低で表します。
     具体的には。
     オープニングリードが出て、ディクレアラーまたはダミーが勝つ。
     続けてディクレアラー側がいずれかのスーツを出して来ます。
     そのスーツにフォローするとき。
     オープニングリードのスーツが「来て欲しい」ときは HIGHを、
     「来て欲しくない」ときは LOWをフォローします。

W
A10842
953
K3
973
N
ダミー
97
J42
7654
AKQJ
E
QJ5
K1086
1098
1082
S
ディクレアラー
K63
AQ7
AQJ2
654

     Southの1NTオープンをレスポンダーがゲームレイズ。
     WestはスモールSをリード。
     Eastのジャックをディクレアラーがキングで取り、
     Cでダミーに渡ります。
     このとき。
     Westが「C9」でスミス・エコーを出す。
     Sリターンが欲しい。
     Eastも「C10」でスミス・エコーを出す。
     Sが調子いい。
     続けてディクレアラーはDをフィネス。
     WestはDKを取って、Sを攻め続けます。

     ディールを少し変えて以下のように。
W
A10842
953
K3
973
N
ダミー
97
J42
7654
AKQJ
E
J65
A1086
1098
1082
S
ディクレアラー
KQ3
AQ7
AQJ2
654

     3NTに対してWestはスモールSをリード。
     ディクレアラーはSKで勝ち、Cでダミーに渡り、Dをフィネス。
     WestはDKを取り、HでEastに入れて、Sリターンを引き出します。
     第2トリックにCがリードされたとき。
     Westは「C9」でスミス・エコー。
     Sリターンが欲しい。
     Eastは「C2」でスミス・エコー。
     Sスーツに良いものが無い、と。

     ディールはACBL発行「ブリッジ百科事典(Encyclopedia)」、
     SMITH ECHO の記事を参考に作成しました。




W
Q1074
74
963
AQ82
N
ダミー
85
AK10
A10875
1074
E
963
Q963
K2
J963
S
ディクレアラー
AKJ2
J852
QJ4
K5

     Southの1NTオープンをNorthが3NTにレイズ。
     WestはスモールSをリード。
     ディクレアラーはジャックで勝ち、Dをフィネスします。
     このとき。
     Westは「D3」でスミス・エコー。
     Sリターンはよろしく無い、と。
     Eastは「DK」で勝ちます。
     DKはスミス・エコーではありません。
     「D3」を見たEastは、Cにシフト。

     ディールはキット・ウールジー(Woolsey)著
     “Modern defensive signalling in contract bridge”
     を参考に作成しました。



     以下のような状況では、スミス・エコーよりも、枚数を教える
     「カウントシグナル」が優先されます。
WE
11
2NT3NT
P
E
ダミー
852
963
KQJ109
74
     ディフェンスとしては、DAがディフェンス側の手中にあるとの前提で。
     DAの無い側は、Dの枚数を教えるカウントシグナルを出します。
     DAを持つ側は、DAを取るタイミング(2巡目か3巡目)をはかります。




W
1094
J9653
J83
Q3
N
ダミー
AJ7
74
A9754
1097
E
8632
AQ8
Q62
K84
S
ディクレアラー
KQ5
K102
K10
AJ652

     Southの1NTオープンをNorthが3NTにレイズします。
     WestのオープニングリードはスモールH
     Eastは「HQ」でサードハンド・ミドル(middle)。よくある手口。
     Eastは11点なので、パートナーが弱いハンドであると判っています。
     HAを取って、Hを返すと、キングをホールドされてしまいます。
     そこでHQを出して、ディクレアラーにキングを取らせる。
     もちろんリードがキングのアンダーリードならクイーンが勝ちます。
     ディクレアラーは、ノートランプではエースのアンダーリードのことも
     あるので、HKを取らないことはまず無理でしょう。
     続けてディクレアラーは手元から「D10」を出してダミーのエースで勝ち。
     おっと。
     Eastとしては自分がDQで勝って、Hを返すつもりだったのが。
     違う展開に。
     ディクレアラーは、ダミーからCを引いてダブルフィネスします。
     WestがCQを勝って、ここで?
     スモールHを出せば良いのですが、そんな都合の良い話があるか?
     それより。
     DAが勝ったとき、Eastはどのカードをフォローしたのでしょう?
     「Hが来て欲しい」
     これを表すカードは「D6」です。
     スミス・エコーです。

     Westは「D6」を高いDと気付くか?
     ディクレアラーは「102」ダブルトンなら、わざわざ「10」を出してD
     弱くすることはしないでしょう。「K102」なら、「2」を出すか、「K」を
     取ってから「10」を出すか。いずれにしても最初から「10」を出して
     エースで取るのは、Dスーツでウィナーを増やす意思が無いはずです。
     従ってWestから見ると、Eastには「6と2」があって、そこから「6」を
     選んでいるということになります。

     ところでWestの側はどのDをフォローしたのでしょうか?
     リターンを強く希望したり、シフトを強く希望するなら困らないでしょうが。
     現場では「微妙」ということも多いと思われます。
     通常の想定くらいの強さからリードしたなら「リターンせよ」と出すのでは
     ないかと思われます。
     この点からロバート・ハマン(Hamman)はスミス・エコーを、問題のある
     シグナルと語っています。躊躇してカードを出すと「リターンが微妙」と
     パートナーに教えているようなものだからです。
     これを予防するには、第1トリックに考えておくことが必要です。
     このディールではディクレアラーがHリードを勝ったら、続けてSD
     出してくると予測できます。Sなら何を出す、Dなら何を出す、と決めて
     あれば、もたつくことは無いはずです。



     スミス・エコーも完璧ではありません。
     ディクレアラー側はたいていは長いスーツを触ってきますから、
     ディフェンス側はそのスーツが短いことが多いです。
     スミス・エコーを出そうとしてもシングルトンだったり、クイーンダブルトン
     やジャックダブルトンで Hi-Loが出せなかったり。「43」ダブルトンで、
     パートナーの側からは Hiなのか Loなのかが判らなかったり。
     パートナーの側としても、エースをダックしたり、キングの3枚でダック
     したりして、シグナルを確認する努力はするのでしょうが。クイーンの
     3枚だとダックは出来ませんし。
     はたまた。
     ディフェンス側が、ディクレアラーの触ったスーツでカウントを出すことが
     重要になっているかどうかが判らないこともあります。ダミーに散らばる
     絵札がエントリーになっているかどうか、ディフェンスの片側からは判ら
     ないときです。となるとディフェンス間で意思疎通の問題が起こり得ます。

     しかしながら。
     オープニングリードのスーツを続けるか他のスーツに替えるかは、頻繁に
     起こる問題であり。スミス・エコーはノートランプコントラクトのディフェンス
     に有効な取り決めであることは確かでしょう。

     米国ブリッジワールド誌2016年4月号(32頁)に、
     “Bridge World Standard 2017”
     に関する統計調査結果が載っています。
     ブリッジワールド誌の選んだパネリストに対する要求は:
     「対戦したエキスパートがスタンダードスタイル・ビディングシステムを
     使っているとき、よく遭遇する取り決めは何か?」です。

     質問701:スミス・シグナルは採用されてしかるべきか?
           (Should the Smith signal be adopted?)
     A.no   32%
     B.yes  68%

     スミス・エコーはそろそろ「標準装備」になってきたようです。

     さらに。
     スミス・エコーよりも「リバース・スミス」の方がより良いと言われています。
        リンク → リバース・スミス
     ご参照ください。


戻る
最新記事
6月の記事
5月の記事
クレーム下手
絵札?
1月の記事
ダミー(3)
スコア計算関係
「ダブル」の出し方
ダミー(2)
御挨拶と自己紹介
御挨拶と自己紹介
当ブログについて
お礼とお知らせ
ウィンドウズ10
記事一覧
ジャックは何故に「ジャック」か?
ジャックは何故に「ジャック」か? - 追記
ミッドリング
キャッシュ・アンド・スラッシュ
007 ハンド
ビディングボックス
ビディングボックス - 追記
ブロック
サマセット・モーム
スポーツ?
ボトルボトム
ストッパー
4-4 マイナー
リバース?
バイパス
ダブルボイド
ネバー ギブアップ
ネバーギブアップ - 2
段級位制
アラート
ストップカード
Beautiful Defense
教科書プレー
教科書プレー - 2
Textbook Play Revisited
教科書プレー - 3
教科書プレー - 4
ハンドのビジュアル化
近況報告
ワンスーター
禁じ手
87%
私、ディレクターの味方です
上告委員は不愉快です
ウィナーを数える
坂の上の雲
メリーマック・クー
スタンダードとは?
黄金週間の迷言
普及です
場末の居酒屋か?
コンプライアンス
舟を編む
「ダブル」の出し方
カードを持つと人格が変わる?
日本リーグでのビッド(1)
日本リーグでのビッド(2)
日本リーグでのビッド(3)
日本リーグでのビッド(4)
外国でブリッジをするとき
ブリッジの和製英語
連盟から届いた手紙
マキシマル オーバーコール・ダブル
くわばらくわばら
低い代のコントラクトをディフェンスする(1)
低い代のコントラクトをディフェンスする(2)
低い代のコントラクトをディフェンスする(3)
低い代のコントラクトをディフェンスする(4)
低い代のコントラクトをディフェンスする(5)
低い代のコントラクトをディフェンスする(6)
低い代のコントラクトをディフェンスする(7)
低い代のコントラクトをディフェンスする(8)
低い代のコントラクトをディフェンスする(9)
低い代のコントラクトをディフェンスする(10)
低い代のコントラクトをディフェンスする(11)
Gimme weakie anytime
Student of the game
7NTダブル(1)
7NTダブル(2)
7NTダブル(3)
連盟から届いた手紙(2)
スコア計算  ダウンしたとき
スコア計算  メイクしたとき(1)
スコア計算  メイクしたとき(2)
ルール・オブ・500
連盟から届いた手紙(3)
スラムアプローチのスタイル
連盟から届いた手紙(4)
ツーウェイ・ニューマイナーフォーシング
Two-way NMF オリジナルバージョン
ふたたびLTCについて
「コントラクト」
テレビ放映
月曜日早朝テレビ放映
不正行為(1)
不正行為(2)
不正行為(3)
連盟から届いた手紙(報告書)
例文表示ドットコム − 入院見舞い編
不正行為(4)
連盟から届いた手紙(5)
連盟と四谷の関係
不正行為(5)
講習会の準備をしていて
不正行為(6)
不正行為(7)
規則違反
「レゾンデートル」
世界選手権出場辞退続出
リードは普通ですか?
ニューズウィーク(米国)ウェブ版
不正行為立証ビデオ
ルーザーで出ています?
教科書プレー(5)
コントラクトを取るサイドを守る
私、四谷の味方です
豚小屋クー
ハンドの強さの表現
私、四谷の味方です(2)
ザ・ニューヨーカー(米国)ウェブ版
シグナルは普通ですか?
アラームクロック・シグナル
アティテュード・シグナル
2016ヨーロッパ選手権
麻雀か?
ディスカードでのシグナル
ディフェンスは難しい
絵札?
クレーム下手
米国ブリッジ連盟会報から
キャッシュ・アンド・スラッシュ(2)
トランプ・プロモーション
不正行為(8)
不正行為(9)
3NTに対するリードショーイング・ダブル
ハンドの評価
フォレスターのパス
シャッフルの回数
歳時記
1.睦月   新年リジョナル
        朝日新聞社杯
        2015新年御挨拶
        2016新年御挨拶
        2017新年御挨拶
2.如月   NEC杯
        フェリシモ 猫ブログ
3.弥生   雛祭り
        雛祭り 2013
        春季リジョナル
        渡辺杯
4.卯月   柳谷杯
        サントリー杯
5.皐月   横浜インビテーショナル
6.水無月  世界同時大会
6.水無月  梅雨入り
7.文月   藤山杯
7.文月   梅雨明け
8.葉月   世界選手権2012
9.長月   高松宮記念杯
        世界選手権2013
        里親募集中
        世界選手権2016
        世界選手権2016報告
10.神無月 世界選手権2014
        世界選手権2015
11.霜月  かんぴょう
12.師走  2015年末挨拶
12.師走  ブルーリボン・レッドリボン杯
教室サポート
read me(本章案内)
スタンダードビディング
TWO OVER ONE
ガーバー
MINORWOOD
ヘルプスーツ・ゲームトライ
ヘルプスーツ・ゲームトライ - 追記
RKB ベーシック
RKB バリエーション
2Cオープンとルーザーカウント
2Cオープン - レスポンス
2Cオープン - レスポンス - 追記
2Cオープン - コントロールレスポンス
コキッシュリレー
パペットステイマン
絵札シングルトンではスプリンターしない?
アスキングとショーイング
Hi-Lo キュービッド
レベンソール(1)
レベンソール(2)
レベンソール(3)
高レベル・ノートランプシークエンス
サンドイッチ・ポジション(前半)
サンドイッチ・ポジション(後半)
アンユージュアル NT(1)
アンユージュアル NT(2)
リバース(1)
リバース(2)
リバース(3)
リバース(4)
5NT スペシフィック・キング
5NT グランドスラム・フォース
Five of a major as a slam-try(1)
Five of a major as a slam-try(2)
Five of a major as a slam-try(3)
Five of a major as a slam-try(4)
『メジャー優先』
『メジャー優先』再び
ミックスド・レイズ
フィットジャンプ
フィットジャンプ(2)
スタンダード・メジャーレイズ(1)
スタンダード・メジャーレイズ(2)
スタンダード・メジャーレイズ(3)
コンベンショナル・メジャーレイズ(1)
コンベンショナル・メジャーレイズ(2)
コンベンショナル・メジャーレイズ(3)
コンベンショナル・メジャーレイズ(4)
レスポンダーのリビッド
フォーシングノートランプ後の展開
1NTオープンにペナルティダブルがかかった
Two-way NMF 清水教室仕様(1)
Two-way NMF 清水教室仕様(2)
3枚スーツをビッドする
4番手のオープン
テークアウトダブルのアドバンス
テークアウトダブルのアドバンス(2)
メジャーを言うかマイナーを言うか
サクリファイスに備える
猛烈に強いツースーター
トランプエコー
トランプ・スーツプリファランス・シグナル
トランプ・スーツプリファランス・シグナル(2)
スミス・エコー
リバース・スミス
サンドイッチ・ポジション(1)
サンドイッチ・ポジション(2)
サンドイッチ・ポジション(3)
5枚メジャーでの1NTオープン(1)
5枚メジャーでの1NTオープン(2)
テークアウトダブルのアドバンス
研究室
read me(本章案内)
米国ブルーリボン優勝ペアシステム
EXCLUSION BLACKWOOD
EXCLUSION BLACKWOOD - 2
RKB エクステンション
RKB エクステンション - 2
BLUHMER
BLUHMER(2)
フォンドラセック現象
2Cオープン - LTC
世界選手権2012から
2オーバー1 GF 概要
2オーバー1 ALMOST GF
2オーバー1 INSTANT GF
2オーバー1 GF 関連ビッドシークエンス
Fifth-suit forcing
Briar Patch Coup
5 - 4 メジャー
オープナーリビッド2NT
アンユージュアル NT(3)
アンユージュアル NT(4)
コンピュータシミュレーション
4-4フィット対5-3フィット
4333でステイマン?
1NTオープンに8点でどうする?
オープニングリードシミュレーション
4の代のマイナーで止まる
4の代のマイナーで止まる(続き)
4の代のマイナーで止まる(続き2)
5NT ピック・ア・スラム
スーパーネガティブ・レスポンスの後の展開
フォーシングノートランプ後の展開(2)
マイケルズキュービッドのレスポンス
Two-way NMF
Two-way NMF(2)
Two-way NMF(3)
みたびLTCについて
Third and lowest
Rusinow
Second-fourth
Queen from KQ109
Zero or two higher
メジャーを言うかマイナーを言うか(2)
メジャーを言うかマイナーを言うか(3)
自分のスーツを「キュービッド」する
4の代でのオポーネントスーツのキュービッド
4の代でのオポーネントスーツのキュービッド(2)
猛烈に強いツースーター(2)
ビンジェ・シグナル
スーツプリファランス・シグナル特殊編
サードハンド・プレー特殊編
アップサイドダウン・シグナル特殊編
スミス・エコー関連ディール
オッドイーブン・シグナル
オッドイーブン・ファースト・ディスカード
サンドイッチ・ポジション(4)
敵の「2オーバー1」への介入
5枚メジャーでの1NTオープン(3)
メジャーを言うかマイナーを言うか(4)
世界選手権に提出されたコンベンションカードから
ブリッジ・ワールド・スタンダード(BWS)
BWS1968
BWS1984
BWS1994
BWS2001
BWS2017
BWS2017を使ってみた
対戦相手の4の代のメジャービッドに対抗する
対戦相手の4の代のメジャービッドに対抗する(2)
フォンドラセック現象(2)
リバース(5)
リバース(6)