スミス・エコー関連ディール2016年05月
 清水のブリッジブログ

     スミス・エコー(リバース・スミス)に関連したディールを紹介します。

     先ずは2015年の米国バンダービルト杯(春季北米チーム選手権)
     決勝 第1セグメント、11番ボードから(ボードを回転)
W
A9
KJ82
865
A432
N
ダミー
Q2
7543
97432
Q6
E
107654
Q109
J10
1085
S
ディクレアラー
KJ83
A6
AKQ
KJ97

     ディーラーSouthが21HCP程度のバランスハンドを表すオープニング
     ビッドをしたのち、メジャーアスキングで4枚Sが明らかになって、3NTに
     決まります。
     両方のテーブル(決勝なので2チーム)ともWestは、ダミーから4枚H
     出る可能性があるので、スモールCをリード。
     両テーブルとも全く同じプレー展開を見せます。
     Cリード→6→10→Jと進んで、ディクレアラーはDAKQを取り、続けて
     手元からスモールSをリード。
     ここでWestは?
     SAを上がって、ディクレアラー側のSをブロックさせる。
     それからHにシフト。
     ディクレアラーからHAが飛び出ます。CAに負けに行かないと9トリックに
     達しません。Sをダミーのクイーンで取ると、5トリック(SA+H3個+CA)
     を失います。
     ワンダウンでプッシュスコアになりました。

     話を戻しまして。
     第1トリックにダミーからスモールが引かれたので、Westの側からはC
     攻めることが難しいと想像されます。というのはディクレアラーは手元のC
     が弱いときには、ダミーからクイーンを引くからです。
     DAKQに続けてSが出されたとき、仮にWestがスモールを出すと?
     ダミーのSQが勝ち、Dが走ったのちに、SCで合計9トリックに達します。
     そこでWestとしてはSAを上がる必要があります。

     ところでディクレアラーがDAKQを取ったときに、Eastは何をするか?
     パートナー間に約束があれば、「DJ10」を使ってスミス・エコーまたは
     リバース・スミス。
     そののちSに興味が無いことをシグナルします。
     Westひとりの判断でディフェンスできるハンドですが、シグナルも助けに
     なるようです。



     似たようなハンドはあるもので。
     2016年 アジアパシフィック・ブリッジ連合(APBF) 北京大会
     第14ラウンド 12番ボード
W
A6
9863
Q1096
AQ10
N
ダミー
J5
A10542
8732
98
E
109732
K7
54
J764
S
ディクレアラー
KQ84
QJ
AKJ
K532

WNES
1PP2NT
P3*P3
P3NTAllPass
     リオープン・ジャンプ2NTは18〜19HCP位でしょうか。
     ペアの約束によって19〜20(21)もあると思います。
     3NTに対してWestはオープニングリードの選択が苦しい。
     結局はDを出すことになりそう。
     ディクレアラーはDJで勝ち、Hをフィネス。
     EastはHKを勝って、ここで?
     (イ)Dを返すとディクレアラーは勝ち、手元のHを取ってから、スモール
        Sをリード。ビッド経過から左手のSAが判っているので、ダミーの
        SJがエントリーになって、ほどなく9トリックに達します。Westが
        SAを上がってDを攻めたときには、Dの4巡目でWestにスローイン
        (throw-in)になります。
     (ロ)EastがCを攻めたときには、スモールCでもCJでもワンダウン。
     (ハ)EastがSを攻めたときには、 
        「S10→4→6」または「S10→K→6」とエースをダックするか、
        「S10→K→A」と取ってからSJのエントリーを飛ばせばワンダウン。
        「S3→8→6」または「S3→K」のときは、同上の手口でワンダウン。
     仮にEastがHKをダックして、2巡目に取れたとしても結果は同じです。
     そこで。
     ディクレアラーがHのフィネスをしたときに、WestはどのHを?
     ビッドからディクレアラーのHが2枚と判っているので、カウントシグナル
     は無用。というよりも、ディクレアラーの手元のHが3枚のときには、
     EastのHは1枚なので、カウントシグナルは役に立ちません。
     というわけで。
     パートナー間に約束があれば、Hでスミス・エコーまたはリバース・スミス。
     Dのリターンに興味が無いことをシグナルします。
     スミス・シグナルの約束が無いときには、Hでスーツプリファランス・シグナル
     を出せばパートナーには通じるものと思われます。

     ちなみにオープニングリードにHを出すとEastがキングで勝ちますが。
     SリターンとCリターンはワンダウン、Dリターンはスリーメイク。
     なかなかうまく行かないものです。



     2015年 NEC杯 第8ラウンド 29番ボード(ボードを回転)
W
A954
K74
A1084
84
N
ダミー
72
Q1085
KJ2
KJ92
E
QJ106
963
95
10765
S
ディクレアラー
K83
AJ2
Q763
AQ3

WNES
1PPDBL
P1P1NT
P3NTAllPass

     1Dオープンは好みの問題で。
     「1H」についても色々な意見がありそうです。
     リオープンダブル後、1NTは15〜17(15〜18)HCP。
     3NTに対してWestはオープニングリードの選択が厳しいですが、
     スモールSを出しそうです。
     これに対してEastは「SJ」をフォロー。
     この「ジャック」に関しては、
     リンク → サードハンド・プレー特殊編 をご参照ください。
     ディクレアラーはキングで勝ち、Dを負けに行きます。
     このときパートナー間に約束があれば、Eastは「D95」でスミス・エコー
     またはリバース・スミス。
     Sを続けることに興味が有ることをシグナルします。
     WestからはSを攻め、EastからはHシフトが明白。
     ディフェンス次第ではWestが、HDのスクイズにかかってしまいます。

     第1トリックに戻って。
     Eastが正しく「SJ」をフォローしていれば、WestはスモールSで攻め
     続けるでしょうから。スミス・シグナルが不要の状況ではあります。



     米国「ザ・ブリッジワールド」誌 2015年8月号(60ページ)
     “Improve your defense”
W
AK65
9875
73
532
N
ダミー
1098
J10
AQ
KJ10986
E
Q74
K632
96542
A
S
ディクレアラー
J32
AQ4
KJ108
Q74

     Southの1Dオープン、Northの2Cののち、コントラクトは3NT。
     Westは「H8」をリード。今ふうの出し方。
     「9875」からは「8」、「K987」などからは「9」をリードします。
     第1トリックは「H8→10→K→A」と記事に書いてありますが。
     Eastはキングを出していいのか?
     「HAQ98」に備えているのでしょう。
     第2トリックは「C4→5→J→A」。
     ここでEastは?
     ディクレアラーが最低でも9トリックを手中にしていることが判ります。
     パートナーに「エースキングの4枚S」を期待して、Sにシフト。
     ビッドとプレーの経過から「SAKxx」はあり得ないことではないと。
     正しいリードカードは「SQ」。
     というのは、仮にWestが状況の把握を誤ると、Sで勝ったときに、
     Sでは無いスーツにシフトしてくる可能性があると。
     まず無いとは思いますが、念には念を入れるということでしょう。

     ところで第2トリック、ディクレアラーがCを出したとき。
     Westは?
     『パートナー間に約束があれば、スミス・エコーまたはリバース・スミス。
     Hのリターンに興味が無いことを表します』 と言いたいところですが。
     第1トリックでHスーツの状況は明らかではないかと。
     シグナルが必要とされないディフェンスハンドのようです。



     2007年 NEC杯 第6ラウンド 19番ボード
W
109743
542
AK7
98
N
ダミー
KQ2
AJ7
862
6542
E
85
K96
J10543
QJ7
S
ディクレアラー
AJ6
Q1083
Q9
AK103
     ディーラーSouthの1NTオープンをNorthがゲームレイズします。
     WestはS10をリード。
     ディクレアラーは手元で勝ち、Hをフィネスします。
     結果的にCのダブルフィネスが効いているので、EastはHKを直ぐに
     取らなければならない。
     続けてEastは?
     Dにシフトしなければならない。

     では第2トリックにWestはどのHを?
     Sには将来性が無いことを教えたい。
     約束があれば「H542」を使って、スミス・エコーまたはリバース・スミス
     を出します。

     しかしながらディクレアラーが右の
     ようなハンドのときには、Cシフトが
     必要。
     実際のハンドはDシフトが必要です。

S
ディクレアラー
AJxx
Q10xx
AKx
Kx

     ではHKをスムースにダックして、2巡目を取る作戦は?
     リバース・スミスなら、Westが最初に「H5」を出す。
     次に「H4」でDのスーツプリファランスを出す。
     しかしながら、Eastは「542」からの「5→4」と読み切れるか?
     また、ディクレアラーにHのフィネスが抜けていることを察知されると、
     HAを上がってCのダブルフィネスに切り替えられる可能性もあります。
     Eastが最初にHKを取るかどうかも問題で、なかなか難しいです。


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レベンソール(2)
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サンドイッチ・ポジション(後半)
アンユージュアル NT(1)
アンユージュアル NT(2)
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リバース(2)
リバース(3)
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5NT グランドスラム・フォース
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Five of a major as a slam-try(2)
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『メジャー優先』
『メジャー優先』再び
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フィットジャンプ
フィットジャンプ(2)
スタンダード・メジャーレイズ(1)
スタンダード・メジャーレイズ(2)
スタンダード・メジャーレイズ(3)
コンベンショナル・メジャーレイズ(1)
コンベンショナル・メジャーレイズ(2)
コンベンショナル・メジャーレイズ(3)
コンベンショナル・メジャーレイズ(4)
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Two-way NMF 清水教室仕様(2)
3枚スーツをビッドする
4番手のオープン
テークアウトダブルのアドバンス
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サクリファイスに備える
猛烈に強いツースーター
トランプエコー
トランプ・スーツプリファランス・シグナル
トランプ・スーツプリファランス・シグナル(2)
スミス・エコー
リバース・スミス
サンドイッチ・ポジション(1)
サンドイッチ・ポジション(2)
サンドイッチ・ポジション(3)
5枚メジャーでの1NTオープン(1)
5枚メジャーでの1NTオープン(2)
テークアウトダブルのアドバンス
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read me(本章案内)
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EXCLUSION BLACKWOOD - 2
RKB エクステンション
RKB エクステンション - 2
BLUHMER
BLUHMER(2)
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2Cオープン - LTC
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2オーバー1 ALMOST GF
2オーバー1 INSTANT GF
2オーバー1 GF 関連ビッドシークエンス
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5 - 4 メジャー
オープナーリビッド2NT
アンユージュアル NT(3)
アンユージュアル NT(4)
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4-4フィット対5-3フィット
4333でステイマン?
1NTオープンに8点でどうする?
オープニングリードシミュレーション
4の代のマイナーで止まる
4の代のマイナーで止まる(続き)
4の代のマイナーで止まる(続き2)
5NT ピック・ア・スラム
スーパーネガティブ・レスポンスの後の展開
フォーシングノートランプ後の展開(2)
マイケルズキュービッドのレスポンス
Two-way NMF
Two-way NMF(2)
Two-way NMF(3)
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Third and lowest
Rusinow
Second-fourth
Queen from KQ109
Zero or two higher
メジャーを言うかマイナーを言うか(2)
メジャーを言うかマイナーを言うか(3)
自分のスーツを「キュービッド」する
4の代でのオポーネントスーツのキュービッド
4の代でのオポーネントスーツのキュービッド(2)
猛烈に強いツースーター(2)
ビンジェ・シグナル
スーツプリファランス・シグナル特殊編
サードハンド・プレー特殊編
アップサイドダウン・シグナル特殊編
スミス・エコー関連ディール
オッドイーブン・シグナル
オッドイーブン・ファースト・ディスカード
サンドイッチ・ポジション(4)
敵の「2オーバー1」への介入
5枚メジャーでの1NTオープン(3)
メジャーを言うかマイナーを言うか(4)
世界選手権に提出されたコンベンションカードから
ブリッジ・ワールド・スタンダード(BWS)
BWS1968
BWS1984
BWS1994
BWS2001
BWS2017
BWS2017を使ってみた
対戦相手の4の代のメジャービッドに対抗する
対戦相手の4の代のメジャービッドに対抗する(2)
フォンドラセック現象(2)