「フォローは下」から。
フォローは一番下を出せ、ではなく。
「カードの強さが続いているときは一番下」ということですが。
そうしない方が良い場合もあります。
そのような例外的状況を紹介します。
オープニングリードは
2。
ダミーからスモールが引かれ、サードハンドのEastは?
ディフェンスの目標は4トリック。
パートナーにトランプトリックか
Aを期待します。
加えてパートナーの側から
シフトが欲しい。
従って第1トリックに
Kをフォローします。
Westの側からは、Eastに
Qが無く、ディクレアラーに
AQと見える
でしょう。となるとダミーの眺めからは
シフトが来るものと思われます。
サードハンドで工夫して、ディフェンスを誘導する例です。
ディールは米国ブリッジ連盟発行「ブリッジ百科事典(Encyclopedia)」、
385ページから引用しました。
ノートランプコントラクトのディフェンスに於けるサードハンド・プレーに
ついて、マーシャル・マイルズ(Miles)は著書“Defensive Signals”
で以下の例を挙げています。
ダミー xx(x)
OL.x □ QJ10(x)
サードハンドは「ジャック」が正しい。というのは、
仮に「10」を出すとパートナーの視点からは、
ダミー xx(x)
A9xxx □ 10
K
のように見えるので、
ダミー xx(x)
A9xxx □ J10x
KQx
なのか、
ダミー xx(x)
A9xxx □ QJ10
Kxx
なのか判りません。
そこで「ジャック」を出せば、
ダミー xx(x)
A9xxx □ QJx
K10x
にせよ、
ダミー xx(x)
A9xxx □ Jxx
KQ10
にせよ、パートナーの側から出し続けることができます。
このスーツコンビネーションを知っていれば、仮にサードハンドが
「10」を出したときには、オープニングリードの側からはサードハンド
に「10」しか無いか、「J10(x)(x)」に限定できます。
同様にエディ・カンター(Kantar)は以下の配置で、
ダミー xx
Kxxxx □ J109
AQx
サードハンドは「10」を出すべきであると。というのは、
オープニングリードの側から見て、
ダミー xx
Kxxxx □ 10
AQJ9
の配置か、
ダミー xx
Kxxxx □ J10
AQ9
の配置に限定できて、
ダミー xx
Kxxxx □ 10
AQJ
の可能性を排除できるからです。
マイルズとカンターはこの手のディフェンス側のスーツコンビネーションを
話題にするのが好きなようで、昔から多くの本や雑誌で取り挙げています。
若い頃はパートナーで、それなりに成功はしたのですが。
ブリッジテーブル上で色々と滑稽な事件を引き起こしまして。
“The Best of Eddie Kantar”に詳しいです。
お腹をかかえて笑えます。