普通のスーツプリファランス・シグナルでは対応できない状況について。
例えば
![H](h17.png)
コントラクトで、シングルトン
![S](s17.png)
がリードされたとき。
[ダミー]
![S](s17.png)
xxx
![S](s17.png)
x
![S](s17.png)
AJ10xxx
![S](s17.png)
KQx
[ディクレアラー]
Eastは
![S](s17.png)
リードをエースで勝ち、
![S](s17.png)
を返します。
スーツプリファランスで
![D](d17.png)
を示唆したいときには
![S](s17.png)
Jを、
![C](c17.png)
を示唆したいときには
![S](s17.png)
スモールを出します。
ところが以下の配置では?
[ダミー]
![S](s17.png)
xxx
![S](s17.png)
x
![S](s17.png)
AQJxxx
![S](s17.png)
K10x
[ディクレアラー]
Eastは
![S](s17.png)
リードをエースで勝ち、
![D](d17.png)
を示唆したいときには
![S](s17.png)
Qを出します。
ところが
![C](c17.png)
を示唆したいときにスモールを出すと、「10」でフィネスされて
しまいます。
そこで「
![S](s17.png)
J」を出すのですが、これは最初の配置のときの「
![S](s17.png)
J」と同じに
なってしまいます。パートナーには「
![C](c17.png)
ではなく
![D](d17.png)
示唆」と見えるでしょう。
この問題を解決するのがキット・ウールジー(Kit Woolsey)の提案です。
パートナーのエド・マンフィールド(Ed Manfield)との共同開発のようです。
(イ)パートナーがシングルトン(と思しき)リードをして、
(ロ)ダミーが「xxx」の3枚のとき。
サードハンドの出し方:
(1)「AQJxx(x)」
「クイーン」はスーツプリファランス = Hi。
「ジャック」はスーツプリファランス = Lo。
これは普通です。
(2)「AJ109x(x)」
ジャックをHiにすると、(1)と矛盾します。
従って。
「ジャック」はスーツプリファランス = Lo
のまま。
「10」がスーツプリファランス = Hi
になります。
(3)「AQ109x(x)」
(2)からの続きです。
「10」はスーツプリファランス = Hi。
従って、
「9」がスーツプリファランス = Lo。
(4)「AJ98x(x)」
「9」はスーツプリファランス = Lo。
従って、
「8」がスーツプリファランス = Hi。
まとめますと、「Q、10、8」 = Hi
「J、9」 = Lo
になります。
![](s.png)
Eastの1
![S](s17.png)
オープンののち、Southの4
![H](h17.png)
。(3NTが良いのですが。)
シングルトン
![S](s17.png)
5のリード。
Eastはエースで勝ち、リターンは「
![S](s17.png)
J」も「
![S](s17.png)
10」も、パートナーには
「スーツプリファランス = Hi」で
![D](d17.png)
示唆に受け取られる可能性があります。
先の取り決めですと、
「J」 = Lo =
![C](c17.png)
、
「10」 = Hi =
![D](d17.png)
と間違いがありません。(取り決めを忘れていなければ、ですが。)
この記事を書いていて思い出したディールがあります。
米国「ブリッジワールド」誌2015年11月号のプレー問題
![](s.png)
Westの1
![H](h17.png)
オープン、Northの1
![S](s17.png)
オーバーコール、
Eastのプリエンプティブ3
![H](h17.png)
レイズののち、
Southの4
![D](d17.png)
という中途半端なコントラクトになります。
Westは「
![C](c17.png)
Q」という、これだけ2ダウンのリード。
Eastがエースで勝ち、
![C](c17.png)
を返します。
「J109」どの
![C](c17.png)
を?
ひとまず置いておいて。
ディクレアラーは
![C](c17.png)
K、Westはラフ。
ここでWestは?
![S](s17.png)
Kが安全そうに見える。これが間違い。
ディクレアラーは
![S](s17.png)
A、
![S](s17.png)
ラフ。
![D](d17.png)
8でフィネスしながらダミーに渡り、再び
![S](s17.png)
ラフ。続けて
![D](d17.png)
Kで狩り上げながらダミーに入り、4枚目の
![S](s17.png)
を引いて、
手元から
![C](c17.png)
をルーザーオンルーザー。Westにスローイン(throw-in)。
あわれWestには
![H](h17.png)
しか残っていないので、ダミーの
![H](h17.png)
Qがエントリーと
なって、
![S](s17.png)
の13枚目を取られてしまいます。
第3トリックに戻って。Westが
![C](c17.png)
Kをラフしたのち。
点数的にパートナーには
![H](h17.png)
Aが無いことはわかっているのですが。
Westから
![H](h17.png)
J1096のいずれかのリードは、
![H](h17.png)
スーツでは損しても、
ワンダウン。
![D](d17.png)
を出すとツーダウン。安全そうな
![S](s17.png)
だけ4メイク。
「シグナルに頼るとこうなる」という見本です。