トランプエコー(echo)。
切り札の枚数を教えるカウントシグナル。
現代では骨董品に近いかも。
(イ)切り札の奇数枚(3枚目)をパートナーに教えたいとき、
または、
(ロ)ラフできることをパートナーに伝えたいとき、
切り札でHi-Loを出します。
「93」 最初は「3」、次に「9」。
「963」 最初は「6」、次に「3」。
「9753」 最初は「3」、次から「7」、その次は「5」。
オープニングリードに切り札を出すときも同じ出し方をします。
ちなみに「J102」から切り札をオープニングリードに出すときには、
パートナーのクイーンシングルトンとの衝突を避ける為に「2」を出します。
切り札が3枚あるときにはいつでもHi-Loを出す人もいますが、ビッド
経過からディクレアラーの切り札の枚数が判っていることも多いです。
また、切り札の枚数を教えるよりも、シフトするスーツを教えることが
重要であることの方が多いです。
今では切り札のHi-Loはスーツプリファランス・シグナルに使う方が
主流になってしまい、トランプエコー本来の使われ方はほとんど見なく
なってしまいました。

Southの1

オープンをNorthがレイズして、コントラクトは4

に。
シングルトン

リードをEastはエースで勝ち、

スーツプリファランスの

6をリターン。
このときWestは「

6」でラフ。続けて

をリードします。
ディクレアラーは

Aを勝ち、

に着手。
Eastが

Aを取って、ここで?
パートナーに

を切らせるか、

Kを確保するか。
Westは

を「6→3」と出しました。
これがトランプエコー。3枚目の切り札の所在を伝えます。
切り札がもう1枚残っているなら、Eastは

を出す。
仮にディクレアラーが以下のハンドときには、

KQxxxxx

AK

Ax

xxx
Westには切り札が残っていません。

Kを確保します。

Eastの1

オープンののち、Southの4

になります。
Westはシングルトン

をリード。
Eastはエースで勝って、高い

をリターン。

を示唆するスーツプリファランス・リードです。
Westは

を「

8」でラフして、

をリード。
ダミーのエースが勝ち、

が引かれます。
Eastはすかさずエースを上がり、パートナーの「

2」を確認。
「

8→2」のエコーで、3枚目の

の所在がわかります。
ダミーに

9が見えるので、3枚目の

は「9」よりも高いはず。
従ってEastは

Kを取ろうとせずに、3巡目の

を廻します。
Westが「

10」でラフしてワンダウン。
おまけで

Kが取れればツーダウンです。
ディールは清水教室「ディフェンスコース」から引用しました。
型にはまると効き目は抜群。
一応は知っていなければならないシグナルの約束です。