アラームクロック(alarm clock)。
「アラームクロック・シグナル」というシグナルの取り決めがあるわけでは
ありません。「へんてこなカード」を出すことによって特別なデイフェンスの
意思を伝えようという試みです。
「ウェイクアップ・シグナル」とか「オッドボール・シグナル」とも呼ばれます。
“oddball”とは奇人・変人です。

Southの3

オープンをNorthが4

にレイズします。
Westのトップ

のリードに対して、Eastは

Q!をフォロー。
ダミーに

Jが見えているだけに異様です。

のカモンでは無く、

のノンカモンでも無い。
「変なものを出せ」と言っている。
それなら

だろうと。

では無かろうと。
Westはスモール

にシフト。こののちEastは

Aを直ぐに取り、

でWestに入れて、

をラフします。
ハンド全体を見ると簡単ですが、Westが

を2回も出すにはよほど
確信がなければできないと思います。
ディールは米国「ブリッジワールド」誌2014年5月号のディフェンス
記事を参考に作成しました。
米国ブリッジ連盟(ACBL)発行「ブリッジ百科事典(Encyclopedia)」
には以下の例が出ています。先の例と似ています。
ディーラーNorth EWバル

コントラクトは4

。
トップ

のリードに対して、Eastは

Q!を出します。
ダミーに

Jが見えているので、何か変だと。

のノンカモンなら、ダミーの眺めからは

シフトが示唆されます。

Qは

を表さないと。

のカモン(エンカレッジ)でも無いと。
ならば

だろうと。
Westは第2トリックに

にシフトして、Eastは

Aを直ぐに取り、
スモール

でWestに入れて、

をラフします。
ディーラーSouth

Southの2

オープンに対して、Northは4

とスプリンターレイズ。
Southは4

でサインオフします。
Westは

Aのアンダーリードを考えつつも、

Qをリード。
Eastは

Aを勝ち、

にシフト。ディクレアラーに

Kがあるので、

Aはパートナーにあるはずです。
ここで手口は二つ。
(1)先ず

Qをリードして、それから

Kを出す。
これもアラームクロックです。
(2)先ず

Kをリードして、

Qを続ける。
パートナーは

KQダブルトンを察知してくれるでしょうか?
「

KQx」なら、先ずは

K、続けてスモール

を出すはずです。
または最初からスモール

をリードするとか。
従って、

を攻めるしか無いこの状況で、

K、

Qと続けるのは

KQダブルトンに限定されます。
ディールは米国「ブリッジワールド」誌2000年9月号のディフェンス
記事を参考に作成しました。
2003年10月 日本代表選抜試合

ディーラーSouthが1

オープンして、Northのリミットレイズに
4

と乗ります。
Westは

をリードして、実は大当たり。
ダミーからスモールでディクレアラーは手元の高い

で勝ち、

をリード。
Westからエースが飛び出します。
続けてWestは?

を出さなければならない。
一般的にシグナルは、高いランクのスーツを示唆することは得意なの
ですが、低いランクのスーツを表すことは苦手です。
Eastが「

来い」と表すのは今しかありません。
「

Q!」を出したら、

が来るでしょうか?
ディーラーWest

Westからパス、パスで、Eastが1

オープン。
Southが4

オーバーコールします。
Westから

7のリード。
Eastが

を3連続で出します。ここでWestは?
(イ)「

10xxx」のように、Eastから4巡目の

で確実にトランプが
プロモーションするとき。

Aを捨てます。これがアラームクロックです。
トランププロモーションはするが、

Aが無いときにはノンカモン
(ディスカレッジ)の

をシグナルします。
(ロ)「

6543」のような、トランププロモーションが無いとき。
自分で3巡目の

をラフして、自分で

Aを取ります。

Aが無いときには、

をカウントシグナルを出しながら捨てます。
(ハ)ここでの「

9xxx」のように、パートナーに「

10」のようなもの
があるときにはトランププロモーションしますが、パートナーが
「

3」ではプロモートしないとき。これが厄介で。

のカモン(エンカレッジ)シグナルを出します。
Eastはここでのディールのように、トランププロモート可能と判断
するときには4巡目の

を出します。
プロモート不可能と判断するときには、

をリードします。

Aが無いときには、

をカウントシグナルを出しながら捨てます。
ディールは米国「ブリッジワールド」誌2000年3月号の
“Kantar for the defense”から引用しました。
米国「ブリッジ・トゥデイ(Bridge Today)」誌(廃刊)でアラームクロックの
記事が連載されていたことがあります。興味のある方は調べてみて下さい。