自分がディクレアラーになって、パートナーをダミーにするか?
自分はダミーになって、パートナーをディクレアラーにするか?
選ぶことが出来るオークション経過になることはまれです。
一般的には「点数の多い方」をディクレアラーにする方が得です。
しかしながら。
この眺めよりも、

この眺めの方が、

ノートランプコントラクトをプレーする上では有利です。
すなわちディクレアラーには「点数の多い方」ではなく「テナスの多い方」
を持ってくる方が良いということです。
テナス(tenace)とは、「AQx」、「KJx」など。
同様に「Kx(x)」や「Q10x」などもダミーに広げるよりはディクレアラーの
手元に持つ方が有利です。
このビッド経過だと、

W | E | 1NT | 3 | 4 |
|
3

= スタンダード
16点位がダミーに広がります。
それよりも、

2

= トランスファー
16点位を手元に持った方が、テナスを保護できることが多いです。
3NTや4

などのゲームコントラクトで考えると、
ダミー 16点
□
ディクレアラー 10点
よりも、
ダミー 10点
□
ディクレアラー 16点
の方が有利なことが多いということです。
その比率は16対10、「八対五」です。
このハンドはトランスファービッドが成功する例です。
手元の「

AQ」が保護されます。

Southの2NTオープン(20〜21)の後、トランスファービッドを経由して
Southの6

になります。

リードを勝ち、

2-2の分かれでトランプが2巡で狩り集まります。

の分かれを試し、3-3の分かれなら手元の

を処理して仕上がり。
左手に4枚

のときには、4巡目の

を切り、

でダミーに渡って、

を
引きます。
右手がスモール

なら手元から10(またはジャック)を出して左手に
スローイン(throw-in)。右手から

絵札が出てきたらエースで勝ち、
もう片方の絵札に負けに行けば12トリック目です。
同様に左手の

が2枚以内のときには、

でスローイン。

3-1の分かれのときにも、左手の

が2枚以内のときには、

での
スローインが決まります。
実際のWestのハンドは:

74

K942

K9753

J10。

の3巡目にショーアウトするので、

でスローインします。
このハンドはトランスファービッドが失敗する例です。
2015年5月23日 四谷SRR 第1セッション 11番ボード

Southの1NTオープン(15〜17)の後、最終コントラクトは6

か6NT
になるでしょう。
トランスファービッドを使っていると、Southの側で取るスラムはダミーの

Kがオープニングリードの直撃を受けます。
Westのハンドは:

3

QJ96

10975

10642。

の絵札のリードを選ぶ可能性が高いです。
2014年1月 日本リーグ 第10ラウンド 14番ボード


3

=

スーツのゲームフォース
4

=

フィット、

コントロールビッド
4

= 切り札設定、キュービッド要求
4

= コントロールビッド
5

= RKCB、1430レスポンス
Northのハンドは:

Q93

J9862

65

976。
オープナーの側で取る6

は

リードの直撃を受けて、開幕2連敗です。
このハンドでは3

の後、オープナーが4

とサポートしていません。

と

の持ち方次第で、コントラクトを取る側を操作しているからです。
レスポンダーは、

と

のキングダブルトンという持ち方から、自分が
ディクレアラーを取った方が良いことは明らかです。