30年ほど前はブリッジのサイドテーブルに灰皿が置いてありまして。
ビディングボックスに「禁煙マーク」が入っているのはその名残です。
今はプレーイングエリアはノンスモーキングが当たり前になり。
試合終了後に喫煙者が戸外に殺到したのも昔話に近く。
喫煙所はハンドの話で盛り上がったものですが。
年末に珍しくそのようなことがありまして。
2015年12月 日本リーグ(第1ラウンド 8番ボード)

Southの4

。
オープニングリードは

Q。
Eastは

Kでオーバーテークして、シングルトン

Kにシフトします。
何をしているかは誰の目にも明らか。
Eastは

Aを直ぐに取り、スモール

でWestに入れ、

をラフします。
ディクレアラーは

Aを取り、切り札には着手せずに

Aを取る。
続けて

K、

Jと進めます。右手から

Qが出てくるのを見て、
手元の2枚目の

を捨てます。あとは何が来ても

を狩り集めるだけ。
「シザーズ・クー(Scissors coup)」です。
「名無しのクー(coup without a name)」という別名もあります。
「はさみ」のようにコミュニケーションを断つ。
対戦相手の片側にエントリーさせない為のルーザーオンルーザー・プレー。
実際の試合でお目に掛かることは滅多に無く。

Southから1

オープン、2

レスポンス、2

リビッドと進んでSouthの4

。
Westはトップ

のオープニングリードの後、シングルトン

に替わります。
ディクレアラーはダミーで勝ち、

Jを引いて手元の

を捨てます。
ディールは ブレッチャー、ロス 共著 「ブリッジ 80 クラシックプロブレム」
から引用して手を加えました。

Northの1

オープン、Eastの

ジャンプオーバーコールから始まり、
Southの4

。
Westの

Jのオープニングリードは

のボイドを物語ります。
ディクレアラーは

A、

Aと進め、ダミーから

9を引く。
右手がスモール

なら、手元の

の3枚目をディスカードして仕上がり。
右手が

Qなら、ラフして、

を出す。左手は

Kを勝ち、再び

を攻める。
ダミーで勝ち、今度は

Jを引きます。右手がスモールなら

を捨てます。
Eastの側に「

KQ10」のうち2枚が無いかぎり成功するプレーです。

Southの1

オープン、Westの1

オーバーコールと進み、
3

にレイズ、4

にレイズ、最終コントラクトは5

です。
Westはシングルトン

をリード。
ディクレアラーは手元で勝ち、

AKラフと進めます。

Aで手元に戻り、
4枚目の

をリード。左手が4枚目の

を出したら、ダミーの

を捨てます。
「ザ・ブリッジワールド」2006年12月号、1999年5月号を参考に
ディールを組み立てました。