2014年9月に「
4の代のマイナーで止まる」 を掲載し、
2014年11月に「
4の代のマイナーで止まる(続き)」を掲載しました。
関連するハンドが米国「ブリッジワールド」誌 2014年7月号にありました。
誌上ビッド対戦(challenge the champs)
ペア戦 対戦相手バル ディーラ:South


2

= 2オーバー1・ゲームフォース
3

= フォーシング
3

= ストッパーショーイング
ここでの「3

」はフォース(fourth)スーツですが、これはウェイティング
ビッドです。特定の持ち方を表さない曖昧な意味のビッドで、「パント(punt)」
とも言います。「Qx」とか「Jxx」などのことが多く、いわゆる「パーシャル
(partial)ストッパー」、昔は「ハーフ(half)ストッパー」と言いました。
エリック・コキッシュと ビバリー・クラフトの解説は以下のとおり。
「何度も言及してきましたが、ゲームフォーシングでは無く、3NTまたは
4の代のフィットしたマイナーまでフォーシングとする取り決めの方が
優れていることがあります。」
[We have frequently mentioned that there are cases in which it
might be a superior agreement to make an auction not game-
forcing but forcing to three- notrump or four of an agreed minor.]
確かに。10点で1

オープンするなら、4

で止まることはパートナーと
話し合っておくべきでしょう。
4の代のマイナーで止まってはいけなかった
2015年 オープンチーム世界選手権(バミューダボウル)決勝
第8セグメント 30番ボード(ディーラーEast、ノンバル)

オープンルーム

W | N | E | S | |
| | 1 | DBL | 1 * | P | 1NT | P | 3NT | P | P | P | | | |
|
North:Sylvan
South:Wrang
(スウェーデン)
East:Nowosadzki
West:Kalita
(ポーランド)
「1

」は

スーツを表すトランスファービッドです。
オープニングリード

3、3メイク(EW+400)。
クローズドルーム

North:Gawrys
South:Klukowski
(ポーランド)
East:Upmark
West:Nystrom
(スウェーデン)
オープニングリード

6、5メイク(EW+150)。
ポーランドの6 IMP取り。
「2

」のキュービッドはハンドの強さに余裕があり、コントラクト1

xの
ディフェンスに向かないハンドを表しています。Eastは「3

」のキュー
ビッドでストッパーアスキングをしたようです。Westは3NTをビッドしな
かったことから、明らかに「4

」をフォーシングと思っています。Eastは、
4

のビッドを「ストッパーが無いのでやめたい」と受け取ったようです。
バミューダボウル決勝は全128ボード。その126番目です。
最終スコアは 293 対 307.5、14.5 IMP差でポーランドが優勝でした。
124番目ボード ポーランド 12 IMP取り
125番目ボード ポーランド 13 IMP取り
126番目ボード ポーランド 6 IMP取り
127番目ボード ± 0 IMP
128番目ボード スウェーデン 10 IMP取り
Bridge Base Online(BBO)で実況中継を見ていた人は1万5千人位で
しょうか。このボードは結果的に勝ち負けには関係しませんでしたが。
私はこの情況で、4

で止まる冷静さに驚きました。