不正行為についてはしばらく書くつもりが無かったのですが。
超大物ペアの不正が暴かれつつあります。
世界ブリッジ連合(WBF)世界プレーヤーランキング、
第1位のファントーニ(Fantoni)と第2位のヌーン(Nune)の「F-N ペア」。
イタリア選手権での疑惑の6
については
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不正行為(1) でもお伝えしたとおり。
競り合いで対戦相手がスラムをビッドした。オープニングリードがエース
を2枚持っている。一方を出したら取れた。もう片方を出せば取れること
は間違いないのに、オープニングリードのスーツを続けた。パートナーが
ラフした。もう片方のエースでリターンした。ツーダウン。
そんなことしなくても。
一方のエースをリードしたあと、もう片方のエースを取ってワンダウンさせ
てから、ラフさせてツーダウンさせれば何でも無いのに。
語るに落ちる。
この件はイタリアのスポーツ仲裁裁判所(CAS)に持ち込まれましたが、
嫌疑不十分で無罪放免。
しかしながらこの人達、またエラいことになって来ました。
私達が普段に「カモン・ノンカモン」などと出しているのは「シグナル」で
あって「サイン」ではない。「サインを出す」のはヤバい。
分析したのはオランダのマイケ・メビウス(Maaijke Mevius)。
世界選手権の参加は2011年のトランスナショナル・チーム戦だけ。
ローカルエキスパート・プレーヤーでしょう。2014年のヨーロッパ選手権
のビデオを分析して、オープニングリードの出し方でサインを送っている
ことを突き止めました。
ノルウェーのボイエ・ブログランド(Brogeland)に相談して、10人の
グループで検証。その結果を米国のキット・ウルゼイ(Woolsey)が米国
のブリッジサイト「ブリッジ・ウィナーズ」に投稿しました。
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ファントーニ&ヌーンのビデオ証拠 先のエース2枚抜けのスラムのディフェンスも解明されました。
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イタリア選手権の6 F-Nペアと何回も対戦してきたスウェーデンのペータル・フレーディン
(Peter Fredin)と米国のジェフ・メックストロース(Jeff Meckstroth)の
対戦時の感想は以下のとおり。
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怪しいF-Nとは二度と対戦したくない (このフレーディンも、マナーの悪い嫌な奴で有名なのですが。)
F-Nペアの特殊なシステムに関する議論も白熱しています。米国の
エリック・ロッドウェル(Rodwell)の分析が興味深いです。
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論理的に使えないオープン リンク →
不正サインによってシグナルとオープニングビッドが有利に 日本でもビデオを導入しようという声があるようです。
しかしながら仮にビデオを導入しても。
「直接証拠」でも「あれ」ですから。
ビデオでの「間接証拠(≒状況証拠)」では「口頭注意」もできないでしょう。
懲罰規定の整備が先と思われます。
オランダブリッジ連盟からヨーロッパブリッジ連合への書簡については、
リンク → 記事
「レゾンデートル」 を見て下さい。
モナコ連盟会長の声明
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MBF会長のメッセージ 該当ペア(ファントーニ&ヌーン)の不正行為についてブログランドに
問い合わせしたが不十分な回答だった、と。
良い人でも組織の一員となると木で鼻を括るような態度を見せる、
の見本みたいな話です。
当然にブログランドは激しく反発。
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メッセージへのブログランドの返答 かくかくの時刻のメールにちゃんと書いてあるじゃないか。こんなことも
あろうかと関係者全員に同じ内容でメールしておいた。何なら互いに
メールを公開しようか、と。
数日後にモナコは世界選手権の出場辞退を発表します。
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MBF声明 モナコは降りてデンマークに。
イスラエルも降りてスウェーデンに。(
不正行為(5)参照。)
キット・ウルゼイ(Woolsey)に言わせると、
「そこまで出さなくてもいいのに、という状況まで律儀に『サイン』を出し
たものだから」。そこかしこに証拠が残ってしまったようです。
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F-Nのシグナルについて 語るに落ちる。
2015年2月11日 四谷SRR&P
第2セッション 20番ボード
ディーラ:W、双方バル
ビッド経過
Westは3秒ほど考えた。
ではなく、
のスモールをリード。
ディフェンスが
A、
リターンと進めてほどなく1ダウン。
リードをエースが取って、スモール
のリターンでも良いのですが。
語るに落ちる?