みたびLTCについて2015年06月
 清水のブリッジブログ

     この記事は ふたたびLTCについて の続きです。

     ヨハネス・クールマン(Johannes Koelman)が「ブリッジワールド」誌
     2003年5月号で発表した“NLTC(New Losing-Trick Count)”に
     ついて説明します。

     そもそもLTCには補正(アジャスト)が必要でして。
N
Axxx
Axx
Axx
Axx
N
Kxxx
Kxx
Kxx
Kxx
N
Qxxx
Qxx
Qxx
Qxx
     伝統的なLTCだと、いずれのハンドも『8ルーザー』になります。
     そんな馬鹿な、と誰もが思うでしよう。
     NLTCだと左から、『6』、『8』、『10ルーザー』になります。
     このようにルーザーの数え方を改め、さらに「25」から引き算します。
     詳細は WiKi Project Contract Bridge Losing-Trick Count でも
     紹介されています。
     次のハンドも。
W
KQJx
KQx
KQx
KQx
E
Axxx
Axx
Axx
Axx
     LTCだと、24−(4+8)=12。すなわち12トリック。
     NLTCだと、25−(6+6)=13。グランドスラムになります。

     また、LTCやNLTCの欠点については以下のハンドで。
W
QJxx
xxx
KJx
xxx
E
AKxxx
Ax
AQxx
xx
     だと4Sが固いですが、
W
QJxx
xxx
xxx
KJx
E
AKxxx
Ax
AQxx
xx
     では3Sがダウンすることもあります。
     ルーザーカウントについては LTC、NLTCとも同じ数字になります。
     ハンド全体の強さとともに絵札の配置が重要なので、
     「1S−2S: 3D」とヘルプスーツ(ゲームトライ)を使うか、
     何らかのアスキングビッドの類いを使う必要があるということです。



     オーストラリアのロン・クリンガー(Ron Klinger)はプレーヤーとして、
     また幾多のブリッジの本の著者として名高い人です。
     いま73歳。ブリッジ界には珍しい、とは言い過ぎでしょうか。紳士です。
     LTCについて1986年に“The Modern Losing Trick Count”という
     本を著しています。表紙にはこのハンドが。
W
オープナー
8763
AQJ1064
7
AK
E
レスポンダー
A
K982
A8643
754
       「この25HCPでグランドスラムをビッド出来ますか?」
     30年前なら一苦労でしょう。現代なら1Hオープンをスプリンターレイズ
     して、RKCBを経由してほどなく7Hに到達するでしょう。

     LTCについてはこの十数年で何冊かの本が出ています。
     いずれも、どのように補正するかが課題で。
     昔からのLTCでは駄目だ、ということでは一致しているようです。

     以上の他にLTC について述べ立てる文書は、この数十年ほとんど
     見なかったのですが。
     この数年、急に二つを目にしました。以下に紹介します。



     「ブリッジ・ワールド」誌 2013年4月号 誌上ビッド対戦
W
レスポンダー
82
AK8
KQJ987
52
E
オープナー
KQ764
J106
A42
Q6

WNES
12
2P3P
3P4P
PP

   East: Yaniv Zack
   West: Michael Barel



     バーレルとザックはイスラエルのペア。
     近年のイスラエルはヨーロッパ選手権や世界選手権で活躍しています。
     エリック・コキッシュと ビバリー・クラフトの解説には、
     「EastのCはクィーンダブルトンという、役立つかどうか怪しい持ち方で
     ある。このハンドの『8ルーザー』を埋め合わせする材料は見当たらない
     にもかかわらずオープンした」というようなことが書いてあります。
     (Did anyone notice that East’s pretending that his doubleton
      queen was full-valued led him to open an eight-loser hand
      with no redeeming features?)



     「ブリッジ・ワールド」誌 2014年6月号 誌上ビッド対戦
W
レスポンダー
AK10983
AQ3
95
Q10
E
オープナー
QJ642
J974
A6
A7

WE
1
2NT3
33
33NT
4P
    East: Richie Schwartz
    West: Lew Finkel
    2NT = ストロングレイズ
    3C = ミニマムで良いハンド
    3D = リレー
    3H = ショートスーツ無し
    3S = ストール(STALL)
                     3NT = フリボラス(FRIVOLOUS)
     エリック・コキッシュと ビバリー・クラフトの解説には、
     「3SはウェイティングビッドでEastの意見を聞いた。これに対してEast
     はマイルド・スラムトライと答えた。Westのハンドは『6ルーザー』なので
     積極的にはならない」というようなことが書いてあります。
     (Three spades was a stall,leaving room for East to express
      a further opinion.That opinion was delivered in the form of
      a mild slam-try,not enough for West(with six losers)to get
      excited.)

     最近のエリックはLTCに嵌まっているのかもしれません。



     そういえば「トータルトリックの法則(LOTT: Law of Total Trick)」も。
     ラリー・コーエン(Larry Cohen)が“To Bid or Not to Bid”を著した
     のが1992年、“Following the LAW”が出版されたのが1994年。
     それから十年ほどはブリッジ雑誌を開くと必ず何人かがこの法則に言及
     していたものです。
     それが最近では、目にするのは年に1回あるかどうか。
     ビッドの流行は一時的には勢いがあるものの、後年に残ることは難しい
     ようです。

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コンベンショナル・メジャーレイズ(2)
コンベンショナル・メジャーレイズ(3)
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RKB エクステンション - 2
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2オーバー1 ALMOST GF
2オーバー1 INSTANT GF
2オーバー1 GF 関連ビッドシークエンス
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アンユージュアル NT(4)
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4の代のマイナーで止まる(続き)
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フォーシングノートランプ後の展開(2)
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Two-way NMF
Two-way NMF(2)
Two-way NMF(3)
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Rusinow
Second-fourth
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Zero or two higher
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メジャーを言うかマイナーを言うか(3)
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4の代でのオポーネントスーツのキュービッド
4の代でのオポーネントスーツのキュービッド(2)
猛烈に強いツースーター(2)
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アップサイドダウン・シグナル特殊編
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オッドイーブン・シグナル
オッドイーブン・ファースト・ディスカード
サンドイッチ・ポジション(4)
敵の「2オーバー1」への介入
5枚メジャーでの1NTオープン(3)
メジャーを言うかマイナーを言うか(4)
世界選手権に提出されたコンベンションカードから
ブリッジ・ワールド・スタンダード(BWS)
BWS1968
BWS1984
BWS1994
BWS2001
BWS2017
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対戦相手の4の代のメジャービッドに対抗する(2)
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リバース(6)
グランドスラム・フォース(2)
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