LTC(ルージング・トリックカウント、Losing Trick Count)について。
記事
2Cオープン - LTC を書いて以来3年ぶりです。
まずはこのディールを。
![](s.png)
![](s.png)
N | S | | 1![](s19.png) | 3![](s19.png) | P | |
|
3
![S](s17.png)
by South
オープニングリード:
![H](h17.png)
絵札
初中級向けのディフェンス講習会のディールです。
3
![S](s17.png)
は4枚サポートのリミットレイズ。
ディフェンスは
![H](h17.png)
リードの後、
![D](d17.png)
にシフト。
Eastは
![D](d17.png)
Aを取って、
![C](c17.png)
Qをリターン。
ディフェンス側が開幕5連勝して1ダウンします。
よほどのことが無ければメイクされることは無いでしょう。
問題はビッドの方で。
![](s.png)
![](s.png)
N | S | | 1![](s19.png) | 3![](s19.png) | ? | |
|
オープナーは絵札で12点。
さしたる取り柄が無いので3
![S](s17.png)
を
「パス」するのが普通と思われます。
ところが。
LTCで数えると『6ルーザー』なので
「4
![S](s17.png)
」をビッドするのではないか?
との質問を受けるわけです。
すなわちリミットレイズはゲームインビテーションの強さを表しますから
『8ルーザー』で。
24−(6+8)=10
となって、10トリック取れるから4
![S](s17.png)
であると。
私はLTCなど教えることは全く無いのですが。
何でこんなものが一部の人達に流行っているのか?
LTCを採用するなら、ペアの両側で使わないと役に立たないわけで。
レスポンダーはLTCで数えると『9ルーザー』です。
だからLTCを採用しているパートナーシップは、
「1
![S](s17.png)
−2
![S](s17.png)
: Pass」とか、「1
![S](s17.png)
−2
![S](s17.png)
: 3
![S](s17.png)
−Pass」とビッドします。
ペアの片側だけLTCを使っても駄目でして。
さらに言うなら、レスポンダーは10HCPの4枚サポートですが、
![H](h17.png)
Jが浮いています。だからリミットレイズするかどうかが怪しいです。
慣れた人達には「2
![S](s17.png)
」のシングルレイズを勧めます。
「強いシングルレイズ」というか、「弱いリミットレイズ」というか。
いうなれば「2.5
![S](s17.png)
」のレイズです。その強さを表すコンベンションが
あれば良いのですが。1990年代に流行して現代では廃れてしまった
「コンストラクティブ・シングルレイズ」がそれにあたります。
では本当にLTCでは駄目なのかというと。
ケネス・アイヘンバウム(Kenneth Eichenbaum)の書いた
“Winners,Losers,and Cover Cards”(2009年刊)によりますと、
![S](s17.png)
1.5
![H](h17.png)
3
![D](d17.png)
1.25
![C](c17.png)
3
合計『8.75ルーザー』
![S](s17.png)
1
![H](h17.png)
2.5
![D](d17.png)
2
![C](c17.png)
1.5
合計『7ルーザー』
計算すると、24−(7+8.75)=8.25
となって適性レベルは2
![S](s17.png)
と3
![S](s17.png)
の間ということになります。
もちろん2
![S](s17.png)
の方が安全なことは言うまでもありません。