ツーウェイ・ニューマイナーフォーシング2015年06月
 清水のブリッジブログ

     「ツーウェイ・ニューマイナーフォーシング(Two-way NMF)」
     オープナーの1NTリビッド後に使われるコンベンション。
     ニューマイナーフォーシングや2Cチェックバックの進化形です。

     最初に発表されたのは私の知る限り、米国「ブリッジ・トゥディ」誌の
     1990年11-12月号。キット・ウルジー(Kit Woolsey)の記事です。
     当時はまだ「ツーウェイ・ニューマイナーフォーシング」という言葉が
     無かったので、「チェックバック」という言葉が使われています。
     同じ号にマーティ・バーゲン(Marty Bergen)が、
       「『2D』のニューマイナーフォーシングに遭遇するとブリッジ
       プレーヤーの性(さが)に笑いをおさえられない。どうせなら
       チェックバック2Cを使わない手はない」
     というような内容の記事を書いています。
     ウールジーはさらに先を行っていたということになります。彼自身は
     コンベンションの着想をジム・クレコリアン(Jim Krekorian)から得た
     と書いています。

     2013年の春季北米選手権の大会ブリテン
        (リンク → Spring NABC,St.Lous(Mar.15,2013)
     によりますと、「デービッド・カーター(David Carter)は、ダブル・バールド
     (double-barreled)ステイマン、通称ツーウェイ(two-way)・ステイマン、
     (すなわち2Cがノンフォーシングステイマン、2Dがゲームフォーシング
     ステイマン)の発案者であり、これを考え出した6年後に、オープナーの
     1NTリビッドに同じ仕組みを使うこと(two-way new-minor forcing)を
     考えついた」とあります。
     デービッド・カーターは1954年度のACBLマスターポイント獲得第一位の
     プレーヤーですが、このツーウェイ・ニューマイナーフォーシングに関する
     記述がどの程度信頼に足るかはわかりません。

     ACBL発行ブリッジ百科事典(Official Encyclopedia of Bridge)には
     “Two Way New Minor Forcing”の項目は無く。
     “TWO-WAY CHECK-BACK”の項目に、“PING-PONG”の項目を
     参照せよとだけ。「オープナーの1NTリビッドの後、レスポンダーの2C
     のビッドが2Dへの強制トランスファーで、ゲームインビテーションの
     ハンドを表すのに使われる。フランスでは一般的なコンベンション」
     というような解説があります。
     誰がいつ頃に発案したかについては何にも書いてありません。

     いずれにしても米国内では「チェックバック2C」は市民権を得ることなく、
     「ツーウェイ・ニューマイナーフォーシング」の時代に入ったようです。



     2010年 米国スピンゴールド杯 決勝
     ディーラーW、双方バル
W
オープナー
KQ
Q106
J6542
KQ4
E
レスポンダー
AJ1095
87
AK9
A82
 
WE
11
1NT2*
33
4P
   W : Fred Gitelman
   E : Brad Moss
   2D = ゲームフォーシング
   3D = 5枚D
   3S = 6枚分のS

       Hのストッパーに問題があるので、5-2の4Sにコントラクトしました。
       頭から10トリックあります。ストッパーの薄い3NTよりも、強い切り札
       の5-2のメジャーゲームを狙うのはこの15年ほどの流行でもあります。

     米国「ブリッジワールド」誌 2011年5月号 誌上ビッド対戦
W
オープナー
7
AK96
QJ93
K875
E
レスポンダー
J8532
84
K1065
A2

WE
11
1NT2*
2*P
   W : Billy Cohen
   E : Ron Smith
   2C = 2Dへのパペット
   Pass = Dのサインオフ

       解説の エリック・コキッシュ と ビバリー・クラフト によりますと、この
       取り決め(Two-way New Minor Forcing)は、「ブリッジワールド
       スタンダード」で決まっているコンベンション(New Minor Forcing)
       よりも、今や主流となっているようです。
       (We suspect that this method,which is simpler than
        the BWS approach,has gained mainstream status.)

     ACBL会報 2015年1月号 誌上ビッド対戦
W
オープナー
92
654
AK64
AQ93
E
レスポンダー
AQ8543
2
32
K1054

WE
11
1NT2*
2*3
4P
   W : Dick Bruno
   E : Bob Gardner
   1C = 4-4マイナーを1Cオープンする約束
   2C = 2Dへのパペット
   3S =強い6枚Sでのゲームインビテーション

WE
11
1NT2*
2*3
4P
   W : Jeff Schuett
   E : Ginny Schuett
   1D = 4-4マイナーを1Dオープンする約束
   2C = 2Dへのパペット
   3S =強い6枚Sでのゲームインビテーション



     そもそも何故 Two-way NMF を採用するかと言いますと。
     例えば、
WNES
1P1P
1NTP?

     何ということのないビッドシークエンスですが、良いコンベンションが
     なかなか無くて。特に、
E
レスポンダー
KQxx
xx
Ax
AQJxx
     のようなハンドを表現することが難しいです。
     ペア戦なら3NTでも良いのですが、チーム戦ではそうも行きません。
W
オープナー
xx
Axxx
KQx
Kxxx
     オープナーがミニマムでも6Cが出来てしまいます。
     ペア戦もいちにちで終わるような試合なら、あっさり3NTをビッドして
     お終いにしても良いのかもしれません。
     米国のブルーリボン杯のように予選準決勝決勝で三日間を費やす
     大会になると。怠惰なことをしていると予選落ちしてしまいます。
     世界選手権ペア戦だと予選二日、準決勝二日、決勝二日半です。
     (最近はもう少し短くなったようですが)。

     10数年ほど前の世界選手権ペア戦で、予選ももう終わりの頃。
     対戦相手に世界的に有名なペアが来まして。二人とも凄い形相で
     ブリッジをしている。危ないんだなと思ったら、やはり落ちていました。
     順当なら決勝で20位以内には入るペアだけに、無念はいかばかりかと。

     そう言えばいつぞやの世界選手権のミックスド・ペア(男女混合ペア)で、
     私のパートナーが無謀なビッドをして。対戦相手の男性プレーヤーが
     オープニングリードをしくじった。カナダの有名なプレーヤーなのですが、
     野獣タイプで。これが怒って暴れ始めまして。。。

     よく考えると私のパートナー達は、対戦相手を mad にするというか、
     drive them crazy にさせるような人が多かったかもしれません。

     またしても長い前置きで。



     「ブリッジ・トゥディ」誌の1990年11-12月号で紹介された
     ツーウェイ・ニューマイナーフォーシングのオリジナルバージョン
     については、
       リンク → Two-way NMF オリジナルバージョン
     を見てください。

     私自身、また教室では2000年頃から以下のバージョンを使用しています。
       リンク → Two-way NMF 清水教室仕様(1)

     ハンド例は、
       リンク → Two-way NMF 清水教室仕様(2)
     にまとめてあります。

     ツーウェイ・ニューマイナーフォーシングの現代版は、
       リンク → Two-way NMF
     を見てください。

     このコンベンションの長所短所については、
       リンク → Two-way NMF(3)
     に説明してあります。

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4の代のマイナーで止まる(続き)
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4の代でのオポーネントスーツのキュービッド(2)
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サンドイッチ・ポジション(4)
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