1NTオープンに「ダブル」がかかったら?
まず対戦相手に「ダブル」が何かを聞くことです。
いまの規則では「ダブル、リダブル」はアラート不要ですから、ダブル
が「ペナルティの意味では無い」としても、対戦相手はアラートしない
(できない)です。
それを聞いて。
もし「ペナルティ」だとしたら、どのように逃げるか?
以下のコンベンションが多くのペアに使われているようです。

パス = 深い意味は無い(ニュートラル)
リダブル = 「2

」を言え
→ 2

→ パス =

で逃げた
2

=

で逃げた
2

=

と

の4-4以上で逃げた
2

* =

と

の4-4以上で逃げた
2

* =

が5枚以上(トランスファー)
2

* =

が5枚以上(トランスファー)
2

* =

と

の5-5以上
1NTオーバーコールがダブられたときも、

W | N | E | S | |
1 | 1NT | DBL | ? | | | |
|
同じように使用します。
このコンベンションはハーディ(Max Hardy)の「ツーオーバーワン・
ゲームフォース(Two Over One Game Force)」という本に書いて
あるので、日本では「ハーディ」とも呼ばれます。
他の正しい名前があるのではと今回も調べてみましたが判りません
でした。御存知の方がいらっしゃったら教えて頂ければ幸いです。
この「ツーオーバーワン・ゲームフォース」という本が出版されたのは
1982年。
続けて1989年に「ツーオーバーワン・ゲームフォース 改訂拡大版」
が出版されました。副題は「1990年代に向けてアップデート」。
アップデートされても25年前ですから。当時は最新でも今の流行から
は古めかしく見えるのは当然でして。
今ふうで。
とは言っても25年位前の純国産。
通称「ドント逃げ(DONT Escape)」。
仕組みは簡単。

パス = 深い意味は無い、ニュートラル
リダブル = 「2

」を言え、ワンスーターで逃げる
2

* =

と何かの4-4以上で逃げた
パートナーは

で良ければパス
駄目なら2

でもうひとつのスーツに逃げる
2

* =

とメジャーの4-4以上で逃げた
パートナーは

で良ければパス
駄目なら2

でメジャースーツに逃げる
2

* =

と

の4-4以上で逃げた
2

=

5枚以上、少しは点がある
「リダブル」で2

を言わせたあとは。

W | N | E | S | |
1NT | DBL | ReDBL | P | 2 | P | ? |
|

パス =

で逃げた
2

=

で逃げた
2

=

で逃げた
2

=

で逃げた
1NTオープンにペナルティダブルがかかった場合と、1NTオーバー
コールにペナルティダブルがかかった場合に使用します。
「ドント(DONT)」は、1NTオープンに対抗するオーバーコールの
コンベンションのひとつです。1980年代に発表され、大流行しました。
今でも愛用者は多いです。 “Disturb Opponent’s NoTrump”、
敵のノートランプを邪魔しろ、という物騒な名前のコンベンションです。
『ダブル』はワンスーター、『2

』は

と何か(

か

か

)、『2

』は

と何か(

か

)、『2

』は

と何か(

)、『2

』は

で良いハンド。
「ドント逃げ」はこの仕組みを取り入れています。
もうひとつ紹介します。
「メックウェル・エスケープ(Meckwell Escape Bid)」
1NTオープンにペナルティダブルがかかった場合と、1NTオーバー
コールにペナルティダブルがかかった場合に使用します。

パス* = オープナーに「リダブル」を言うことを命令
(イ)

で逃げる
(ロ)

で逃げる
(ハ)

と

の4-4以上で逃げる
(ニ)1NTリダブルでコントラクトする!
リダブル = ナチュラル、点あります
2

* =

と何かの4-4以上で逃げた
パートナーは

で良ければパス
駄目なら2

で次のスーツに逃げる
2

* =

とメジャーの4-4以上で逃げた
パートナーは

で良ければパス
駄目なら2

でメジャースーツに逃げる
2

=

5枚以上
2

=

5枚以上
「パス」でリダブルを言わせたあとは。


パス = 1NTxxでコントラクトする
2

=

で逃げた
2

=

で逃げた
2

=

と

で逃げた
1NTはダブル付ではプレーしない、コントラクトするなら「1NTxx」だ、
と。今ふうの考え方です。
レスポンダーが「4333」の形で逃げるときには、唯一の4枚スーツを
「5枚」と見込むか、または、いずれかの3枚スーツを4枚と見込んで
「4-4」での逃げる手を打ちます。
そもそも4333の形で逃げることが難しいのですが。このような状況
では「なにもしない」か「じたばたする」か。
『棋風』と言いましょうか、『ブリッジ観』の現れるところです。