ルール・オブ・5002015年03月
 清水のブリッジブログ

     「ルール・オブ・500(ファイブハンドレッド)」。
     「ルール・オブ・2&3(ツーアンドスリー)」の別名です。

     名称に『ルール』とついてはいるものの。
     フォース(fourth)ベストのリードカードに用いる「ルール・オブ・11(イレブン)」
     は、論理的に「11」という数字が導き出されます。
     ところが「ルール・オブ・2&3」とか、フォース(fourth)ハンド・オープンでの
     「ルール・オブ・15(フィフティーン) : ピアソンズ(Pearson’s)・ルール、
     ピアソン・ポイント」とか、「ルール・オブ・20(トゥウェンティー)」のように
     目安に過ぎないものも多くありまして。

     もっと紛らわしいのは「ロー・オブ・トータル・トリックス(Law of total tricks)」、
     いわゆる「トータルトリックの法則」。『法則』とは名乗っているものの、マイク・
     ローレンスとアンダース・ワーゲン共著 “I fought the law of total tricks”に
     よりますと、Lott法則合致は40%、超過は34%、未満は26%。オークション
     経過とハンドの持ち方によって微妙な修正(adjustment factor)を行わない
     と使い物にならないようです。

     これらは“RULE”とか“LAW”と名乗っていますが、コントラクトブリッジの
     「規則」とは関係がありません。「定石」とか「目安」の類いです。コントラクト
     ブリッジの規則は「ブリッジの規則(Laws of Contract Bridge)」があり、
     競技ブリッジには「デュプリケートブリッジの規則(Laws of Duplicate Bridge)」
     (最新版は2007年)が適用されます。

     実のところは「ルール・オブ・ツーアンドスリー」も「ルール・オブ・ファイブ
     ハンドレッド(500)」も死語寸前でして。

     米国ブリッジ連盟発行ブリッジ百科事典(Official Encyclopedia of Bridge)
     ではどうなっているかと言いますと。
     「ルール・オブ・2&3」の項目は第4版(1984)、第5版(1994)にはあります。
     ところが第6版(2001)、第7版(2011)では「ルール・オブ・2&3」の項目は
     無くなり、「ルール・オブ・2,3&4(RULE OF TWO,THREE AND FOUR)」
     に置き換わります。「ルール・オブ・2&3」はプリエンプティブビッドなど方々の
     項目で言及はされても、「ルール・オブ・2&3」の項目は無いというありさまで。
     エンサイクロペディアの編集上の問題点を浮き彫りにしています。

     その「ルール・オブ・2,3&4」。
     自分側だけバルのときにはパートナーに2トリックを期待して「ルール・オブ・2」、
     自分側も対戦相手の側も互いにノンバルまたはバルのときにはパートナーに
     3トリックを期待して「ルール・オブ・3」、対戦相手の側だけバルのときには
     パートナーに4トリックを期待して「ルール・オブ・4」を適用します。


     「ルール・オブ・2&3」の仕組み

対戦相手ノンバル対戦相手 バル
味方バルRule of twoRule of two
味方ノンバルRule of threeRule of three

     対戦相手がメジャーのゲームコントラクトのときは以下のスコアになります。
対戦相手ノンバル対戦相手バル
味方バル420[500]620[500]
味方ノンバル420[500]620[500]

     厳密に「ルール・オブ・2&3」を適用すると、ノンバルでは少し損をして、
     バルでは少し得をします。
     IMPチーム戦なら「その3 IMP、4 IMPは取りに行かない」範囲です。
     何故なら対戦相手のゲームコントラクトがダウンすることがあるからです。


     「ルール・オブ・2,3&4」の仕組み

対戦相手ノンバル対戦相手 バル
味方バルRule of TwoRule of Three
味方ノンバルRule of ThreeRule of Four

     対戦相手がメジャーのゲームコントラクトのときは以下のスコアになります。
対戦相手ノンバル対戦相手バル
味方バル420[500]620[800]
味方ノンバル420[500]620[800]

     対戦相手がメジャーのスラムコントラクトのときは以下のスコアになります。
対戦相手ノンバル対戦相手バル
味方バル980[1100]1430[1400]
味方ノンバル980[1100]1430[1700]

     対戦相手がゲームでもスラムでも、計算上はスコアを損します。
     それにもかかわらず派手目にプリエンプティブビッドをするということは、
     プリエンプティブビッドをすると得することが多いことを、プレーヤー達の
     経験が物語っているからでしょう。


     記事 スコア計算  ダウンしたとき の1990年の世界選手権に於ける
     Westのオープニングビッドを見ていただけばわかるように、
     プリエンプティブビッドは1990年前後が世界的に一番激しかったです。
     2000年代頃から少しまともに戻っています。
     例を挙げます。
W
オープナー
xx
x
xxx
KQJxxxx
   7枚、6勝7敗ハンド。
   3Cオープン。
   味方だけバルのときにはパスが妥当。
   対戦相手だけバルのときには4Cオープン
   する人もいるでしょう。

W
オープナー
xx
x
xx
KQJxxxxx
   8枚、7勝6敗ハンド。
   4Cオープン。
   対戦相手だけバルなら5Cオープンも。



W
オープナー
KQJxxxxx
xx
x
xx
   8枚、7勝6敗ハンド。
   4Sオープン。




W
オープナー
AKQxxxx
xx
x
xxx
   7枚、7勝6敗ハンド。
   4Sオープン。




W
オープナー
AKQxxxx
xx
x
Kxx
   7枚、7.5勝 5.5敗ハンド。
   4Sオープン。







     2015年1月 日本リーグ 第14ラウンド2番ボード
E
ディーラー
986
72
KQ9875
Q10

   IMP戦
   ディーラー
   味方ノンバル
   対戦相手バル

     Weak 2Dオープンに見えます。
     Weak 2Dを使っていない人の多くは3Dオープンしたようです。

     ディールは以下の通り。
W
Q742
K10984
---
A643
N
AK105
Q5
AJ10642
8
E
ディーラー
986
72
KQ9875
Q10
S
J3
AJ63
3
KJ9752

     Eastに3Dオープンされると、NorthもSouthも身動きが取れません。
WNES
3P
PP
   3D by E、2〜3ダウン
     NS+100〜150
   3NT by NS
     NS+660〜690



     「ルール・オブ・イレブン」はディフェンスのサードハンドでの適用が想定
     されています。ところが以下のようにディクレアラーも使うことが出来ます。

N
ダミー
QJ53
Q42
642
653
S
ディクレアラー
A64
A107
AK53
AK4

   3NTに対してオープニングリードはH6。

   第1トリックはH6→2→9、と進みます。
   「H6」に対して「ルール・オブ・11」を適用
   すると、11−6=5。右手にはH9よりも
   高いHのカードは無いことが判ります。
   そのように考えるよりも、見えているH
   カードは「A、Q、10、9、7、6」
   『数独』を試みれば「KJ86」からの
   フォース(fourth)ベストと判ります。

     そこで第1トリックをHAで勝ち、ダミーのHQをエントリーにします。
     Sで3トリックを取るには、手元からスモールをリードするのが成功率が高い。
     S3+H2+D2+C2個を取って、9トリックです。

     だいぶ前にブリッジプロの先生方に、「ルール・オブ・11」って使っている?
     と聞いたところ。誰も使っていませんでした。
     「ルール・オブ・2&3」については聞くだけ無駄なので聞きませんでしたけど。

     そう言えば、「トータルトリックの法則」と似たものに
     「トータルトランプの法則(Law of Total Trumps)」というものもありまして。
     そのこころは、
     「ディクレアラーになったなら、味方側の切り札の合計枚数は、対戦相手側
     の切り札の合計枚数よりも多くなければならない」
     です。

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4の代のマイナーで止まる(続き)
4の代のマイナーで止まる(続き2)
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アップサイドダウン・シグナル特殊編
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オッドイーブン・ファースト・ディスカード
サンドイッチ・ポジション(4)
敵の「2オーバー1」への介入
5枚メジャーでの1NTオープン(3)
メジャーを言うかマイナーを言うか(4)
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