米国「ブリッジワールド」誌 2014年8月号
“Improve your defense”から


W | N | E | S | |
| | 1 | 1 | P | P | DBL | P | P | P | |
|
ディーラーEast
ノンバル
1

x by S
OL.

10
1の代のオーバーコールに対して。
レスポンダーが「トラップパス」をして、
オープナーが「リオープンダブル」をかけ、
レスポンダーが「ペナルティパス(ビジネスパス)」をする話は
ビッドの本にはしょっちゅう出てくるのですが。
どのようにディフェンスするかを書いた記事は、私の知る限り、
つい最近に出た「これだけ」です。
Westは

をリード。
Eastはキングで勝って、トランプをリターンします。
これはWestのディフェンスの方針が、
(イ)ディクレアラーのトランプを逆狩りする方針か、
(ロ)Westのトランプでどんどんラフをする方針か、
に関係無く。「お約束」です。
右手からトランプを流し込むことによって、
Westのいずれのディフェンスの方針にも対応できます。
さらこのディールは、ダミーで

をラフされる可能性があります。
原文には大まかな考え方だけが書いてあって。
実際にどのようにディフェンスを進めるかは書いてありません。
Eastが

を出し続けると3ダウン、

にシフトすれば4ダウンとだけ。
ところが4ダウンさせるのはなかなか大変でして。
以下、進めて行きます。

2→3→8→4と進んで。
Westは「

A」を取らなければならない。
これが難しい。
これだけが唯一、4ダウンへの路です。
ちなみに

を出すと、たったの1ダウン。
他のリードは3ダウンです。
ディフェンスは

を攻め続け、3巡目の

で。
Westは「

9」を抱え込んで、

を捨てなければならない。
これがまた難しい。
さらにEastは、ダミーの

がエスタブリッシュしているにもかかわらず。

の4巡目を出さなければならない。
ディクレアラーの手元には捨てるものが無いことを見越してのことです。
ディクレアラーは切っても上切りされるだけなので

の4枚目を捨て。
ここでWestの「

5」がトリックになります。
続けてWestは残しておいた「

9」を出す。
これでディクレアラーの手元に張り付けます。
ディクレアラーは

A、

→J と負けに行き、Eastの

Kが勝ち。
右手から今度は

が流し込まれます。
ディクレアラーが

9で切るのを「

10」が上切り。
Westから

リードで再びディクレアラーの手元に戻り。
最後の2枚は

KJが手出しになります。
ディクレアラーが取ったのは、

のラフと、

AQだけ。
4ダウンはEW+800。
ちなみに3NT by W は軽く3メイク(EW+400)。

Jのリード以外なら、4メイクは指呼の間ですが。
現場では3ダウンの500点でも良しとするのでしょう。