「スペシフィック・キング（ｓｐｅｃｉｆｉｃ ｋｉｎｇｓ）」。
　　　「場所」 と言っている人も多いようです。
　　　４ＮＴでアスキングをした後の「５ＮＴ」はキングのキュービッドを求めています。

　　　私が活字で始めて見たのは米国「ブリッジ トゥデイ」誌１９９１年５／６月号。
　　　キット・ウルジー（Ｗｏｏｌｓｅｙ）の記事でした。
　　　１９９１年に横浜で開催された世界選手権の際に、日本代表チームのコーチと
　　　して招聘されたエリック・コキッシュ（Ｋｏｋｉｓｈ）も、同じものを教えていました。
　　　１９９１年では「当時世界最新」というわけでも無く。
　　　１９８８年に私が参加した米国でのユースキャンプでは、ビリー（Ｅｉｓｅｎｂｅｒｇ）
　　　とアラン（Ｓｏｎｔａｇ）のペアは、次世代ＲＫＣＢの「Ｌ-Ｍ-Ｈ キングショーイング」
　　　を取り扱っていました。
　　　「ＬＭＨ（エルエムエッチ）」 （または「ＬｏＭｉｄＨｉ（ローミッドハイ）」） については
　　　後述します。

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W E 1 3 4NT 5 5NT ？

　　６ ＝ キング
　　６ ＝ キング（キング無し）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ キング（キング無し、キング無し）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ キング無し
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ７ ＝ キング３枚

　　　　　　　そもそも「キング アスキング」は、
　　　　　　　　　　（１）キーカードは全て揃った
　　　　　　　　　　（２）グランドスラムを狙っている
　　　　　　　　　　（３）だからキングを教えて欲しい
　　　　　　　という意味です。

　　　ビッドを展開させます。聞く方はいつも聞いています。

W E 1 3 4NT 5 5NT 6 ？

　　６ ＝ キングアスキング
　　６ ＝ キングアスキング
　　　　　　パートナーは、聞かれたキングがあればグランドスラムをビッドします。

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　　　そもそも何故に「スペシフィック・キング」を使うかと言いますと。

W オープナー A AQ753 AQ642 K8

　　　　お願いだから「３ルーザーは２オープンする」
　　　　とだけは言わないで下さい。誤ったルージング
　　　　トリックカウントの適用には辟易しています。
　　　　誰が広めているのか知りませんが。
　　　　もしＬＴＣを採用するなら。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 せめて ２Ｃオープン - ＬＴＣ を読んでからに。
　　　１オープンして以下のようにビッドが進み。

W E 1 3NT 4NT 5 5NT ？

　　３ＮＴ ＝ ゲームフォーシング レイズ
　　５ ＝ ２枚
　　５ＮＴ ＝ キングアスキング

　　　　　　「Ｋ」ならセブンです。
　　　　　　パートナーに「キング１枚」と言われたら困りますよね。
　　　　　　これが「スペシフィック・キング」を使う理由です。

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　　　トランプクイーン・アスキングの後は、以下のような展開になります。

W E 1 3 4NT 5 5 ？

　　５ ＝ クイーンアスキング

　　５ ＝ クイーン無し
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ５ＮＴ ＝ クイーンとキング
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンとキング
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンとキング
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンと３枚のキング
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンだけ
　　　クイーンがあるときには、サイドスーツのキングをキュービッドして答えます。
　　　「５ＮＴ」は「聞いたスーツ（ここでは）のキング」を表します。
　　　「リプレイスメント（Ｒｅｐｌａｃｅｍｅｎｔ）」と言われる取り決めです。

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　　　「ＬＭＨ（エルエムエッチ）」 （または「ＬｏＭｉｄＨｉ（ローミッドハイ）」） を採用すると
　　　以下のように。「Ｌｏｗ」はランク下、「Ｍｉｄｄｌｅ」はランク中、「Ｈｉｇｈ」はランク高。

W E 1 3 4NT 5 5 ？

　　５ ＝ クイーンアスキング

　　５ ＝ クイーン無し
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ５ＮＴ ＝ クイーンとキング［Ｌｏ］
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンとキング［Ｍｉｄ］
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンとキング［Ｈｉ］
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンと３枚のキング
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ６ ＝ クイーンだけ

　　　また、ＲＫＣＢはステップをずれ込ませますので。

W E 1 3 4NT 5 5 ？

　　５ ＝ ２枚、クイーン無し
　　５ ＝ キングアスキング

　　　　　　「リプレイスメント」の約束だと。
　　　　　　　　　５ＮＴ ＝ キング
　　　　　　　　　６ ＝ キング
　　　　　　　　　６ ＝ キング
　　　　　　　　　６ ＝ キング３枚
　　　　　　　　　６ ＝ キング無し
　　　　　　「エルエムエッチ」の約束だと。
　　　　　　　　　５ＮＴ ＝ キング［Ｌ］
　　　　　　　　　６ ＝ キング［Ｍ］
　　　　　　　　　６ ＝ キング［Ｈ］
　　　　　　　　　６ ＝ キング３枚
　　　　　　　　　６ ＝ キング無し
　　　機能は同じ。
　　　お好きな方をどうぞ。

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　　　最後に。
　　　キングアスキングは全てのキーカードが揃っていることを保証するか？
　　　一般的にキングアスキングはグランドスラム・トライです。
　　　これに対してパートナーはランニングスーツがあるときなどは、
　　　キングを答えることなくセブンをビッドすることがあります。
　　　例えば。

W E 1 1 3 4NT 5 5NT 7 P

　　という具合です。

　　　しかしながらマッチポイントペア戦では、スペシフィック・キング（特定スーツ
　　　のキング）を探すことで、スーツのスモールスラムよりも得点の高い６ＮＴを
　　　狙うことがあり得ます。
　　　また、ＩＭＰチーム戦に於いても、切り札の内容に問題があるときに、スペシ
　　　フィック・キングを探すことで６ＮＴを目指すことはあり得ます。
　　　これを念頭に置くと、キングアスキングに対してパートナーは、アスキング
　　　されたキングがあるときや、ランニングスーツがあるときでも、いきなりに
　　　グランドスラムはビッドはしない方が良いです。
　　　その代わりに「６ＮＴ」をビッドする約束にします。
　　　このような約束があれば、アスキングする側はキーカードが１枚足りない
　　　状態で６ＮＴを狙うことが可能になります。
　　　これは特殊な取り決めです。
　　　採用するときはパートナーと約束してから。
　　　そして。
　　　くれぐれも忘れないように。