4-4フィット 対 5-3フィット。
古い「お題」です。
結論はとっくの昔に出ているのですが。本当にそうなのか、と。
メジャーのダブルフィットがあるとき。
オープナーとレスポンダーで、例えば

は4-4フィット、

は5-3のときに。

でプレーするのが有利か

でプレーするのが有利か。
2001年に、杉野正勝さんにコンピュータシミュレーションをお願いしました。
そのときは1万ディールの処理に「丸2日」と聞いた覚えがあります。
結果は「4-4フィット圧倒的に有利」でした。
この記事を書くにあたって今一度、シミュレーションをお願いしました。
パソコンの能力が飛躍的に向上しているので早く処理できるのでしょう。
翌日に返事が届きました。
(1)シミュレーション条件
Northは「

4

5

x

x」の10〜15HCP。
Southは「

4

3

x

x」の12〜14HCP。
「x」は何でも、ボイドでも。
オーバーコールなどは考慮しない。
1万ディールをシミュレート。
(2)結果
5-3フィット(

)の方がトリック数が多い 13.25%
4-4フィット(

)の方がトリック数が多い 24.11%

も

もトリック数は同じ 61.64%
このシミュレーション条件に於いて単純な比較では、4-4の方が「倍」近く有利です。
4-4フィットが有利な理由は、典型的に以下のディールのように。

が切り札だと10トリック、

が切り札だと9トリック。

と

の絵札を逆にしても。

が切り札だと10トリック、

が切り札だと9トリック。
明らかな「フォンドラセック現象」です。
(詳しくはリンク→
フォンドラセック現象 参照してください。)
逆に5-3フィットが有利な場合は、以下のディールのように。

を切り札にすると

スーツをラフされてしまいますが、

を切り札にすれば

スーツをラフされることは無いわけです。
では

が4-1のときにはどうなるかというと。

4

は

の連打で、

のトランプコントロールを失ってあっけなく沈没。
4

は

リードの後、

をラフされます。両方ともダウンすると。
シミュレーションの結果を鵜呑みにすることはなく。
「一般的には4-4フィットの方が有利だけど、私はこのハンドは5-3フィットを
選ぶ方が有利であると判断する」というふうに適用すれば良いわけで。
私自身は20年ほど前、内容の悪い方の切り札を選んで失敗したことがあります。