以前にブリッジの本を読んでいたらこのような話が出ていました。
著者(ブリッジの先生)が生徒さんから質問を受けて、
「クラブが何々、ハートが何々で、かれこれのビッド経過になって。
先生、何をビッドしますか?」
いや、それだけのハンドではビッド出来ませんって。
すると今度は。
「スペードが何々、ハートが何々、、」
で結局13枚に足りないハンドでビッドを聞いてくる。。。
こんなことを書くのは Kantarか Stewartか Lawrenceだろうと。
書庫を調べましたが見つかりませんでした。
ブリッジ雑誌の記事かもしれません。Boehmかも。
この話は何かと言うと「ハンドをどのように口頭で伝えるか」
ということでして。
ブリッジの世界なら、英語はどこでも通じます。
というか通じないことの方が珍しい。
インテリやセレブばかりで。
「なんやこのおっさんは」などと高をくくっていると。
あとで「失礼しました」がしょっちゅうですから。
そこで。
「
A」 “ace of clubs”
「
9」 “nine of hearts”
発音など気にしなくても通じます。
アメリカンでは「ナイ(ン)ノブハーツ」みたいな。
世界選手権だと中国訛り英語とかドイツ訛り英語とか聞こえてきますし。
コックニーは聞きとりにくいし。
元ケンブリッジの先生だというプレーヤーはクイーンズイングリッシュでした。
服装は日本人ならまず大丈夫。
夏の米国なら、男は膝下の短パンとTシャツに靴下と運動靴が定番ですけど。
ヨーロッパでは少しだけ気を遣った方が。
フランスのオヤジ達とか、やっぱりお洒落ですし。
“Ace third of spades,
king doubleton of hearts,
queen fifth of diamonds,
jack third of clubs” とか。
“Ace third,king x,queen fifth,jack third”とか。
「
Qxx」 “Queen three times of spades”
「
5シングルトン」 “singleton five of hearts”
“stiff five of hearts”
“small singleton heart”
“singleton small heart”
「
Kx」 “king doubleton of diamonds”
“king x of diamonds(キング エックス オブ ダイアモンズ)"
「QJxx」 “queen-jack-fourth”とか、“queen-jack-four-times”とか。
「Kx」 “king-and-one”
「xxx」 “three small”
聞かないけれど “tripleton small”
「xx」 “two small”
“small doubleton”(スモールダブ(ルトン))
「x」 “small singleton”とか“singleton small”とか。
ビッドの復唱を口頭で求められることは少なくなりましたが。
例えば次のようなオークション経過のとき。
“One club,pass,one heart,one spade,,,”
と言うことよりも、
“a club,pass,a diamond,,,”
とか。
「a」を省略して、
“club,pass,diamond,spade,notrump,pass,three-no”
とか。どんどん略しちゃいます。
また。
アラートの規則は万国共通ではありません。
国によってというか、大会主催団体によって異なります。
こちらで調べておくか、現地でディレクターに聞くかした方が良いです。
たいていは現地ブリッジ協会のウェブサイトに載っていますが。
英語ならともかくも。
中国とかイタリアとかオランダでブリッジしようとすると言葉の問題があるし。
アラートするかしないかわからないときは、アラートする方が無難。
もし対戦相手に、そのビッドはアラートの必要は無いと言われたときには、
“ah-so”と応えれば済みます。
ところで。
ビディングボックスを使っているときに。
「ビッドカード」をしばらくテーブルに置いたままにするのは日本だけでして。
ふつうは直ぐに片付けます。
ディフェンス側がビッドカードを置きっぱなしにしていると、
あらぬ疑いをかけられかねません。
ましてやビッドカードをテーブルの右端にシャッと移動させようものなら。
対戦相手に怪訝な顔をされるくらいならまだましで、
不正行為の疑いをかけられてディレクター騒ぎになった人もいるようです。
我が国でも、
「1NT、パス、パス、パス」とか、
「1
、パス、3
、パス、4
、パス、パス、パス」などなら、
さっさと片付けている人はいるし、別にかまわないかと。
スラムビッドなど長いビッドになったときには、慣習としてディクレアラー側は
直ぐには片付けません。
理由は明白かと。
また、最後の人だけは「パス」を省略して片付けてしまう人も多いです。
ただし。ダブル付きのコントラクトになるときには最後の人も、
しっかりとパスを出すようです。
ダブルを出した、出さないというトラブルは互いにご免こうむりたいですし。
郷に入れば郷に従え、面倒は起こすな、ということでしょう。