JCBL会報にリバースの記事を書いたのが1999年の1-2月号で。
米国「ブリッジワールド」誌の同年(1999)11月と2002年8月号に、
リバースについての記事が載っています。
それらを参考にしながらリバースビッド後の展開を、いま一度まとめておきます。
オープナーのワンオーバーワン・リバースビッドは「フォーシング」で、
ゲームレベル以下ではリビッドを約束します。
この後、レスポンダーが、
(1)「自分のスーツをリビッド」したときと、
(2)「フォーススーツ」または「2NT」のうち低い方をビッドしたとき
には、ゲームより低いレベルで止まることがあります。
それは以下のようなビッド経過を取ります。

2

または2

*

2

*または2


2

または2NT*

2

または2NT*
これらのレスポンダーのビッドはいずれも「ニュートラル」で、ハンドの強さが
ミニマムであることを示唆します。
しかしながら「ニュートラル」とは言ってもワンラウンド・フォーシングですから、
ゲームフォーシングの強さがあっても構いません。先ず「2NT*」をビッドして、
次に「3NT」をビッドすることも可能です。
これらリバース直後の「ニュートラル」ビッドには、
「ストール(STALL)」とか「クロゼット(CLOSET)」という名称がついています。
それぞれ「失速」、「物置」くらいの意味合いです。
レスポンダーの「ニュートラル」ビッドに対してオープナーは。
16〜18点(ノーマルリバース)か、19点以上(ゲームフォーシング・リバース)か
を表すことになります。以下を参照して下さい。

3

* = フォーススーツ・ゲームフォーシング、ハンドの形は不定。
3

=

5枚以上、16〜18、ノンフォーシング。
3

=

5、

6、ゲームフォーシング。
3

= 3枚

、3=4=5=1(3=4=6=0)、ゲームフォーシング。
3NT =

ストッパー有り、19点位。
レスポンダーのビッドは以下のようにまとめられます。

2

=

5枚以上、6点以上、ニュートラル。
2NT* =

4枚、6点以上、ニュートラル。
3

= フォーススーツ・ゲームフォーシング。
3

=

フィット、ゲームフォーシング。
3

=

フィット、ゲームフォーシング。
3

= 強力6枚以上、ゲームフォーシング。
3NT = ノートランプ向き、

ストッパー有り、10点前後。
4

=

フィット、ゲームフォーシング・スプリンター。
4

=

フィット、ゲームフォーシング、


絵札集中。
[Picture Jump]
4

=

フィット、10点位、


絵札集中。
[Picture Jump]
レスポンダーのビッド例をいくつか挙げます。
(1)


2

はニュートラル。2NTは

ストッパー有り、16〜18。
3

は6〜7(8)点、サインオフです。
(2)


ニュートラルの「2

」よりも、ゲームフォーシングの「3

」を選びます。
2

をビッドすると、後に

のサポートを表すことが困難になることがあり、
オープナーに3枚

があるときには3=1=4=5のハンドの形で「3

」に
対して「3

」と合わせてくるのが確実だからです。
(3)


5枚

があるので「2

」もビッドできますが、ニュートラルの「2

」を選びます。
「2

」をビッドして「2

」で止まることもあるからです。
(4)


「2NT」は

のストッパーを保証して、ナチュラルでゲームフォーシングです。
(5)


2

を直ぐに3

とレイズするとゲームフォーシングの強さを表してしまいます。
2

を直ぐに4

とレイズしても構わないのですが、オープナーが

がフィット
すると猛烈に強くなるハンドのときにスラムに行かれると困ります。
そこで先ずニュートラルの2

をビッドして5枚

を表し、次に4枚

をサポート
して6〜7(8)点を表します。
昔の代表選抜試合でこのビッド経過でトラブっていたペアがいました。
(6)


2

に対して「2

」のビッドで5枚

を表すこともできます。ところがこのハンドは

のストッパーを保証するナチュラル・ゲームフォーシングの「2NT」をお勧め
します。オープナーが、3枚

があるときには「3

」をビッドして、3=1=4=5の形
を表すと同時に、シングルトン

のストッパーを確認に来るからです。
ビッド経過からはいかにも

リードが来そうですし。
このようなリバースのシステムについて、エリック・コキッシュは1996年1月号の
「ブリッジワールド」誌に以下のように書いています。
This method,altough some 35 years old,gained significant popularity
in America only within the last 20 years. It is behind even that time
schedule elsewhere in the world.
このようなリバースのシステムは1960年頃に発案され、1975年頃には米国内に
於いては一般的に使われるようになったということです。
また、このようなリバースのシステムを「ストラクチャード・リバース」と呼ぶ人もいる
ようですが。私が会報記事を書いた1999年当時でもそのような言葉は文書では
目にすることはありませんでした。
今回、米国ブリッジ連盟刊行“Encyclopedia”最新版で調べても記述は無く。
ウェブサイト“Bridge Dictionary”にもありませんので。
Structured Reverse。完全に死語になったようです。
なお米国ブリッジ連盟(ACBL)には、
推奨スタンダードシステム“Standard American Yellow Card”があります。
いくつかのSAYC(サイヤック)解説書に於いては、「パートナー間の取り決めに
基づいて、ワンオーバーワン・リバース後にはレベンソール(LEBENSOHL)を
使う」と書いてあります。
ACBL発行のSAYC解説書“ACBL SAYC SYSTEM BOOKLET”には明記
されていません。
ところで。

N | S | 1 | 1NT | 2M | ? | |
|
1

オープナーが1NTレスポンスに対して、2

または2

でリバースしたとき。
「2NT」と「3

」はノンフォーシング(ミニマム)のハンドの強さを表します。
「3

」もノンフォーシングにするかどうかはパートナーとの取り決め次第です。
さいごに。
4441の中途半端に強いハンドをどのようにビッドするかについては様々な
意見があります。以下を参考にして下さい。
米国ブリッジ連盟会報 2009年11月号 It’s your call
ペア戦 ノンバル


N | S | 1 | 1 | ? |
|
世界チャンピオン多数を含むパネル回答者17人の意見は:
2

=11人、2

=5人、3

=1人、2NT=0人でした。
米国「ブリッジワールド」誌 2010年7月号
IMP戦 NSバル


(イ)どのようにオープンしますか?
(ロ)パートナーの1

レスポンスに対して
何をリビッドしますか?
パネル回答者26人の意見は:
1

オープン後2

=14人、1

後1NT=3人、1

後2

=0人、
1

オープン後2

=3人、1

後2

=3人、1

後1NT=2人、
1

オープン後1NT=1人、1

後2

=0人、1NTオープン=0人でした。
ここに紹介されていないリバースビッドについては「
リバース?」を御参照ください。