この記事は
坂の上の雲 の続きです。
メリーマック・クー(Merrimac coup)
「対戦相手の片方のハンドへのエントリーを飛ばすためにハイカードを犠牲にすること」
ブリッジワールド ウェブサイト「オフィシャル ブリッジ ディクショナリー」から
[the sacrifice of a high card to deny an opponent a timely entry.]
「対戦相手のハンド(たいていはダミー)へのエントリーを追い出すことを目的として、
ハイカードを意図的に捨て駒にすること」
ACBL版「エンサイクロペディア・オブ・ブリッジ」から
[The deliberate sacrifice of a high card with the object of knocking
out a vital entry in an opponent’s hand,usually the dummy.]
3NT by South
Westは
Kのリードののち、
Kにシフト。
Aは3巡目に取ります。
典型的にはダミーにエースダブルトンですが、このディールのように
ディクレアラーの手元がクィーンダブルトンでも成功します。
ディールは Guy Leve著 “Encyclopedia of card play technique”から。
3NT by South
Westは
5をリード。ディクレアラーが
を負けに来たら勝ち、
Qで攻めます。
ディールは Terence Reese著 “Bridge for Ambitious Players”から。
4
by South
Westはトップ
をリード。ダミーの
スーツがエスタブリッシュするのは
時間の問題で、ダミーエントリーは
Kです。
ディフェンスが
A、
Qと攻めると、ディクレアラーはダミーで
をラフして
しまいます。Westは
Aを取らずに、
Qをリードします。
ディールは Guy Leve著 “Encyclopedia of card play technique”から。
デシャペル・クー(Deschapelles coup)
「パートナーのハンドへのエントリーを創り出すためにハイカードを犠牲にすること」
ブリッジワールド ウェブサイト「オフィシャル ブリッジ ディクショナリー」から
[the sacrifice of a high card to create an entry to partner’s hand.])
「パートナーのハンドへのエントリーを創り出すためにシークエンスになっていない
高い絵札をリードすること」
ACBL版「エンサイクロペディア・オブ・ブリッジ」から
[The lead of an unsupported high honor to establish an entry to
partner’s hand.]
アレクサンドル・デシャペル (Alexandre Deschapelles)
フランス、1780生〜1847没。ホイストの名プレーヤーによる命名です。
無敵のチェスプレーヤーとして有名な人だったようです。
3NT by South
ディクレアラーは
リードを2巡目に取り、
を開発します。Eastは
で
入ったとき、
Kをリード。パートナーの
Qをエントリーに育てます。
ディールは Guy Leve著 “Encyclopedia of card play technique”から。
シザーズ・クー(Scissors coup)
「対戦相手の特定ハンドがエントリーを得ないことを意図するルーザーオン
ルーザー・プレー」
ブリッジワールド ウェブサイト「オフィシャル ブリッジ ディクショナリー」から
[a loser-on-loser play intended to deny an entry to a particular
opponent.]
「オポーネントのコミュニケーションを断つことを目的とするプレー。多くの場合、
ラフを阻むことを目的とする。過去には「無名のクー」とも呼ばれた。」
ACBL版「エンサイクロペディア・オブ・ブリッジ」から
[A play aimed at cutting the opponents’communications,usually
in order to prevent a ruff(in the past called,less descriptively,
“the coup without a name”.]
「無名のクー」。というより、わざわざ名前をつけるほどのプレーでも無い、
という感じでしょうか。
4
by South
リードは
K。ディクレアラーは
Aで勝ち、ここでトランプを出すと、
でEastに入って、
を切られる。この「Eastに入って」がミソで。
ディクレアラーは
Aを勝ったら、直ぐに
をリード。ディフェンス側の
コミュニケーションを断ちます。
ディールは Guy Leve著 “Encyclopedia of card play technique”から。
4
by South
Eastはスモール
のリードを取って、シングルトン
にシフト。
ディクレアラーは勝って、
AK、
9→ダミーから
を捨てます。
ディールは Guy Leve著 “Encyclopedia of card play technique”から。
このディールはACBL版「エンサイクロペディア・オブ・ブリッジ」の
ディールと絵札の配置が同じで、スポットカードだけが異なります。
何がオリジナルなのか?
私も自分が何十年も前につくったレッスンハンドを、外国で出版された
ブリッジの本に見つけたことがあります。この世界は狭い、、。