UNT上級編
いきなりですが。ビッドの問題を。
NSバル、IMP戦

W | N | E | S | |
1 | P | 2 | ? | | | |
|

どうしますか?
米国ブリッジ連盟会報2007年1月号から。
ブログ記事「サンドイッチポジション(後半)」でも紹介したハンドです。
パネル回答者の選択は: 2NT = 8人、 3

= 6、パス = 3、 3

= 2人。

W | N | E | S | |
1 | P | 2 | 2NT | | | |
|
この「2NT」が微妙で。
多くの人は、
(イ) アンユージュアル ノートランプ、

&

2スーター
ですが。
(ロ) 2スーター アンユージュアル、

&

または

&

または

&

というのも、
(ハ) ストロング 1NTオーバーコール、(15)16〜18点
という取り決めもあります。
パートナーに確認してください。
次の問題です。
双方バル、チーム戦


どうしますか? いきなりの3

って何?
米国ブリッジワールド誌 2008年8月号から。
パネル回答者の選択は:
4

= 11人、 3NT = 6、 パス = 5、 3

= 2、 4

/5

= 各1人。

のワン・スーターなら最初からビッドするはずだから。
ツー・スーターだとすると、

と

であると。
4枚

なら最初から

をビッドするはずだから。

と

の5-5以上であろうということです。
ジェフ・ルーベンスの意見は以下の通り。
(この考え方は広く受け入れられているようです。)
(1)

3

= 5枚

(と5枚以上の

)
2NT = 4枚

(と5枚以上の

)
すなわち
「ビッドすると、ビッドしたスーツの強調型」であると。
(この取り決めは split-range(weak or strong)のUNTとの
相性がとても良いと思われます。)
例えば。
2013年 日本リーグ

ディーラ:North、ノンバル

3

= 5枚

(と5枚以上の

)
これが仮に以下のようだと、

2NT = 4枚

(と5枚以上の

)
Westは

ではなく、

を選びます。
(2)

5

=

強調型(と5枚以上の

)
4NT =

強調型(と5枚以上の

)
すなわち、5

は 6枚

&5枚

、4NTは

≧

。
(3)

W | N | E | S | |
| | 1 | 2NT | 4 | P | P | ? | | | |
|
5

=

強調型(と5枚以上の

)
4NT =

強調型(と5枚以上の

)
すなわち、5

は 6枚

&5枚

、4NTは

≧

。
従って、
(1’)

3

=

強調型(と5枚以上の

)
2NT =

強調型(と5枚以上の

)
5

は 6枚

&5枚

、4NTは

≧

になります。
これをさらに応用すると。
(4)

W | N | E | S | |
| | | 1 | 4 | DBL | P | ? | | | |
|
DBL = カードショーイング
(点数によるペナルティ)
5

をビッドすると 6枚

&5枚

。
5

をビッドすると 6枚

&5枚

。
4NTは

強調型 2スーター。
ビッドを続けます。

5

= 3枚以上の

P* =

と

、

強調型

5

= 3枚以上の

5

=

と

、

強調型
さらに突き詰めると。

5

= 3枚以上の

5

= ダブルに対して、すぐに5

をビッドするよりも、
4NTを経由して5

をビッドする方が強い
という使い方もできます。
では本題に入ります。
2012年 世界選手権準決勝
ディーラ:East、NSバル


W | N | E | S | |
| | P | P | 1 | 4 | DBL | P | ? | | |
|
5

=

強調型、2スーター
4NT =

強調型、2スーター
となるのでしょう。
ディールは以下の通り。

実際のオークション経過は。

W | N | E | S | |
| | P | P | 1 | 4 | P | P | 4NT | DBL | ReDBL | P | 5 | P | P | DBL | All | Pass | |
|
West: Nystrom
North: Helness
East: Upmark
South: Helgemo

West: Nunes
North: Cullin
East: Fantoni
South: Bertheau

West: Buras
North: Fitzgibbon
East: Narkiewicz
South: Mesbur

West: Carroll
North: Balicki
East: Garvey
South: Zmudzinski
3つのテーブルでコントラクトは5

になり、残る1つでは5

になりました。
「2012年ワールドチャンピオンシップブック」によりますと。
Both Easts understood that partner’s diamonds would be at least
as long as the hearts,as they could have bid 4NT over 4

then
corrected clubs to diamonds to show longer hearts,so both passed.
同じような記述は「ブリッジワールド誌2013年6月号」にもあります。
Typically ,with longer hearts,opener would have run to four notrump,
so there is a strong case for East’s passing five diamonds with equal
lengths as Narkiewicz did at the other table.
結果的に、より良いコントラクトで9枚フィットの5

は、

をラフされてダウン。
悪いコントラクトのはずの8枚フィットの5

は、

をラフされないのでメイクします。
5

に到達した3ペアがダウンして、悪いコントラクトの5

に到達した1ペアだけがメイク。
ハワード・ワインシュタインに言わせると、
The lesson here seems to be that bridge is a very strange game.
ということで。
いや、実に。