この記事は
サンドイッチ ポジション(前半)
サンドイッチ ポジション(後半)
の2部構成になっています。
サンドイッチ(Sandwich) ポジション
左手がオープンして、パートナーがパス、右手がレスポンスした位置です。
例えば。
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | ? | | | |
|
この位置では:
ダブル = テークアウト
1NT = (15)16〜18
2NT = アンユージュアル、
と
の5-5
ここまでは「普通」として。
2
=
のオーバーコール
2
=
のオーバーコール
が「普通」です。
強い6枚で、2の代のオーバーコールをする位のハンドの強さ。
いくつか例をあげます。
サンドイッチ ポジションのナチュラル キュービッド
ACBL会報2009年10月号 It’s your call
IMP戦、双方バル
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | ? | | | |
|
パネル回答者17人の選択は:
2
= 10人、パス = 3人、ダブル = 2人、3
= 2人 でした。
問題は、2
をビッドするにはハンドが強すぎることです。
しかしながらダブルをかけてから
をビッドすると、キュービッドの意味
になります。従って、いったん2
と、
スーツをビッドして、のちに機会
があればまた何かを言う方針の人が多いです。パートナーのハンドは
非常に弱いはずなので、これで何とかなるだろうということです。
米国「ブリッジワールド」誌2002年1月号
IMP戦、EWバル
2
は
スーツのオーバーコール。
パネル回答者31人の選択は:
4
= 12人、3
= 11人、2NT/パス/3
= 各3/2/1人。
直接にゲームレイズする人が3分の1、3
とキュービッドして
のゲームインビテーションをする人が3分の1です。
ACBL会報2007年9月号 It’s your call
ペア戦、双方バル
2
は、
のナチュラル オーバーコール。
3
は、
は長いが内容の悪い、
が1枚以内のハンドと思われます。
パネル回答者18人の選択は:
4
= 12人、パス = 3人、ダブル = 2人、4
= 1人 でした。
逆の立場からは:
ACBL会報2012年12月号 It’s your call
ペア戦、ノンバル
2
は、
のナチュラル オーバーコール。
パネル回答者18人の選択は:
4
= 13人、3
= 4人、3
= 1人 でした。
直接にゲームレイズする人が3人に2人、3
とキュービッドして
のゲームインビテーションを表す人が5人に1人です。
関連したディールをひとつ紹介します。
2011年 米国代表選抜試合決勝
ディーラSouth、双方バル
1
= 5枚メジャーオープン
1
=
スーツ
2
=
スーツ
4
by E NS+100
Southは強い4枚
を5枚とみなして1
オープン。
Northは1
をサイキックレスポンス!
Eastはナチュラルに
のオーバーコール。
4
は
が3連敗するので1ダウンでした。
EW側には26点ありますがゲームは出来ないようです。
サンドイッチ ポジションの1NT オーバーコール
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | ? | | | |
|
この位置で1NTのビッドをアンビット・2スーターの意味に取り決めするのを
「サンドイッチ ノートランプ オーバーコール(Sandwich One-Notrump)」
と言います。
これを対戦相手に使われたときの例をひとつ。
米国「ブリッジワールド」誌2000年11月号
IMP戦、NS双方バル
W | N | E | S | |
| | | 1 | P | 1 | 1NT* |
|
1NTは「サンドイッチ」で
と
の2スーター。
オープナーは、サポートダブルの約束があるときは「ON」です。
パネル回答者32人の選択は:
2NT = 15人、パス = 11人、ダブル/3NT = 各3人 でした。
1NTでは終わらないであろうと、いったんパスをして、後にビッド
する方法をとる人も多いようです。
「サンドイッチ 1NT」の約束が無くても、パスト(Passed)ハンドだと
ダイレクトの1NTオーバーコールが16〜18の筈がありません。
アンユージュアルの意味になるのが当然でしょう。
米国「ブリッジワールド」誌1999年1月号
ペア戦、双方バル
1NTは
と
の2スーター。
パネル回答者32人の選択は:
4
= 7人、2
= 7人、2
= 6人、2
= 5人、
3
= 4人、2NT/3
/3
= 各1人 でした。
4
をビッドするのをためらう人が多いようです。
良い2スーターなら「2NT」とビッドすることも出来るので、
1NTは大したハンドでは無いと考えてのことです。
この「サンドイッチ 1NT」、以前は流行ったのですが、、。
2011年 世界選手権(バミューダボウル)準々決勝
ディーラSouth、ノンバル
W | N | E | S | |
| | | 1 | P | 1 | 1NT | 2 | 3NT | 4 | DBL | 4 | All | Pass | |
|
イタリア 対 オランダ
S:Bocchi
W:Muller
N:Madala
E:de Wijs
4
NS+130
S:Drijver
W:Lauria
N:Brink
E:Versace
3NTx NS+100
W | N | E | S | |
| | | 1 | P | 1 | 1NT | 2 | 3NT | DBL | P | 4 | P | P | DBL | PPP | | | |
|
米国1 対 米国2
S:Grue
W:Levin
N:Lall
E:Weinstein
4
EW+100!
W | N | E | S | |
| | | 1 | P | 1 | 1NT | 2 | DBL | 3 | P | P | 3NT | DBL | P | 4 | DBL | All | Pass |
|
S:Feisher
W:Bathurst
N:Kamil
E:Zagorin
4
x NS+510
全テーブルでEastは「ナチュラル 1NTオーバーコール」をしています。
流行が一巡して元に戻ったのでしょうか?