レベンソール(Lebensohl)コンベンション。略語は LEB。
この記事は3部作で構成されています。
レベンソール(1)は、対 Weak Twoでの使い方。
レベンソール(2)は、1NTオープンにオーバーコールが入ったときの使い方。
レベンソール(3)は、関連シークエンスや応用、変形などです。
まずは
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
と、
2NT* = LEB
を使い分けしようと。
すぐに3
をビッドすると「良いハンド」。
2NT(LEB)で3
を言わせてから3
をビッドすると「悪いハンド」。
「良いハンド」とは、テークアウトダブルに対してゲームインビテーションの強さ
のあるハンド。ダブルが13点位なので、インビテーションは10点位かと。
英国ブリッジマガジン誌2001年6月号では、
the equivalent of a jump response to a double of an opening One-bid
と説明されています。
例えば、
W | N | E | S | |
1 | DBL | P | 3 | | | |
|
と
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
は、同じだと。1
オープンに対する「ダブル」と、2
オープンに対する「ダブル」
は同じ強さです。従ってパートナーの3
も同じ強さのハンドであると。
よく「ポジティブ = 8点」というのを目にしますが、いくら何でも
で 、「2
→DBL→Pass→?」。 3
ポジティブは言い過ぎだろうと。
ロン・アンダーソン(Ron Andersen)著
The Lebensohl Convention Complete(1987年刊)には、
「良い7点から悪い11点」と書いてありますが。ハンド例は以下のようで。
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
強い5枚スーツと「10、9」がたくさん。
この10点よりも強いくらいです。
これも「ポジティブ」のハンド例ですが、
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
猛烈に強い7点で。
この9点に近い強さがあります。
目安としては、「4枚で10点、5枚で9点、6枚で8点」くらいでしょう。
これより弱いハンドは2NTを経由して3
を言わせてから、
パス(
スーツ)、または、自分のスーツを3の代でビッドします。
では「2NT」をビッドしたかったハンドはどうしたらいいのか?
以下を参考にして下さい。
ブリッジワールド誌2009年3月号
ペア戦、ノンバル
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | ? | | | |
|
パネル回答者26人の選択は:
パス = 9人、3
(ポジティブ) = 6人、3枚で2
をビッド = 4人、
3NT方向に向かう = 7人 でした。
ブリッジワールド誌2001年8月号
ペア戦、NSバル
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | ? | | | |
|
パネル回答者33人の選択は:
3
(ポジティブ) = 18人、3NT方向に向かう = 6人、2NT = 6人、
パス = 3人 でした。
また、Weak 2
オープンに対してもレーベンソールを使うかどうかは
賛否両論あります。特に約束していないときには、「使う」のが今の流行
のようです。(
スーツにしか効きませんから特にお勧めはしません。)
問題はここから。
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3NT | | | |
|
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 2NT* | P | 3 | P | 3NT | | | |
|
いずれの「3NT」もオープンハンドの強さがあります。
ゆっくりビッドすると、ストッパーがあります。
すぐにビッドすると、ストッパーがありません。
SSS(Slow Shows Stopper)とか、
Slow Shows,Direct Denies とか、
FADS(Fast Auction Denies Stopper)
と言われる取り決めです。Lebensohl SLOW と言います。
同様に、
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
いずれの「3
」も4枚
を保証して、オープンハンドの強さがあります。
ゆっくりキュービッドすると、4枚
とストッパーがあります。
いきなりのキュービッドは、4枚
はありますが、ストッパーはありません。
ところが。。
米国ブリッジ連盟会報2010年1月号
ペア戦、NSバル
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | ? | | | |
|
パネル回答者17人の選択は:
3
= 11人、4
= 3人、3NT方向に進む = 2人、2NT = 1人 でした。
キュービッドは、強いハンドのときには4枚メジャーが無くても使うということです。
以下のビッド経過はよく出てきます。
「3
」が微妙で。打ち合わせ必要と思われます。
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 2 | | | |
|
最悪 3枚、最悪 0点。
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
5枚のインビテーション
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 4 | | | |
|
ハンドの形(SHAPE)
によるギャンブルビッド
4枚のインビテーション
5枚で点有り(POWER)
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 3 | | | |
|
4〜5枚のインビテーション
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | 4 | | | |
|
SHAPE
弱いハンド
POWER
レベンソールに当てはまらないハンドは立ち回りが難しいです。
米国ブリッジ連盟会報2009年2月号
IMP戦、双方バル
W | N | E | S | |
| | 2 | P | P | DBL | P | ? | | | |
|
パネル回答者18人の選択は:
2
= 7人、3
= 5人、パス = 4人、3
= 2人 でした。
ブリッジワールド誌2000年12月号
ペア戦、双方バル
W | N | E | S | |
2 | DBL | P | ? | | | |
|
パネル回答者32人の選択は:
2NT = 12人、パス = 9人、3
= 4人、3
= 4人、3
= 3人 でした。
ディールをひとつ紹介します。
ディーラ:East、NSバル
2
= Weak
DBL = テークアウト
3
=
スーツ、ポジティブ
3
= ハンドの強さを表すキュービッド
4
= 良い3枚
4
= コントロールキュービッド
5
= やめたい
Northの
が5枚なら6
はメイクですが、実際は1ダウン。
2
でオープンされるとなかなか大変です。
なおこのディールは2012年6月の日本リーグのもので。
普通の試合ではEastのハンドは、
「絵札点(足す)オープンスーツ枚数」が「10」に満たないので、
規則によって Weak Two オープンは禁止されています。ご注意ください。