マイケルズキュービッドやアンユージュアルノートランプなどの
ツースーター・オーバーコールに対抗するコンベンション。
数ある「アンユージュアル・オーバー・アンユージュアル(unusual over unusual)」
の変形コンベンションのひとつです。
まずは以下のビッド経過から。
W | N | E | S | |
1 | P | 3 |
|
3
=
リミットレイズ
W | N | E | S | |
1 | 1 | ? |
|
2
=
レイズ
DBL = ネガティブ
2
は「キュービッド」。
スーツに関しては何も表しません。
このビッド経過に於いては
のサポートを保証します。
2
= マイケルズキュービッド、
とマイナーの2スーター
この2
も「キュービッド」。この経過では
のサポートを表します。
厳密には「バーチュアル(virtual=仮想)キュービッド」。
「インビジブル(invisible)キュービッド」とも言います。
これに対して先の、
2
は「アクチュアル(actual)キュービッド」と言います。
また、
W | N | E | S | |
1 | 2 | DBL |
|
2
= マイケルズキュービッド、
とマイナーの2スーター
ダブルは「カードショーイング」。この経過に於いては10HCP以上の
強さがあることを表します。「リダブル」の親戚です。
話を最初に戻します。
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
3
= キュービッド、
レイズ
DBL = ネガティブ
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
3
= キュービッド、
レイズ
DBL = ネガティブ
従って、
W | N | E | S | |
1 | 2NT | ? |
|
2NT = アンユージュアルノートランプ・
オーバーコール、
と
の2スーター
3
= キュービッド
3
= キュービッド
DBL = カードショーイング
バーチャルキュービッドが「ふたつ」あります。同様に、
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
2
= マイケルズキュービッド、
と
の2スーター
2
= キュービッド
2
= キュービッド
DBL = カードショーイング
こういう場合には、
ビッドレベルが高い方のキュービッド = High Cuebid
ビッドレベルが低い方のキュービッド = Low Cuebid
になります。その表すハンドは以下の通り。
Hi-CUE = レイズ。サポートと10点以上
Lo-CUE = アンビッドスーツ。5枚以上、10点以上
従って、以下のようになります。
W | N | E | S | |
1 | 2NT | ? |
|
2NT = アンユージュアルノートランプ・
オーバーコール、
と
の2スーター
3
= コンペティティブ、6〜9点
3
= コンペティティブ、
の長い6〜9点
3
= [Hi-CUE]レイズ(
)
3
= [Lo-CUE]アンビッドスーツ(
)
DBL = カードショーイング
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
2
= マイケルズキュービッド、
と
の2スーター
3
= コンペティティブ、6〜9点
2
= [Hi-CUE]レイズ(
)
2
= [Lo-CUE]アンビッドスーツ(
)
2
= コンペティティブ、
の長い6〜9点
DBL = カードショーイング
マイナーオープンにアンユージュアルNTが入ったときは要注意。
W | N | E | S | |
1 | 2NT | ? |
|
2NT = アンユージュアルノートランプ・
オーバーコール、
と
の2スーター
3
=
の長いノンフォーシング
3
= [Hi-CUE]
ゲームフォーシングレイズ
3
= [Lo-CUE]
5枚以上、10点以上
3
=
レイズ、8〜11
DBL = カードショーイング
展開は以下のように。
W | N | E | S | |
1 | 2NT | 3 | P | ? | | |
|
2NT = アンユージュアルノートランプ・
オーバーコール、
と
の2スーター
3
= [Lo-CUE]
3
= 行き場を失った!
3
= ノンフォーシング、
サポート
3NT = コントラクト
このようなビッド経過のとき、オープナーのスーツがフィットしているなら最悪でも
「行き場」があります。しかしながらレスポンダーがアンビッドスーツを表した場合
にサポートやストッパーが無いと、何をコントラクトするか困ります。
そのようなときには「すきまのビッド」を使って、行き場を失ったことを表します。
いわゆる LAST TRAIN の使い方のひとつです。
参考:
Hi-Lo CUE と違い、
Unusual over unusual(アンユージュアル・オーバー・アンユージュアル)
では、
高いレベルのCUE = 高いランクのスーツ
低いレベルのCUE = 低いランクのスーツ
を表します。
従って、
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
2
=
&
2
=
(高い方のランク)5枚以上、10点以上
2
=
(低い方のランク)サポート、10点以上
のようになります。
“Lower-Lower”と呼ばれることもあるようです。
実践での注意は、
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
キュービッドは「アラート不要」。
「アラートが無い」ということです。
こういうときに「マイケルズですか?」 という質問の仕方は不適当。
((私達のペアはマイケルズキュービッドの約束です。そちらの))
「ペアの約束は何ですか?」 などのよう尋ねます。
返答:「マイケルズキュービッドの約束で、
とマイナーのツースーターです。」
と来れば予想通りですが。
返答:「トップ アンド ボトム・キュービッドの約束で、
と
のツースーターです。」
などと言われたりして。 (NHK朝連ドラ「あまちゃん」なら、「じぇじぇ!」)
このような場合に「ハイ・ロー」は以下のように切り替わって:
W | N | E | S | |
1 | 2 | ? |
|
2
=
&
3
= [Hi-CUE]
レイズ
2
= [Lo-CUE]
5枚以上、10点以上
3
=
スーツ、6〜9
3
=
レイズ、6〜9
DBL = カードショーイング
となります。
最近にこのようなディールがありました。
2013年 渡辺杯
ディーラー East
ノンバル
1
= NAT
2
= TOP & BOTTOM、
&
2
= [Lo CUE]
5枚以上、10点以上
4
= Shape
5
= 競り合い
5
= サクリファイス
Pass* = フォーシング・パス
Southはバルのオープナー、Northはインビテーション以上の強さ。EW側
は点が無いはずで、
でサクリファイスしていることは明らか。5
に対して、
Northはスラムがあるかもしれないので判断をパートナーに委ねます。
オープナーはスラムは出来そうにないので5
に「ダブル」をかけます。
5
はツーダウンしかしませんが、5
は苦しく、5
が精一杯のようです。
似ていますが、1NTオープンに「両メジャー」のオーバーコールが
入ったときは以下のように対処します。
W | N | E | S | |
1NT | 2* | ? |
|
2
= CAPP(カペレッティ)、
と
の2スーター
DBL = 8点以上、カードショーイング
2
=
5、10点以上、ゲームフォーシング
2
=
5、10点以上、ゲームフォーシング
W | N | E | S | |
1NT | 2* | ? |
|
2
= LANDY(ランディー)、
と
の2スーター
? = 同上。
また、最近では1NTオーバーコールの直後にコンベンションを
取り決めしているペアも多いようです。
W | N | E | S | |
1 | 1NT | 2* | ? | | | |
|
2
=
と
の2スーター
1
オープンを無視します。1NTオープンに2
のコンベンショナル
オーバーコールが入ったときと同じ対応をします。
以下、オリジナルで特殊な取り決めです。
サンドイッチポジションのアンユージュアルノートランプ・オーバーコールに
対して、オープナーも同じ仕組みを採用した方が良いのでは。すなわち、
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | 2NT | ? | | |
|
2NT =
&
3
= [Hi-CUE]16+、
レイズ
3
= [Lo-CUE]16+、
リビッド
3
= ミニマム、
レイズ
3
= ミニマム、良い6枚
リビッド
W | N | E | S | |
1 | P | 1 | 2NT | ? | | |
|
2NT =
&
3
= [Hi-CUE]16+、
レイズ
3
= [Lo-CUE]18+、ゲームフォーシング
リビッド
3
= ミニマム、
レイズ
3
= 14〜17、良い6枚
リビッド
パートナーとしっかり約束してから使って下さい。