珍しく初級ディフェンスのディールがきました。
2013年 柳谷杯
ディーラNorth、NSバル
1
は「不十分なビッド」。現場では色々なことが起きます。
Southはかまわず受け入れて3
とプリエンプティブレイズ。
Northの4
に対して、Eastは
の絵札を出し続けます。
Westは、4巡目の
をダミーの
10で切られたときに、上切りできない
のが問題です。そこで3巡目の
を
5で切って、自ら
Aを取ります。
これでディフェンス側の4トリックが確定。
を続ければ開幕5連勝です。
ではWestに切り札が無いときには?
の2巡目と3巡目に、
の「大カモン」を出します。
「ダミーを上切りできないので、
を出して下さい」という意味です。
似たようなディールがノートランプコントラクトでも。
ディフェンスコース 第12回
Southの1NTオープンから始まり、ステイマン経由で3NTに。
Westは
Kをリード。パートナーはシグナルします。
Westは
Jを続け、「KQJx」を示唆。右手は
Jをエースで
オーバーテークして、
Aを取ってから、
を返します。
パートナーのシングルトンリードをエースで取り、いったん自分のシングル
トンにシフトして、あとでクロスラフを企てる。レッスンハンドの定番です。
ディフェンスコース 第11回
Northの1
オープン、Eastの
オーバーコール、Southの
レスポンス
の後、コントラクトは4
。
Westは
3のリード。ダミーに「
2」があるので、Eastからはシングルトン
リードと判ります。
Aで勝ち、いったん
2にシフト。後に
Aを直ぐに取り、
を出してパートナーがラフ、返す刀で
をラフします。
よく似たディールが来ました。
2013年 柳谷杯
ディーラNorth、EWバル
OL.
A
Aのリードはシングルトンかダブルトンでしょう。
Westは
が「Axx や Axxx」のときには、ビッド経過から
リードを選ぶ
可能性が高いからです。特に「Axxx」なら
をビッドしそうです。
前のディールとの違いは、Eastから見て、パートナーの切り札が1枚の
ことがあって、そのときには直ぐに
をラフしないと切り札が枯渇します。
そこでEastは、パートナーの切り札が何枚ありそうかを検討します。
が2枚で
が1枚のときというと、以下のようなハンドの形です。
Westはビッド経過から
Aだけの4点ということは無いでしょうから、
このようなアンバランスハンドのときには、1
の直後で2
をビッドする
可能性が高いと思われます。従ってWestの
が1枚ということは無いと。
それなら、Eastは
ラフを急ぐ必要は無いと。
ここまで考えて、Eastは第1トリックにシグナルを出します。
Westは
を続け、
Kの勝ち。ここでEastはいったん
にシフト。
テーブルに「おや?」という雰囲気が漂い、次の瞬間に全員が状況を
察知します。こののちEastは
Aを直ぐに取り、パートナーがまかり
間違って
を出して来ないように
Aを取ってから、
をラフさせます。
結果的にEW側は
でコントラクトすれば10トリックは簡単に取れ、
11トリックも近いです。Westは1
の直後で、その気になったら2
を
ビッド出来ます。Eastも、もう1回ダブルをかけて競り合えます。
しかしながら、
W | N | E | S | |
| 1 | DBL | 1 | P | 2 | DBL | ReDBL | 2 | DBL | P | P | P | | |
|
などと仕留められることもあって。
ブリッジはこの、「進むも地獄(かもしれない)、退くも地獄(かもしれない)」
という感覚がシビレますね。