フィフス(fifth)スーツ・フォーシング。
パートナー間でビッドされた4番目の(fourth)スーツを、パートナーの
いずれかが繰り返し(fifth)ビッドすること。
一般的ではありません。ご注意。
最初に知ったのはほぼ20年前。


ブリッジワールド誌 1995年4月号
4枚

と5枚

のミニマムオープンを1

で出る米国流。
2

はレスポンダーのFourth-suit forcing。
3

と3

はナチュラル。
3

はオープナーのFourth-suit forcing。
エリック・コキッシュの解説には、“fourth-suit forcing by
opener(good choice - consider the alternatives)”
とあります。
4

、5

、5

は

フィットでのコントロールビッド。
途中までは素晴らしいビッド経過だったのに最後に転んでしまって残念。
パートナー間で5NTビッドの意味するところの行き違いがありました。
「5NT」が(イ)グランドスラム・フォースか、(ロ)ピック・ア・スラム か。
最近では Pick-a-slam も市民権を得てきましたが、なんせ20年前。
オープナーは4枚

と5枚

を1

オープンしているので、

のスラムを
選ぶ余地があることを「5NT」で表しました。レスポンダーは

フィットを
疑っていないので、6

で

AまたはK があることをステップレスポンス。
オープナーは、パートナーが

の方を選んだのだろうと6

をパス!
世界のトップペアを指名してのビッド対戦だから簡単なハンドなんかある
わけないですが。
この米国 The Bridge World 誌上ビッド対戦(Challenge the champs)、
2010年11月号と12月号に山田彰彦さんと大野京子さんのペアが出ました。
2連勝で10年毎のチャンピオン決定戦(Challenge of the decade)へと
歩を進めています。翻訳記事がJCBL会報 2011年1-2月号と3-4月号に
出ています。読んでみて下さい。
このハンドで何をビッドしますか?


ブリッジワールド誌 2000年11月号から。
世界チャンピオンや全米チャンピオンなどパネル回答者32人の選択は、
3NT : 15人 (100点)、3

: 2人(70点)、4

: 11人(60点)、
3

: 3人(50点)、5

: 1人(30点)でした。
バリー・リーガルの解説には、「5枚の方でプレーすることに強い興味がある
5-6の形が来るのに、1世紀待つかも。特にパートナーがフォーススーツを
4枚で、4枚スーツを否定したなら3枚でもレイズできる経過ならなおさら。
それに対してアンビッドスーツのストッパーを探すビッドは毎日のことである
(everyday concern)」とあります。
ラリー・コーエンは、「3

。“fifth-suit forcing ”」。
フレッド・ギッテルマンは、「3

。フォーススーツを繰り返してビッドすると、
オープナーが直近でビッドしたスーツのサポートを示唆するのが、最近では
かなり一般的(these days fairly common)」。


ブリッジワールド誌 2001年10月号
エリック・コキッシュの解説には、
“…three spades was a last-ditch length
probe for three notrump,Bingo!”
とあります。
ちなみにビッド対戦の相手は Beattyと Onstott。名のあるペアですが、
このハンドはフォーススーツ2

の後、「3

-4

」の経過で6

になって沈没。
解説者のお勧めビッドは「1

-1

:2

- 2

:2NT-3NT」。
「2NT」のビッドは“least of evils, in our view ”との釈明が。


ブリッジワールド誌 2012年5月号
エリック・コキッシュのお勧めビッドです。
解説には、「2NT後に3NTを繰り返すと、潜在的に
危険なスーツ(

)に自信があるはず。従って3

の
ビッドはストッパーに問題があることを示唆している
(limited stopper material)」とあります。
このハンド、米国の Martelと Stansbyのペアは6

、英国の Priceと Simpson
のペアは5

をビッドして沈没しています。


1999年3月、インドネシア、ジャルーム(DJARUM)杯
2

はフォーススーツ。
4

は

のRKCB。
4NTは2枚のクィーン有。
5

に対してオープニングリードは

Kからのスモール。

は裏に「K10の4枚」でしたが、

の分かれは良くて
パートナーは5メイクしてくれました。
ビッド経過にはかなり問題があって。East の側で取る3NTが良いのですが。
オープナーが 「

xx

x

AQJxxx

AQJx」などのときには3NTを決め打ち
すると良くないコントラクトになってしまいます。

レスポンダーが3巡目に「3

(Fifth-suit)」を
ビッドできればオープナー側の取る3NTには
軟着陸できます。
このハンドで何をビッドしますか?


ブリッジワールド誌 1997年1月号から。
世界チャンピオンや全米チャンピオンなどパネル回答者27人の選択は、
4

: 14人 、 3

: 3人、 5

: 3人、 3NT : 6人、 4NT : 1人、でした。
エリック・ロッドウェルは、「3

。“fifth-suit forcing ”」。
ジョン・カラザズとジョン・ブラボーは同意見。
マイケル・ローゼンバーグは、3

はフィフススーツ・フォーシングになるけど、
4

のビッドを選択。
解説担当のバーコビッツッとコーエンは、
“it’s also sometimes referred to as a ‘punt’”と。
さらに、「

Ax

AKxxx

AQxxx

x」だったらどうしてくれるんだ?
と、もっともなことを。


英国 International Popular Bridge Monthly誌
1997年1月号
“…Neil Rosen did well to use ‘fifth suit forcing ’
then to bid 4

,worried that Macintosh could
not show any heart tolerance…”
British Premier League の観戦記です。
「プレミアリーグ」ってサッカーと同じですね。


ブリッジワールド誌 2009年4月号から。
1

は通称“Dutch 5422”システム。
1

オープンは、12〜14点か18〜19点の
バランスハンドに限って2枚のことがあります。
1

は4枚以上の

スーツ、1

は

スーツ。
2

はフォーススーツ・フォーシング。
3

は長い

スーツ。ここから、
“…Then East,… did not want to barge into three notrump
nor to preempt further investigation of a major-suit contract
- so he stalled with three diamonds(‘fifth suit forcing’)”
格調は高いのですが、6

には到達できないで残念。
このハンドで何をビッドしますか?


ブリッジワールド誌 2009年7月号から。
世界チャンピオンや全米チャンピオンなどパネル回答者28人の選択は、
3

: 9人 (100点)、3

: 8人(90点)、3

: 7人(80点)、
3

: 2人(50点)、2NT : 2人(40点)でした。
Eric Rodwell:Three spades.With this shape and these methods,
three spades is a punt(“fifth suit forcing”?).
John Carruthers:Three Spades.…I hope that partner does not
place me with 4=5=4=0(with which I’d have bid two notrump).
意見が大きく分かれるビッドの難しいハンド。
それでも2枚で3

のフィフススーツを試みる人は少ないようです。


オードリー・グラント&エリック・ロッドウェル共著
「2オーバー1 ゲームフォース」(2009年刊)105頁
2

は

スーツでゲームフォーシング。
3

は強力6枚。
3

は“Fourth suit bid”。
このハンドで3

をビッドするなら、前のハンドも3

をビッドするのでは?