いまパートナーとの「ツー・オーバー・ワン(Two-over-one)」は
どのような約束になっていますか?
W | E | 1 | 2 | |
|
(1) 2
= ほとんど(ALMOST)ゲームフォーシング
(2) 2
= 完全に(ABSOLUTE)ゲームフォーシング
(3) 2
=
5枚以上
(4) 2
=
6枚以上
(5) 2
= 強さ余裕あり
(6) 2
= ミニマムでもかまわない
(7) 3
= 強さ余裕あり
(8) 3
= ミニマムでもかまわない
(9) 3
= インビテーション
(10) 3
= ゲームフォーシング
「2オーバー1」にも各種ありますが、そろそろ2つの方式に集約されてきたようです。
ひとつは「Two-over-one ALMOST Game force」。
これは米国ブリッジワールド誌の読者投票に基づく「ブリッジワールド・スタンダード
2001」を筆頭とする伝統的な 2オーバー1 です。多くの 2オーバー1 の本がこの
方式で書かれています。
もうひとつは近代的というか簡易簡便というか。
ここでは「Two-over-one INSTANT Game force」と呼びます。
最初の質問の答えはどうでしたか?
伝統的な「2オーバー1」は(1)、(3)、(5)、(7)、(9)。これは「オルモスト」です。
近代的な「2オーバー1」は(2)、(4)、(6)、(8)、(10)。これは「インスタント」です。
Two-over-one Game force は米国では1988年頃には「スタンダード」の地位
を得ていました。ところがブリッジワールド誌 2001年5月号の論説には「ヨーロッパ
に於いてTwo-over-oneは知名度が低い」とあります。新方式の伝播にはインター
ネットの影響も大きいですが、実はブリッジのパートナーシップは惰性が強く。
同一のパートナーとはシステムやコンベンションを変えないことが多いようです。
さて、前者を「ローレンス(LAWRENCE)方式」、後者を「バーゲン(BERGEN)方式」
と呼ぶ向きもあるようですが。
どちらが優れているか、の比較よりは「使い慣れ」の方が重要と思われます。
どちらが今後に流行るか、には見通しが立ちます。
オードリー・グラント、エリック・ロッドウェル共著「ツーオーバーワン ゲームフォース」
が発行されたのは2009年。Audrey Grant は教育学の専門家であり、米国ブリッジ
連盟の教科書
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コースの著者。Eric Rodwell は言わずと知れた世界
チャンピオン7回、55歳の当代超一流。この本では(2)、(4)、(6)、(8)、(10)に
なっています。現状の米国内での傾向を反映しているものです。
日本国内ではチーム SLAMDUNKが1990年代からこの方式を採用しています。
なお(9)と(10)の3
のような、レスポンダーの同じスーツのリビッド(Responder’s
same suit rebid)は、「ALMOST ゲームフォース」でも「INSTANT ゲームフォース」
でも、「強い6枚」を保証します。先の本のハンド例では「KQ10832」、「AQJ843」、
「AKJ873」等々。最低でも「AJ10973」です。したがって:
「オルモスト」だろうが「インスタント」だろうが、3
をビッドするにはスーツの内容が
足りません。2NTか3
か、いずれかを選んで下さい。
☆このブログの記事を読んだだけで Two-over-one を始めることは無理です☆
☆Two-over-one の本はいずれも200ページ位あります☆