オランダのフェルトホーフェン市で開催された昨年(2011年)の世界選手権。
オープン(バミューダボゥル)の決勝はオランダ対アメリカ。
オランダチームのメンバー平均年齢は38、アメリカチームは32。
ブリッジ史上まれな、若いチームの対決でした。
オランダはこの10年ほど世界選手権上位の常連。アメリカはジュニア上がり
の若いチームが、準決勝でアメリカのベテランチームを破っての決勝進出です
(バミューダボゥルにアメリカだけは2チームを代表派遣できます)。
結果はオランダの圧勝。何の競技でも同じだと思いますが、決勝になると経験
がものをいうので。一日の長があったと思われます。
BBO(BRIDGE BASE ONLINE)の同時中継は日本時間の深夜。
素晴らしいディフェンスがあったので「おおっ」と声を出してしまいました。
ビューグラフコメンテーターも「beautiful!」と。
ご紹介します。
2011 Bermuda Bowl Final
Segment7/8 Board 9(ボードを90度回転)
ディーラーE、NSバル
W | N | E | S | |
| | 1NT | DBL | 2 | DBL | P | 2 | P | 4 | All | Pass | | | |
|
1NT = 9〜12HCP
DBL = ペナルティ
2
=
DBL = テークアウト
オープニングリードは
J。右手は
Qを出します。ここがディフェンスの鍵。
ディクレアラーは
Kで勝ち、
AKと狩り集めて、左手は
9でリバース
シグナル。
の3巡目をダミーの
9が取って、スモール
が引かれます。
右手はスモール、ディクレアラーは
10でフィネス、左手は
Aで勝って、
7にシフト。ダミーは
K、右手は正しくダック! ディクレアラーは
Qを
取りますが、ダミーの
Kが取れないので
で負けに行きます。右手は
7を出せるので左手が勝ち、再び
を攻めて1ダウン。デイフェンスが
の2巡目を取らないのが勘どころです。取ってしまうと
ラフでダミーに
入って、
Kを取られてしまいます。
反対テーブルでは
リードを右手がエースで勝って、トランプにシフト。
ディクレアラーは狩り集め、
ラフでダミーに入って
をフィネス。のちに
の3巡目でダミーに渡り、
Kで手元の
を処理してジャストメイク。
オランダに12 IMPでした。
マイケル・ローゼンバーグが米国ブリッジワールド誌2012年9月号の観戦記
に書いています。「第1トリックでde Wijsが最終形までを洞察していたとは
思えない。このような
Qのプレーは技術的には正しいのだが、報われない
ことがほとんどである。成功例を見ることができて嬉しい」と。
そういえば2007年のNEC杯のとき。表彰式と閉会パーティが終わって、大会
会場ホテルのバーにいると。優勝したオランダチームのメンバーとキャプテンが
入って来ました。彼らは祝杯もそこそこにバーのテーブルでブリッジを始めて。
若いな〜。ブリッジが面白くてたまらないのでしょう。プレイヤーを支援する体制
も充実しているものと思われます。